■前回のあらすじ
彼の想いに感服! 彼の純粋な言葉のひとつひとつに、癒やされるようになった私…。
■ささいなことでも、聞いてくれる彼…彼とのやり取りは、家族が寝静まった後、深夜にまでおよぶこともありました。
「ドラマ、録画してたのやっと見れました! おもしろかった〜」
「買い物してたら、こんな野菜が…」
「娘が、こんな手伝いをしてくれて…」
私が送るのは、子どもたちのオモシロエピソードや、ニュース、ドラマのこと…。
そんなことしかありませんでしたが、彼は興味深げに聞いてくれました。
「僕も見てます! あの俳優さん、かっこいいですよね」
「おもしろい! ぜひ、料理してください(笑)」
「いい子なんですね。僕も妹がいるんですけど…」
どんなひとりごとのようなメッセージにも、楽しそうに食いついてくれる彼。
彼とメッセージをやりとりするこの時間は、
寂しさが差し込んでいた心が、ホッとあたたかくなる時間でした。■このメッセージのやり取りは、夫への裏切り…?夫とこんなふうに話したのは、いつが最後なんだろう。
自分のことなんて、すっかり話さなくなってしまった…。
夫に聞かれることもなくなったし、自分から話すこともなくなった。
話題はいつも、子どものこと。
同じ部屋で寝息を立てる夫の背中に、
“これも裏切りになるんだろうか”と、ふいに思いました。
…で、でも、夫もかわいい同僚の子とメールしてるしね!!
私の妊娠中だって、毎週のように飲みに行ってたし…。
なんて思いながらも、少し罪悪感を抱き始めていたのは、私が少しずつ、彼にひかれていたからだったのかもしれません。
次回に続く(全11話)毎日9時更新!
(たんこ)