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毎日の美容時間を“作業”から“いたわる時間”に 化粧品メーカーが挑む「美容から幸せをどう実現するか」

2022.03.20 08:40

アイテムを伸ばした手で、鼻・口まわりを覆い深呼吸。香りや質感を堪能することでリラックスや癒しにつながる

アイテムを伸ばした手で、鼻・口まわりを覆い深呼吸。香りや質感を堪能することでリラックスや癒しにつながる

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 忙しい日々を過ごしていると、自分の肌をいたわる余裕が無くなってしまうことも。化粧水、美容液、乳液、日焼け止めなど、お気に入りの基礎化粧品を揃えていても、時間の確保が難しい、単なる作業になっているといった悩みも聞かれる。時短、節約、あえて何もしない…様々な美容アプローチがあるなかで、どのようなスタンスをもってスキンケアを行うのがよいか。”美容”と”幸せ”を掛け合わせた美容ルーティンを発信しているポーラに話を聞いた。

■「美容ルーティンから人々の幸福度を上げる」メーカーからの提言

 1つで化粧水から下地までの役割を果たすオールインワンコスメや、クオリティの高いプチプラコスメが次々に登場。肌悩みにアプローチするエステや美容医療の選択肢も増えている。忙しい日々のなかで、セルフケアとして”時短美容”の需要は今後も変わらないだろう。しかしそこに重きを置くあまり、毎日のスキンケアが義務的な時間となっている課題もある。

 生活者の美容時間に、企業としてどう向き合うか。ポーラは2021年の4月に「ポーラ幸せ研究所」を設立し、「美容は幸せに貢献できるのか」をテーマに様々な研究やソリューション開発をしている。同研究所の宮北洋子さんと手塚麻純さんは「どんなに忙しくても、自分なりの美容ルーティンを持っておくことが、自分自身を理解することにつながる。どんな自分になると幸せか、そのために何が必要なのか。美容にも幸せにつながる要素がある」と話す。

 そもそもコスメを身に付けることで自己肯定感が上がったり、他者から「似合っているよ」などと褒められることで、気分が上がる、幸せな気持ちになることは、なんとなく経験した人も多いだろう。しかしその”なんとなく”を、意識的に作ることができたら生活者の”幸福”はどれほど変わっていくか。

 同社が導き出したのは、幸福度の高い人と低い人を定量・定性データで比較し、その行動や思考に基づいて考えられた『美容ルーティン』。朝と夜の1日2回、スキンケアの時間を通して”自分の気持ちに気づく”ことが自身の幸せにもつながるという考え方だ。

【幸せにつながる「美容ルーティン5か条」】
1.「なりたくない状態」よりも「なりたい状態」を意識する
2.結果よりもプロセスを重視する
3.自分に合った、続けられる簡単なルーティンをたくさんもつ
4.手のぬくもりを感じる
5.ルーティンを通じて自分の状態・気持ちに気づく

 幸せ研究の調査を行ってきた宮北さんは、このルーティンについて「なりたい状態を意識することが大切」と話す。

「いまは、情報が多くあふれる時代です。気にしなくていい情報に惑わされ、つい周囲の人々と比較してしまう。だからこそ『ありのままの自分を持つ』『我が道を行く』マインドを持っていることが大事になってきます。

 SNSなどにあがっている他の人の写真や情報と自分を比べるのではなく、”自分の幸せの基準を持つ”ことが大事です。その基準は、すごく小さな範囲でも構いません。例えば、自分のデスク周りを徹底的に自分好みにしてみる。そうすると自分がどういうものが好きなのか、どんな色が好きなのか、認識することができ、『自分の状態・気持ちに気づく』という感覚も分かってくると思います」(宮北さん)

■”儀式”として…アイテムを並べてスタートするスキンケアルーティン さらに美容ルーティンの「自分に合った、続けられる簡単なルーティンをたくさんもつ」について、同社の手塚さんは「スキンケアも、ルーティン化することで自分の状態や気持ちに気づく環境を作れる」と話す。

「スキンケアは、単なる肌のケアだと思われがちですが、それを通して”心のケア”まで行うことができると考えています。今回ポーラが考案した4つのルーティンのなかで続けられそうなことを選び、毎日のスキンケアにプラスしてみてほしい。皆さんのお手持ちのアイテムでできるスキンケアのルーティンを紹介します」(手塚さん)

