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【料理家の素顔 vol.2】消去法で献立決めをもっとラクに/家庭料理研究家「保田美幸」さん

E・レシピで活躍する料理家にスポットを当て、料理家としての想いとともに、おすすめのレシピをお届けする【料理家の素顔】。第2回は、献立・特集など1,600あまりのレシピを提供し、素材を活かした優しい味わいのレシピで人気の保田美幸さん。

●家庭料理の店を営みながら


料理の道にすすむきっかけから、家庭料理のレストランを営みながら考え抜いた家庭料理のあり方、献立をラクに考えるアドバイス。

保田さんが提供する、食材を活かして体にやさしく、レストランのようにおしゃれで初心者でも作りやすいレシピもぜひお試しください!
素麺を使ったユニークな一品、ナンプラーの風味が効いた「素麺のパッタイ風」

出典:E・レシピ



■料理に興味を持ったキッカケは祖母

●食べもので体調を整える知恵



保田美幸さん


私の母は料理が苦手で、それを見かねて料理が得意な祖母がよく作ってくれていました。祖母の話を聞きながら料理を作るのをみているうちに、幼いながら、食べることと健康が密接につながっていることがわかるようになり「自然治癒」という言葉も知りました。

そんなおばあちゃんの手ほどきで、疲れた時や具合が悪い時は、食べるのを控えたり少しの果物を摂るなどして、食べ物で体調を整える知恵が自然と身につきました。今でも薬を飲むことはほとんどありません。

●仲間にふるまう楽しさに目覚めた学生時代


大学に入学してひとり暮らしを始めた頃「孤食」がとてもさみしく感じられ、どうしたら楽しく食べることができるのかを懸命に考えました。その結果、お皿にこだわったり、食卓のコーディネートに凝ることで、楽しくなることを発見。飾ることが大好きなので、いろいろな工夫をしました。仲間に料理をふるまうのも楽しみになり、盛りつけの大事さに気づいたのもこの頃です。

■スタイリングから始まった料理の道
そんな学生時代を過ごした後、料理とは関係ない職業に就きましたが、専門的な職業に就きたいという思いがつのり、「SUKENARI YOKOクッキングアートセミナー」という専門学校に入学し、スタイリングや撮影を学びました。その後食品メーカーでフードコーディネーターとしての活動を開始。料理の写真を撮ったり、美味しく食べてもらうためのメニューを考案する傍ら、自分の料理を追求する場としての料理教室、レシピ制作と3足のわらじを履いて料理三昧の生活を送りました。

こうしてさまざまな角度から食に触れることで、自分の信念を料理で100%表現するだけではなく、社会と関わりながら食を通して生きていくことが自分の道なのだと気づきました。

料理にはそれぞれの事情があるので、その中で、使って感じてもらえるような種まきができればと思っています。

●お店の一番人気は揚げたての春巻き


出張料理の仕事が増え、起業を考えるようになり、お店を持つことを決意。しかし、実際にレストランをオープンして分かったのは、身体にいいものにこだわっても、お客様に喜ばれるとは限らないということでした。たとえば豆腐マヨネーズは料理教室では好評なのですが、お店ではあまり喜ばれず、オイルをたっぷり使った、手製のマヨネーズの方が喜ばれました。

そのため、私のお店で提供する料理は、ナチュラルな食材は使いますが、ヘルシーな工夫はしません。お客様からの揚げ物のリクエストも多く、手間をかけた、揚げたての春巻きは人気メニューのひとつです。

■「まごわやさしい」から引き算して決める献立
子育て中のママやパパにとっては、献立を考えるのは一苦労だと思います。そのような悩みには「まごわやさしい」から朝と昼に食べたものをひとつずつ消して、夕食のメニューを決めると良いですよとアドバイスしています。そうすると、自然に使う食材が絞られて、なにより悩みすぎないのです。

昼には肉を食べたから夜は魚、ゴマを食べてないから冷蔵庫にある野菜を胡麻和えにと、サクサクと決まっていきます。一日の食事のバランスも良くなるし、一日の努めを果たしたという充実感がもてるのではないでしょうか。

※「まごわやさしい」とは、バランスの良い食事をするための食材の頭文字をとった言葉。「豆(豆製品)」、「胡麻(ナッツ類)」、「わかめ(海藻類)」、「野菜」、「魚」、「しいたけ(キノコ類)」、「イモ(イモ類)」を指します。

●ごはんづくりに嗜好を持ち込みすぎない


また、ご飯のメニューに考える時、「嗜好」とゴッチャになるから悩むのではないでしょうか。食べる人をどうにか楽しませなければと思い過ぎて「これを作ったら」「あれも作ったら」と足し算になるうちに悩みを大きくしてしまうという方が多いように思います。

そこで、前述の通りの消去法のメニュー決めでは、コレとコレは食べたからもう必要ない、というように引き算で考えていくことで「土台」ができます。その土台に、たまに「嗜好」を足していくことで楽しさが生まれます。例えば消去法で残った素材が「エビ」だとしたら、それを「ピザ」にしていくといった小さなお楽しみをたまに加えてみる、それくらいが丁度よいのではないでしょうか。

