このお話は作者ポケットさんに寄せられたエピソードをもとに再構成し漫画化しています。
■これまでのあらすじ
ワーキングママのさくらは、幼稚園児の息子ゆうたと夫の3人暮らし。しかし、夫が現在無職で最近借金があることが発覚して、離婚も考えている。そんなある日、仕事からさくらが帰宅すると、ゆうたと夫の姿がなくて…。まずは夫に連絡、警察に行くが、どうやら夫は「妻からゆうたを守るため、ゆうたを連れて逃げた」と偽装して、ゆうたを誘拐したのだとわかってくる。児童相談所からはゆうたの頬が赤く腫れていたと聞き、ゆうたの身の安全をすぐに確認したいと思うさくら。弁護士に相談すると、家庭裁判所に申し立てを行ない調停を起こすように言われる。しかし、夫にそれを知らせる手立てがなくて…。
■夫に連絡が取れる!?息子を早く連れ戻すためには申し立てをしないといけない、と前に進み出した私。
そのためには夫に調停の申し立てをすることを伝えないといけない。そして調停はあくまでも話し合いなので夫に出廷してもらわないと意味がない…。
弁護士の大山さんが気づいたのはメンバーが私と夫だけのグループメールでした。
夫に買い物などを頼む際に他のメッセージに埋もれないよう、専用にメモ用のグループを作っていたのです。グループからならメッセージを送ることができるのでしょうか?
■弁護士の指示でメッセージを送信大山さんが言うには、グループからであればブロックされている相手でもメッセージを送れるとのこと。
私は半信半疑で言われた通りグループから夫にメッセージを送りました。感情的になってしまうと困るのでグループから通話はせず、あくまでも事務的な内容にしました。
警察や児童相談所へも相談していること。
調停の申し立てを行うこと。
調停を正当な理由なく欠席し続ける場合、罰金の可能性もあること。
離婚や親権の話し合いも行うこと。
このような内容でした。このメッセージに既読さえつけば…!
でも、たとえ夫がメッセージを見ても返信してくるかはわかりません。
夫の友人や元職場の同僚、夫と面識があるママ友など、夫を知るあらゆる人に居場所を知らないか聞いてまわりました。
家庭の事情を知られたって構わない。息子を連れ戻せるなら…。そう思いました。
(にしやまポケット)