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「え、男は育休取れたんだっけ?」職場初の男性育休取得に苦戦した2児のパパ、クビも覚悟した周囲からの冷ややかな視線

2022-07-07 07:30 eltha

 2才娘、1才息子を育てる2児の父・ポンパパさん(36)。共働きのフルタイム勤務で、第1子が生まれてすぐに夫婦ともに育児休暇取得を決意。しかし、ポンパパさんの職場では、これまで男性の育休の事例はなく、1から制度の説明をしたり、冷ややかな声があったりと、かなり苦戦したとのこと。当然の権利でありながら、一部では未だに理解がない男性の育休制度。クビも覚悟で取得したというポンパパさんに、その実情を聞いた。

第1子に3ヵ月間、第2子で9ヵ月間の育児休業を取得したというポンパパさん

第1子に3ヵ月間、第2子で9ヵ月間の育児休業を取得したというポンパパさん

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■「夫婦で取る必要ありますか」「私は認めません」心無い声にも屈しなかった父の覚悟

――子育てのSNS発信や育休パパのブログ発信を始めたきっかけを教えてください。

我が家は夫婦ともにフルタイム勤務で、子どもが生まれてから「子どもとの時間をもっとたくさん取れたらいいのに」という強い気持ちが夫婦の中に生まれました。そして第2子の育休中、より子どもとの時間を増やすにはどうしたらいいだろうと思い、働き方の見直しを考え始めました。その時にブログの情報発信で力をつけて、在宅でも仕事ができるスキルを身につけようと考え、同時にInstagramも始めました。

なぜ発信内容を子育てや育休パパにしたのかと言うと、私は第1子に3ヵ月間、第2子で9ヵ月間の育児休業を取りました。取ろうと思い立った時にぶち当たったのは「男性で育休取った人がいない…」ということでした。取得の仕方も手探り、上司へのお伺いも手探りで行い、いろいろな壁も経験しました。

そこで、私たちが経験してきたことを発信し、これからパパ育休を取りたい方の不安が少しでも解決できればと思い、情報発信を始めました。それからいろいろな情報を発信してきて、今は夫婦で息子の発達について多めに発信しています。

――職場で男性初の育休を取得するにあたり、休みづらさや復職後のやりづらさを感じることはありましたか。

私は取得するタイミングで職場の男性育休の認知が低かったため、少し大変でした。上司に初めて育休取得したいと伝えた時「え、男は育休取れたんだっけ」と言われました。職場の先輩に話した際は「有給と公休をうまく使って休めたよ」と育休の存在に気づいていない様子でした。「これは大変だ」と感じ、育休取得する半年前から動きはじめました。

厚生労働省から育児休業給付の制度を印刷して上司に手渡ししたり、職場の先輩や同僚に「こんな制度があるんですよ」と説明したりしました。職場での人間関係はとても良かったので、取得に対して快く理解してくださいました。でも、一部の人には心無い言葉をかけられる事もありました。

「育休を夫婦で取る必要ありますか」
「奥さんが子どもを見ているなら、あなたが休む必要はないと思います」
「職場は認めても私は認めません」

この発言は同じ子育て世代のパパからでした。言葉としては辛かったんですが、夫婦ふたりで子どもを育てるという概念がない方だったので、仕方ないのかなとも思いました。それと同時に、育児休業の制度開始当初のお母さん達は私が受けたような肩身の狭い想いをして育てていたのかなーとも思いました。

正直、取得当時はドキドキでした。最悪仕事がダメになってしまうかもと覚悟を決めているところもありました。復職も同時に心配していましたが、職場の先輩パパさんや上司に育休を賞賛されて、結果イメージアップでした(笑)。

■「育休なんてとって、仕事大丈夫なの?」世代によっては、未だネガティブイメージも…

――実際に育休を取得して、どのようなことを感じましたか。

休業したことで、家事や育児だけに集中して取り組み、産後の妻の身体への負担を軽減する事ができました。また子どもと思いっきり遊んだり、のんびりしたりと、本当に貴重な時間を過ごす事が出来ました。

家事や育児を始めた当初は慣れるまで大変でしたが、今では問題なくこなせています。以前と比べて出来る事も増えたので、自信をもって妻に「私に任せて」と言えるようになりました。

――いまだ男性の育休取得は少ないように感じますが、育休に対する人々の意識に対し、どのようにお考えですか。

子育て世代のパパママであれば制度は周知している印象を受けましたが、上の世代の方と話すと、時に男性の育休に対してあまり良いイメージが持たれていない印象を受けました。

「女は家庭を守り、男は外で稼いでくる」
「育休なんてとって、仕事大丈夫なの」
「収入は平気なの」
「そんなに休んじゃって職場の人間関係は大丈夫なの」などです。

でも、良い面もありました。復職後に職場の同僚より「育休を取る事になりました。道筋を作っていただいたので、スムーズに取得する事が出来ました。ありがとうございます」と感謝されました。特にそんなつもりはなかったのですが、少しは育休推進に貢献できたのかなと、嬉しい気持ちになりました。

また、理解のある先輩からは「育児は夫婦ふたりで行うものだし、子どもにとってもその方が良いに決まってる。育休取る事はとても良い事だよ」「昔のように奥さんに任せきりの育児はそもそもおかしな話だよ。他の先進国では夫婦で子育てや育休なんて当たり前になってるよ。父親も育児に協力してやっていかないと駄目だよね」などのお言葉をいただきました。自分は間違ってない、自分の理想を追いかけて良いんだと背中を押していただきました。



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