【幸せにつながるマインドフルなスキンケア】
・手持ちのアイテムを、使う順番に机に並べてからスキンケアをスタート
・アイテムを伸ばした手で、鼻・口まわりを覆い深呼吸。香りを堪能しながらリラックス。
・アイテムを肌に広げ、手のひらで両頬、額、あごを包み込んで密着。手のぬくもりを肌に伝えるイメージで行います。
・スキンケア後の肌や、自分の気持ちを観察してみましょう。

「まず、ちょっと独特なんですが、スキンケアに入る前に使うアイテムを使用する順番に机に並べてほしいんです。例えば朝なら、化粧水(ローション)→美容液(全顔・部分用)→乳液(ミルク)→日焼け止めと並べてあげます。気に入ったアイテムであれば、眺めているだけで気分が上がってきます。机に並べることで、スキンケアのスイッチを入れるイメージです。作業的な流れから頭を切り替える、ちょっとした儀式のようなものととらえてください。いったん雑念を忘れて、スキンケア自体に集中できる環境を作ることができます」

 続いて、アイテムのテクスチャーや香りを楽しんだり、手のぬくもりでアイテムを肌に浸透させていく工程がある。

「各アイテムを手にとって軽く伸ばしたあと、口と鼻の周りをおおって、深呼吸してみてください。香りがよいアイテムであれば、目を閉じて深呼吸することで、リラックス効果もあります。同じものを使っていると、慣れてしまって感覚が鈍感になったりします。でもこのような動作を挟むことで、自分が毎日使っているアイテムの魅力に改めて気づくきっかけにもなります。

 次に手のひらで顔を包み込みます。美容ルーティンでは『手のぬくもりを感じる』とありましたが、ここでは”愛情を持って”自分の肌をいたわるように触ってほしいです。まず手をこすり合わせて、温めます。温めた手の熱を、肌に伝えていきます。愛情を持って肌にぐっと押し込み、ぬくもりを伝えるイメージで行います。ゆったりとした気持ちで、自分の手のぬくもりで癒されながらケアを進めていってください」

■「皆さんが豊かな時間を過ごしていただける状態を目指したい」 基礎化粧品を肌につけるには、コットンでのパッティング、シートパック、美顔器の活用など様々な方法がある。しかし同社がすすめているのは、”自らの手によって”しっかりケアを行う方法だという。

「調査をすすめるなかで、幸福度が高い人たちほど化粧水を丁寧に手でつける、マッサージするなど、”手”を使ってケアしている比率が高いことが分かりました。幸福学的にも、ハグする機会が多い人、スキンシップが多い人は幸福度が高いという研究結果が出ています。愛情をもって肌を触ると、それによって脳内でも幸せホルモンといわれるオキシトシン、セロトニンが出るといわれています。さらに、安心感が出ます。自分をいたわっているような感触を得られます。それが肌にも心にもいい。愛情をもって触るというところがポイントですね」(手塚さん)

 最後に「鏡を見ながら、肌を触ってみてください」と手塚さん。「かたい、やわらかい、ゴワついているなど、肌の状態が分かります。昨日と今日の違い、自分の肌の状態、心の状態の変化を感じてみてください。心の状態に自分で気づくのは、難しい部分もあります。スキンケアを通して、いつもよりリラックスできない、緊張している、逆にスッキリしているなど、『自分は今どういう気持ちなんだろう?』と考えてみることが大切です。それが見えてくると、コンディションに合わせた行動をとることができます。『今日はテンションを上げるために、推しのDVDを見よう』『自分をいたわってあげるプラスのケアをしよう』といった次の行動の気づきにもつながります」。

 「これらのスキンケアルーティンは、全てやらなければならないものではない」と手塚さん。「ゆっくり時間をかけなければいけないものでもなく、全部やらなければいけないものでもありません。取り入れやすいことから、始めてみるのがおすすめです」。

 宮北さんは、美容メーカーの役割はより良い商品・サービスを提供するだけにとどまらないと今後の展望を語る。

「朝と夜の2度、メイクをしたりスキンケア・ボディケアをする機会があると思います。その時間を通して、いかに美容がお客さまの幸せにつながり、いきいきと過ごすきっかけをつくることができるか。この研究にかかっている部分ですし、当社を通してより皆さんが豊かな時間を過ごしていただける状態を目指したい。美容に携わる企業として、その役割を果たしていくべきだと思っています」

「eltha by ORICON NEWS」-女性のコンプレックスを解き放つ-



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