■前回までのあらすじ
自分がツラい人生を送る羽目になったのは、過去の自分のせいと思ってきたハム子。でも幼い頃の自分も母親の幸せのため頑張ってきたことを理解し、ようやく丸ごとの自分自身を受け入れることができるようになり…。
■母ももしかしたら精一杯生きていた…!?
『ただ、ただしかたなかった』
そう思える時が来ました。
私が精一杯生きてあの生き方しかできなかったように、母も精一杯生きてあの生き方しかできなかったのでしょう。
「大人なんだから、親なんだから、子どもの人格を否定してはいけないということぐらいわかっているべきだ」。
ずっとそう思っていました。
でも、母はちょうどその部分が歪んでいたのでしょう。
ただ、ただ仕方がなかったのです。
これ以上恨んでも意味がありません。
この時の心情は、『恨みがなくなった』というより『恨むことを手放した』という表現の方があっています。
恨んでもしかたがない。
私の大切な人生を、恨むことに費やしたくない───────そう思ったのでした。
※この物語は私の経験を基に、一部編集しています。
(グラハム子)