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密室での叱責に暴力、新人いじめ、悪口の無限ループ…女だらけの「ブラック部署」の実態 

2022-11-16 07:00 eltha

 「社会はこういうものかな、つらいと思うのは甘えなのかも」――。新卒でブラック部署に配属され不安障害になってしまったゆうこさん(@yuyuyuko0202)は、追い詰められていた当時の心境をそう明かす。悪口の無限ループに新人いじめ、感情の起伏が激しい先輩社員、そして当たり前の長時間労働。退職者が続出するなか、「退職は甘え、周りに迷惑がかかる」という思考から抜け出せず心身を壊した。そんな過去の経験から、似た境遇の人の“気づき”になれば、と体験談を描く。ゆうこさんに話を聞いた。

ゆうこさんを苦しめた”大門先輩”。『ブラック企業で働いて不安障害になった話』(@yuyuyuko0202)より

ゆうこさんを苦しめた”大門先輩”。『ブラック企業で働いて不安障害になった話』(@yuyuyuko0202)より

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■“美人でデキる”と評判の先輩はモンスターだった 密室での壮絶体験

 業績が急成長しているベンチャー企業に新卒入社したゆうこさん。就活中にはおしゃれなオフィスで働く社員たちがまぶしく見えたという。最終面接で「希望のクリエイティブ職ではなく総合職でもよいか」と問われ、一瞬迷ったが、長引く就活にも疲れ入社を決めた。

 その後、約30人の同期とともに研修を終え、配属されたのは社内で“大奥”と呼ばれる女性だらけのコールセンター部門だった。仕事は忙しく、数人集まれば“いない誰か”の悪口大会が開かれ、新人いじめも横行。退職者が後を絶たなかったという。

 さらにゆうこさんを苦しめたのが、直属の先輩だった。社内では「美人でデキる」と評判の“大門先輩”は、感情の起伏が激しく、ゆうこさんにとっては常に顔色をうかがわなければいけない、気が張る存在だった。ある出来事をきっかけに、そんな“大門先輩”のターゲットとなってしまったゆうこさんは、ついに密室で叱責と暴力を受ける。

――密室で起きたことを改めてうかがってもよいですか。

【ゆうこさん】 夜10時を過ぎたころ、誰もいない会議室で大門さんから仕事の進め方で注意を受けていました。私の態度が気に入らなかったのか、そのうち、怒鳴ったり、怒りに任せてごみ箱を蹴ったり、ヒステリー状態に…。最後には、彼女の蹴った机が私の腹部を直撃しました。

――指導ではなく、暴力です。怖い思いをされましたね。

【ゆうこさん】 最初は急にぶつけられた相手の激しい怒りに対して驚きと恐怖心を感じましたが、その後すぐに冷めていき、怒り狂っている相手に対して冷ややかな目で見ていました。実は過去、大門さんが他の社員の椅子を蹴ったり、感情的に怒鳴ったりしているところを見たこともあったので、ある意味見慣れていたと言ってもいいかもしれません。でも相手が華奢な女性だったので冷静でいられましたが、男性や威圧感のあるタイプだったら恐怖でしたね。

――社内で相談などは…?

【ゆうこさん】 人事や上司へ訴えたことはありませんでした。性格的に、何でも「自分が悪いのではないか?」と考えてしまうタイプだったこともありますし、仕事が出来ていたわけではないので余計に自責思考に陥ってしまっていました。また新卒で初めて働いた会社だったこともあり、社会ってこういうものなのかな?辛いと思ってしまうのは甘えなのかな?という考えになってしまっていました。

――確かに新卒だとその部分のボーダーラインが難しいですよね。もっと周囲のサポートがあれば…とも思いましたが“悪口の無限ループ”が行われるほど、そもそも「人間関係」が悪い職場だった。

【ゆうこさん】 そうですね。人間関係が一番辛かったです。仕事が多すぎて皆ピリピリしていましたし、人に教えたり育てたりする余裕が全くなく、質問すると嫌味を言われたり怒られたりする環境でした。皆疲労からなのか余裕の無さからなのか分かりませんが、攻撃的になる人が多く、女性中心の部署だったので嫌味、悪口、情報を与えないなどの嫌がらせが多かったです。そんな劣悪な環境なのに、長時間労働が当たり前になっていたため、寝る時間以外はほとんど会社にいないといけない。本当につらかったです。

■追い詰められると視野が狭くなり、その環境に疑問を持たなくなることも

新人いじめ『ブラック企業で働いて不安障害になった話』(@yuyuyuko0202)より

新人いじめ『ブラック企業で働いて不安障害になった話』(@yuyuyuko0202)より

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――近年、長時間労働は社会的にも問題視されています。

【ゆうこさん】 社内でも問題にはなっていました。終電帰りや深夜タクシー帰りになる社員も多かったので、残業時間を上司が管理して早く帰すように促していました。しかし、仕事の量は全く減っていないので帰るに帰れず。残業時間の多い社員は上司から叱責を受けるので、仕事を家に持ち帰ったり早朝出勤したりして残業にならないように長時間労働を続けていました。

――改善されるどころか、サービス残業になってしまった…。ゆうこさんの職場が「ブラック化」したのは、どのようなことが要因だと思いますか?

【ゆうこさん】 急成長して一気に社員を増やした会社だったので、社員育成や環境改善などが不十分だったこと、仕事の量が多かったことが要因だったと思います。ただ、仕事の中には業務効率化で削減できる仕事もあったはずですが、皆目の前のことに追われ疲れ果てていたので、未来の環境改善に労力をさくことが出来なかったのかなと思います。そして環境が悪いと社員たちにも余裕がなくなりギスギスしていき退職者が増えるという悪循環でした。

――そんな会社をついに辞めるわけですが、そのときの心境は。

【ゆうこさん】 「やっと解放された!」と思いましたね。退社を上司に伝えるまでは、辞めるなんて社内の人にどう思われているか、迷惑かけてないかなど気になって仕方がなかったですが、辞めてしまえば最早どうでもよく、ただ清々しかったです。あんなに苦しむくらいなら、もっと早く辞めればよかった、とさえ思いました。

――SNSで当時のエピソードを公開されていますが、最も伝えたいのは、どのようなことでしょうか?

【ゆうこさん】 私のように自己肯定感が低い人は考え方に偏りがあり、無理することが当たり前で、他の人からすれば「辞めればいいだけじゃん。なんで辞めないの?」と簡単に思える決断がなかなかできません。

 辞めればいいだけなのにそれができない人の思考回路を漫画にして、同じような境遇にいる方々が自身の考え方の偏りを客観的に見ることができるようになったらいいな、と思って描いています。

――かつてのゆうこさんのように、過酷な職場で悩んでいる方にアドバイスはありますか?

【ゆうこさん】 ブラック企業で働いていると精神的にも肉体的にも追い詰められて視野が狭くなり、今の環境に疑問を持つことすらできなくなります。私のいた職場でも、私を含めたくさんの人が心身に不調を訴え辞めていきました。

 働いているときは「退職なんて甘え」とか「周りに迷惑がかかる」と考えていましたが、自身の健康以上に大事なものなんてない!と今は思います。会社がつらくて仕方ないならその会社は自分に合っていないだけ。自分を大切に!



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