また「何を作れば良いのか」からはじめるのではなく、この食材で何が作れるのかを考えれば、買い足す食材はコレとコレ、という具合に決まっていきます。そうすれば、食材をたくさん買い込まずに済み、経済的です。

■素材を引き立てる 保田美幸さんの家庭料理レシピ5選
家庭料理研究家として活動しつつ、小さな家庭料理のレストラン「Restaurant菜」を営む保田さん。レストランのお客様からの生の声を反映したレシピも多く、また本格エスニックの家庭料理アレンジなども期待を超えた美味しさです。そんな保田さんが提供するとっておきのレシピを5つご紹介しましょう。いずれもE・レシピのユーザーも太鼓判を押す人気メニューです。

■本格エスニックの家庭向けアレンジ 大人気の「豚ひきガパオライス」
レンコンの食感も楽しめる! ボリューム満点な「豚ひきガパオライス」

出典:E・レシピ


ピリ辛で食欲をそそるガパオライス。一口頬張るごとに、内側からフツフツと元気がわいてきそうです。こちらのレシピでは、レンコンの食感を楽しめるのがポイント。シャキシャキとした食感で、食が進みます。スタミナ不足だったり、いまいち体調が優れないときにも作りたい一品です。ボリューム満点なので、育ち盛りの子どもにもピッタリ! 

トッピングの目玉焼きは、お好みの焼き加減に仕上げてくださいね。パプリカの代わりにピーマンを使うのもありです。また、辛いのが好きなら、赤唐辛子をプラスするのもいいでしょう。一品で大満足できるレシピです。



■身近な食材でできるオシャレな一皿「イワシの香草パン粉焼き」
まるでカフェのメニューのよう、ハーブの香りが広がる「イワシの香草パン粉焼き」

出典:E・レシピ


美味しい魚料理が食べたい! と思ったときに作りたいのがコレ。ハーブの香りが口いっぱいに広がる、イワシの香草パン粉焼きです。使うハーブはイタリアンパセリなので、手に入れやすいのも魅力。身近にある食材で、まるでカフェのメニューのようなオシャレな一皿が完成します。

イワシを上手に捌くには、まず包丁の背でウロコを取り、頭を切り落とします。それから、腹の先を切り取ってワタを出し、水で洗って水気を拭き取ってください。親指の腹を頭側の背に沿わせ、尾に向かって滑らせるように動かして骨と身を外しましょう(手開き)。その後、尾を切り取って塩をふればオッケーです。



■スパイシーで食が進む 華やかな「鶏とオクラのトマトスープ」
スパイシーで食欲増進の効果あり! コクがある「鶏とオクラのトマトスープ」

出典:E・レシピ


パンとの相性も良いスパイシーなスープを作りたくなったら、こちらのレシピを試してみませんか? オクラがたっぷり入ったトマトスープです。仕上げに、生クリームを加え、塩で味を調えて器によそい、レモンを添え、お好みでパクチーを飾りましょう。チリパウダーがアクセントとなったコクのあるスープで、食欲増進の効果も期待できますよ。

ボリュームアップしたい場合は、食材に卵やキノコ類をプラスするのも良さそうです。レモンを絞って入れることで、絶妙に風味が変化し、さっぱり感を強めることもできます。ぜひお試しを!



■素麺でエスニック、ナンプラーが効いた「素麺のパッタイ風」
素麺を使ったユニークな一品、ナンプラーの風味が効いた「素麺のパッタイ風」

出典:E・レシピ


タイの定番料理「パッタイ」の麺を素麺にしたのが、こちらのレシピです。本場タイでは、米麺を使っていますが、素麺を使っても十分美味しく食べられます。タイ料理風の味つけなので、エスニックな料理が食べたいときにも最適です。

唐辛子の辛味とナンプラーの香りが後を引き、あっという間に完食してしまいますよ。素麺とナンプラーの大量消費にも役立ちそうです。パクチーが苦手な場合は、省いても構いません。より本格的なパッタイを再現したいのなら、食材にニラとモヤシを加えのもいいでしょう。自宅で外食気分を味わえそうですね。



■とろける食感もやみつきに!バルサミコ酢を使った「イチゴパンナコッタ??」
爽やかな甘さがたまらない、バルサミコ酢を使った「イチゴパンナコッタ??」

出典:E・レシピ


爽やかな甘みのパンナコッタは、食後のデザートとしても最適です。色味もキレイなので、おもてなしデザートとしても活躍してくれそう。こちらのレシピでは、バルサミコ酢を使います。そのおかげで、甘さが抑えられ、大人も大満足な味わいに仕上がります。パンナコッタならではのとろける食感もやみつきに! 

お菓子作りの初心者でも簡単に作れるので、休日に子どもと一緒にトライしてみるのも良さそうです。また、トッピングとしてブルーベリーを数粒追加するのもいいかもしれません。より鮮やかな見映えのデザートになりますよ。



■保田美幸さんについて
東京都内で小さな家庭料理のレストラン「Restaurant菜」を営み、料理教室、出張料理、ケータリングも手がけている家庭料理研究家。E・レシピでは献立、特集などを担当。素材を活かした料理レシピを提供している。今後は、お酒やお茶を研究し、楽しいもの、健康に良いもの、料理と合うものをとことん追求するのが目標。


(木下あやみ)
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