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自分を大切にする方法「セルフ・コンパッション」

まずはじめに、下記のふたつの質問にこたえてみてください。

下を向いてほほえむ女性

? contrastwerkstatt - Fotolia.com



質問1 あなたの大好きな友人がひどく落ちこんでいる姿を想像してみてください。心からなぐめてあげたいと感じるとき、あなたはどのような言葉をかけますか。そして、どんな行動に出るでしょうか。できれば少し時間をかけて、書きだしてみてくださいね。

質問2 自分自身がひどく落ちこんでいる姿を思いうかべてみましょう。そのとき、あなたは自分自身にどんな言葉をかけますか? そして、どんな行動に出るでしょうか。これも、正直に書きだしてください。

両者は同じような回答になりましたか? それとも、まったく逆の内容になったでしょうか。もし、あなたが自分自身を大切に思っていなかったら、2つのこたえには大きなちがいが見られるかもしれません。

■自分を大切にすることへのヒント
「セルフ・コンパッションとは、自分の愛する人を思いやるように、自分自身を思いやること」。これは、アメリカの心理学者、クリスティーン・ネフの言葉です。「自分を大切にすること」の本質を、とても的確にわかりやすく伝えてくれます。

でも、実際「自分を大切にするとは、具体的にどういうことですか?」と聞かれたら、多くの人が返答に困ってしまうのではないでしょうか。

「自分を甘やかすことにならない?」「わがまま、ナルシズムとどうちがうの?」「自分を大切にできたとして、それは何につながっていくの?」こんな私たちの疑問への大きなヒントが、じつは近ごろ話題の「マインドフルネス」にあるのです。



■マインドフルネスとは
「マインドフルネス」という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。「いま、この瞬間を受けいれて、感じとれるようにする練習」だといわれています。

マインドフルネスを活用して自分を大切にする具体的な方法に「セルフ・コンパッション」というものがあります。今回は、このセルフ・コンパッションを紹介します。

■セルフ・コンパッションを実践するには
1.自分に起きていることを自覚する
つらい、苦しいなどの感情がわきあがってきたときは、からだの感覚にフォーカスしてみましょう。胸の痛みや呼吸の乱れなど、体に起こっていることを意識しながら「いま、私は痛みや苦しみを感じている」と心のなかでいってみましょう。

「感情の苦しさや痛みが起こっているときに、その痛みを自覚する」というマインドフルネスの状態に意識を向けていくのです。

2.苦しみは、すべての人に共通のものととらえる
人間は、ほぼ皆、同じように苦しく、つらい気持ちになることがあります。自分が苦しい状況にあると忘れてしまいがちですが、失敗や苦しみは、人間にとって共通のもの。あなたひとりが経験しているわけではないのです。

そのことを思いだしながら、片手をそっと胸に置いてみてください。心臓の上あたりがいいといわれていますが、あなたが触れて落ちつく部分でかまいません。そして、手のひらから伝わる温もりや感触などを意識してください。

3.いたわる言葉を自分にかける
「私自身をいたわることが、できますように」「やさしくありますように」など、愛する人に伝えるように、自分自身に言葉をかけてみてください。そして、むずかしい感情や痛みがどう変化していくのかを、ゆっくりマインドフルに観察してみてください。

短い時間でもいいので、上記を繰りかえしていくことで、自分自身をたいせつにする習慣が少しずつついてくるそうです。しばらく意識的につづけていると、きっと新しいあなたに出会えることでしょう。

■内面に「安全地帯」をもたらす
自分を大切にする理由は、人間が苦しみを感じる存在だからです。感情の痛みに向きあい、受けいれるとき、だれもが苦しむものです。そんなとき、セルフ・コンパッションは私たちの内面に「安全地帯」を与えてくれます。

意識的に自分をいたわるトレーニングをすることで、つらい感情やネガティブな思考を受けとめることができるようになります。そして、距離を置いて眺められるようになって、はじめて自分にやさしさを向けられるのです。

自分を大切にできるようになると、周りの人をいたわり、愛することへの余裕が生まれてくるのだそう。まずは、いまの自分を受けいれるところからはじめてみるとよさそうです。
 
 
 

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