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保育園&保育士不足の救世主? IoTを利用した“スマート保育”の可能性

『スマート保育環境整備』に向けた有識者、左から無藤隆氏(白梅学園大学大学院特任教授)、土岐泰之氏(ユニファ株式会社 代表取締役CEO)、永田哲也氏(株式会社パパスマイル 代表取締役)、大豆生田啓友氏(教育学者 玉川大学教授)

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『スマート保育環境整備』に向けた有識者、左から無藤隆氏(白梅学園大学大学院特任教授)、土岐泰之氏(ユニファ株式会社 代表取締役CEO)、永田哲也氏(株式会社パパスマイル 代表取締役)、大豆生田啓友氏(教育学者 玉川大学教授)
 10月から幼児教育の無償化がスタート。幼稚園や保育園の保育料が補助され、子どもを預けやすくなる一方で、さらなる待機児童の増加や、保育士不足が助長される懸念もある。そうした問題を解決する救世主となり得るのが、IoTを利用した“スマート保育”だという。保育の有識者を招き開催された講演会で語られた、その大きな可能性とは?

■多忙を極める保育の現場 幼保無償化で懸念される質の低下

 共働き世帯が増え、保育園や幼稚園の預かり保育の利用率が増加を続けている昨今。10月からスタートした幼保無償化により金銭的な負担は軽減されたが、問題点もあると専門家は指摘する。

「待機児童や保育士不足の問題が助長されるだけでなく、長時間保育が可能になったことで質が低下する危険性もあります」(玉川大学教授・日本保育学会副会長 大豆生田啓友氏)

 保育士の現場の多くは人手不足。特に23区や東京近郊ではその傾向が顕著だ。そんな中、保育の質を保つために重要なことについて、白梅学園大学大学院特任教授の無藤隆氏は、「保育の記録を振り返り、保育士自身が勉強できるゆとりを持てる環境を作ることが大切」と話す。

 しかし、保育士の仕事は子どもの安全管理や体調管理はもちろん、保護者への手書きの連絡帳作成から、お昼寝の際は5分起きに呼吸の有無、どちら向きに寝ていたかを確認して記録に残すなど多岐に渡る。それらの業務をきちんと行いながら質の高い保育を保つための救世主として注目されているのが、IoTを利用した“スマート保育園”化だ。

■IoTで子どもと過ごす時間が増加、写真の自動撮影やデジタル連絡帳で保護者と対話も
 
 近年、広がりを見せているのは、タブレットでの登降園確認や、登園時に1秒で検温してデータを記録できる体温計の活用。また、保育施設で起こる死亡事故の実に7割を占めるとされているお昼寝中のチェックを、目視だけでなくセンサーを使って確認できるツールも登場した。

 毎日、保育士が手書きで作成している連絡帳も、デジタル化することで多くの利点が。スマートフォンで手軽に閲覧できることで、保育士と保護者の密なコミュニケ―ションにつながり、子どもの成長や興味にフィットした保育が可能になるのだ。

 さらに、保育士がエプロンにつけるだけで、子どもの写真を自動撮影してくれる小型カメラも。

 「子どもの姿をきちんと記録して振り返ることは、とても重要です。全員分を記憶しておくことは難しいですが、写真を見ることで思い出すことができる。その日の子どもたちの学びを理解することで保育のポイントが分かり、その後の指導計画にもつながるのです」(大豆生田氏)

 撮影した写真をデジタル連絡帳に添付して活用することで、保護者も様子が分かり対話が生まれる効果もある。

 スマート保育園化する本当の意義について、無藤氏はこう語る。

 「本来、保育は人と人とが向き合う極めて人間的な仕事です。IoTを上手に使うことで、保育士が子どもと一緒に過ごせる時間が増えたり、子どものやっていることの意味がよりよく理解できれば、本当に意味のあるものになるはずです」

 徐々に広がりつつあるスマート保育は、今後も可能性を秘め進化を続けそうだ。



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