「生んじゃえばなんとかなるよ」なぜ軽いノリで言えるの…? ”選択子なし”選んだ夫婦、妻が抱くプレッシャー
2022-09-17 08:40 eltha
■夫婦の考えが最初から一致していた “選択子なし”を選ぶことになった背景
――子どもを持つ人生も、持たない人生も、どちらも尊重されるべきこと。でも、漫画にもあったように「生んじゃえばどうにかなるよ!」と軽いノリで声をかけられたり、子どもを持つことを当たり前とするような風潮がまだあったりするのも事実です。そういったことに対して、望月さんはどう思われますか?
【望月ゆた】どのようなことでも多数派が普通と捉えられることが多いので、そのこと自体は特に気にしていません。ただ、ほかの人の思う普通に当てはまらない人に対して「おかしい」「考え直したほうが良い」というようなことがあると、言う方も言われる方も生きづらいだろうなと思います。
お互いが、「私はこう思うけれど、あなたはそう思うのね。いろんな考え方があるよね」と言えたら素敵だなと思います。
――望月さんご夫婦の場合は、どのような話し合いのもとに”選択子なし”を選ばれたのでしょうか?
【望月ゆた】夫が年上ということもあったので、お付き合いを始めてから割と早い段階で、私から夫に「私は子どもを産まない人生がいいのだけれど、あなたはどう?」と聞きました。すると、夫も「奇遇だね。僕もだよ」と言ってくれて、お互いの考えが一致していることがわかりました。
――最初から同じ考えだったのですね。
【望月ゆた】すぐに「それなら結婚しても産まないことにしよう」という結論に至ったので、話し合いらしい話し合いは特にしていません。しかし、もしもいつかどちらかが「子どもがほしい」と思う日が来たら、そのときは改めて話し合おうと約束しています。
■「選択子なし=子どもが嫌い」ではない ほかの理由や考えがあることも知ってほしい
――“選択子なし”を選んだことで、周囲の人たちからのプレッシャーやストレスを感じる場面はこれまでにありましたか?
【望月ゆた】友人や家族は、「まぁ、あなたたちがそれでいいなら」くらいのスタンスの人が多いですが、義母(夫のお母さん)は孫を楽しみにしている様子がありつつも何も言わずにいてくれているので、プレッシャーではないですが申し訳なく思うことがあります。
――職場の人たちはどのような反応でしたか?
【望月ゆた】職場では、私以外はみなさん子持ちなので、なかなか話に入れないことも多く苦労しました。入ったら入ったで、「あなたは子どもがいないからわからないでしょ!」と追い出されることも多かったです(笑)
――漫画には“選択子なし”についてのエピソードも描かれていましたが、読者にはどのような気持ちや思いを届けたいですか?
【望月ゆた】全然まだ漫画には描けていませんが、今後は子持ちの方には「子どもは素敵だし世の中の親御さんをとても尊敬している!!」という想いを届けたいですし、子なしの方とは「子どもがいなくても楽しいことはたくさんあるよね!!」という気持ちを共有していきたいです。
――どちらも素敵な考え方ですもんね。
【望月ゆた】“選択子なし”というと「子どもが嫌いな人」と思われることも少なくないので、ほかの理由で子なしを選択する人もいるということを知ってもらって、「こういう考え方も一つだよね」と思っていただけたら嬉しいです。重くなりがちなテーマですが、そんなに特別なことでもないので、身近に感じてもらえるよう、明るく楽しく発信していきたいです。