寒くなり、空気が乾燥してくると、風邪をひきやすくなりますよね。気をつけているつもりでも、いつの間にかよく熱を出している人もいれば、なぜか滅多に風邪をひかないという人もいませんか? その違いはどこにあるのでしょう? 風邪の原因を知って、しっかり予防したいものですね。
そもそも風邪をひくのは、ウィルスの感染によるものが多いとのこと。つまり、免疫力が低下することから、体内に入ったウィルスや細菌などから自分の体を守ることができず、風邪などの症状が現れるのです。
手洗いやうがいなどの予防策を行うのはもちろんですが、免疫力を高め、風邪をひきにくい体質にすることが何よりも大切と言えそうです。
免疫力を高めるためにできることのひとつに、体温を上げることがあります。一般的に、免疫力は体温が1℃下がると30%低くなると言われ、体温を上げることで免疫力が上がると言われているのだそう。
体温が上がることによって血流が高まり、体のすみずみに血液が行きわたって、栄養や酵素を届けるとともに老廃物を回収し、免疫機能を発揮する血液中の白血球がウィルスや異物を退治してくれるとか。そのために、お風呂が効果を発揮します。
お風呂の効果としては、まず温熱効果があげられます。お風呂で温められた血液が全身を巡ることで体が温まり、血流が高まります。血流がアップすれば、同時に免疫力も高まることが期待できます。
またお風呂に浸かると、全身に水圧がかかります。そのことで、呼吸の回数が増え、心臓が動き、心肺機能が高まって、その結果血流が促進されることが考えられるのです。
さらに、お風呂に入ることは風邪をひきにくい体質をつくるのはもちろん、風邪の予感がしたときにも役立つそう。風邪のひき始めに効果的なのは、入浴で体温をしっかり上げること。そしてしっかり発汗すること。そうすることで多少の不調であれば回復させられるかも。ただし体や髪を濡れたままにしておかないように注意してください。
また、既に風邪をひいて熱がある場合は、お風呂に入るのは控えたほうがよいとのこと。熱があるというのは、体そのものの力で免疫を高めて、細菌と戦っている状態なので、外からの力で体温を高めてしまうと身体の機能が乱れて、さらに悪化することも。
では、風邪をひきにくい体質にするためには、どんな入浴法が効果的なのでしょうか。そのポイントは、体温を38℃以上にあげ、そのあとゆっくりと体温を下げていくことです。
そのために、夏は39℃、冬で40℃の少しぬるめのお湯で20分程度ゆっくりと浸かりましょう。そのほうが、深部からしっかりとからだを温めることができるのです。炭酸ガス入りの入浴剤を利用すると、さら湯よりも早く体温を上げることができるので、使ってみるのもいいですね。
忙しいとついついシャワーで済ませたりすることも多いかもしれませんが、今年の冬は風邪予防のためにもしっかりとお風呂に浸かる習慣を身につけてはいかがでしょうか。
協力:バスクリン お風呂博士 石川泰弘