最近むしょうに眠い、集中力が続かなくてケアレスミスを連発、やる気が出ないしなぜか甘いものや炭水化物ばかりやたら食べたくなる…。
(c) Andrey Kiselev - Fotolia.com
暖かい季節はそんなことないのに、寒くなってくると毎年このような変調を感じているのなら、もしかすると「冬季うつ」のサインかもしれません。
これまで多くの医師に取材をしてきた筆者が、精神科医のドクターにお聞きした「冬季うつ」の克服方法をもとに、寒い季節のメンタルを健やかに保つヒントをまとめてみました。
これから始まる長い冬、せめて心はぽかぽかに保って元気に乗り切りましょう!
冬の心の不調に関わる2つのキーワード「セロトニン」&「ビタミンD」冬季うつに関わるのが、日照時間の短さです。
私たちの情緒は、心のコントロール物質である「セロトニン」によって左右されます。セロトニンが不足すると、理由もなくやる気が出なかったり、ストレスを感じやすくなったりします。
もうひとつ、心の安定に関わっているのが太陽ビタミンとも呼ばれる「ビタミンD」。あまり聞きなじみがないかもしれませんが、骨の形成、免疫への関与のほか、うつ病へのアプローチも報告されている近年注目のビタミンです。
これらはどちらも、太陽の光によって合成される特徴があります。日照時間が短い季節はどうしてもセロトニン、ビタミンBが不足しがちになるため、心の不調に陥りやすくなるのです。
プチ「冬季うつ」を乗り切る3つのヒント日照時間の短さはどうしようもありませんが、日々の生活のちょっとした心がけで、セロトニンやビタミンDを増やすことはできるんです。
そのヒントがこちらの3つ。
■今からでも遅くない! 太陽の光を“浴びだめ”しておこうセロトニン、ビタミンDを増やすには、紫外線対策をせず手足を出して1日20分程度の日光浴がポイント。女性にはうれしくないイメージの紫外線ですが、体にとって必要な面もあることを覚えておきたいですね。
さらにビタミンDには、筋肉にためておける特徴があります。日照時間が短い北欧で夏の間に日光浴を楽しむ人が多いのは、このことを感覚的に知っているからかもしれません。
いまからでも大丈夫。日差しがある日には手足を出してお散歩や軽い運動を楽しみ、ビタミンDの貯蔵庫になる程よい筋肉をつけておくとよいでしょう。
■太陽ビタミンは食べ物からも摂取できるビタミンDは、食事から補うこともできます。
多く含まれているのが、魚や鶏卵、海藻やきのこ類。また、天日干しにした食材はビタミンDがパワーアップ。積極的にいただきたいところです。
ちなみに、ビタミンDを合成し、体内に運ぶのに役立つのが肉や乳製品。ビタミンDをたくわえる筋肉をつくる材料にもなるので、一石二鳥の食材です。
■ “笑う門には福きたる”には医学的根拠あり?大きく笑っているとき、自然とリズミカルな腹式呼吸をしていることに気づいていますか?
実はこのリズミカルな腹式呼吸も、セロトニンを活性化するポイントのひとつ。
しかも、笑いはウイルスやがん細胞を見つけて攻撃する「ナチュラルキラー細胞」の活性化にもよいとされています。
気持ちがふさぎこみがちなときほど、思いっきり笑える映画や漫画、小説などを楽しみオーバーなくらい声を出して笑ってみると、ちょっぴり気持ちが軽くなりそうです。
(コミヤ カホル)