“日本の心”を全世界に発信! JAL流おもてなし術とは
2014-05-21 11:00 eltha
◆新人CAが猛特訓中!気になる訓練内容は…
タイ人は親日家が多く、仏教の精神に基づいたホスピタリティー豊かな人材が多いことから現地採用も多く、JALの外国人CA約1000人のうち6割がタイ人。バンコク中心部にある訓練施設では、狭き門をくぐり抜けた新人CA約40人が日々勉強している。日本語の基礎勉強からスタートし、機内で使用する敬語や丁寧語を学んだ後は、日本人CAを教官とする客室サービス訓練。基本的な訓練は日本と同じ内容で、接客のノウハウを学ぶ。
モックアップでは、「急に視界に入るとお客様が驚いてしまうので、話しかけるタイミングを考えて」、「目の前のお客様が見ていなくても常に笑顔で」など、細かいサービスをチェック。何気ない動きの一つひとつまで、日本流の“おもてなし”を教えていく。
◆やっぱり日本の“おもてなし”は難しい?
文化や習慣の違うタイ人が日本の“おもてなし精神”を学ぶには、やはり苦労もあるそうで…。例えば、「薬を飲みたいんだけど…」と言われた場合。日本なら「水をお持ちしましょうか?」とその先まで意図をくみ取るが、外国人の場合は“水を欲している”というところまで考えが及ばないため「どうぞ薬を飲んで下さい」となってしまいがちなんだとか。
細かいニュアンスが伝わらないこともあり、「日々、勉強しています」と語るのは新人CAのナナさんとナッティーさん。タイではタイ国際航空も人気だが、「乗務員が親切なのでJALで働きたいと思いました。私たちもそう思ってもらえるように頑張っていきたいと思います」(ナッティーさん)と胸を張る。
◆外国人CAを教える難しさも… 文化の違いを実感
バンコクで2年前から現地教官育成のサポートなどを担当しているのは、広報や営業企画なども兼任してきた元CAで現在バンコク支店客室乗務員セクション シニア・ディレクターの東後直子さん。「日本人同士ならなんとなくの雰囲気で伝わることも、文化が違うと伝わらないことも。だからこそ顧客心理や理由をきちんと教えるようにしています。マニュアルではわからない部分なので、彼女たちも日々勉強ですね」と、異文化をふまえて教えるようにしているとのこと。
飛行機という狭い空間のなかでは“距離感”も重要。気配や間のおき方など、人を不愉快にさせないよう相手の気持ちを考えるように教えているというJAL。そうした細やかな気遣いが、快適な空の旅を生みだしている。