時間がない時の必殺技は「冷凍たこ焼き敷き詰め弁当」13年間弁当を作り続けた“母親のすごさ”を実感した体験
2022-12-03 08:40 eltha
■13年間お弁当を作り続けた母親 タイ語の試験も一発合格した姿に子どもながらに感心
幼少期から高校入学までをタイ・バンコクで過ごしたというむらいひとみさん(@i_miss_bkk_thai)。小学生だった90年代当時、タイは途上国で給食センターというシステム自体がなく、通っていたバンコク日本人学校は給食ではなくお弁当だった。そのため、むらいさんの母親は13年間お弁当を作り続けていたという。
さまざまなバックボーンを持つ同級生たち。その親もまた多様な人が多く、昼休みの時間になると個性豊かなお弁当を見ることができたという。気温と湿度が高いタイではお弁当がダメになってしまうことも多く、お弁当にアリが群がって絶望する子がいたり、冷凍ピザを凍ったまま食べている子もいた。クラスに慣れてくると「誰かソーセージいる人?」とおかずのトレードが始まることも。なかには「飽きたから弁当ごと交換しよう」という子までいたという。
「ある男の子はトレードをしまくっていたので、どのお母さんのお弁当が美味しいのか、美味しくないのかが分かっていましたね(笑)」
また、むらいさんの母親は、タイ人の保護者向けにクラスのお便りをタイ語に翻訳する手伝いもしていた。日本との文化の違いで大変な思いをしたこともあっただろうが、常にパワフルなその姿に、むらいさんは子どもながらに感心していたそう。
「母は貧乏で育ったので、いくらタイの物価が安かろうが、タイ人にも負けずに値切っていましたね。あと、タイに来てすぐにタイ語の勉強を始め、2年でタイ語の試験『ポーホック(外国人のためのタイ語の試験)』に一発合格したのはすごいと思いました。熱が出ても勉強していました」
タイでの経験自体が、むらいさんの人生や生き方そのものにも大きな影響を与えたという。「人と違ったことが当たり前で、それを自然に受け入れる性格になった」と振り返る。
「タイのいいところも悪いところも、日本のいいところも悪いところも、上手に使い分けて生きています。ネットもテレビもない不便な生活かと思いきや、その分、家族で過ごす時間が多くて楽しかったですね」
■「お母さんはお腹いっぱいだから」 そう答える母親の気持ちが結婚して分かるように…
作者のみれさん(@mire_jp)は、結婚して毎日料理をするなかで、料理に失敗したときやおかずが足りなくなってしまったときに、夫に優先的に足りない分を渡している自分に気づいたという。
「そんなときには、いつも夫に気を使わせないように『今日はお腹いっぱいだから私は大丈夫』と言っていて、その行動が幼いときのお母さんとの思い出と重なり、この漫画を描くことにしました」
漫画には「ごはん作る人あるあるw」「僕もご飯作るから分かるわ〜」「お母さん、気づかなくてほんとゴメン」などと多くのコメントが寄せられ、「お料理を作る多くの方が同じ気持ちだったんだ」とみれさんはうれしくなったとか。
「私たち夫婦はオーストラリアに住んでいます。以前、日本に帰国した際も伝えたんですが、あらためて母にはいつも料理を作ってくれた感謝を伝えたいと思いました」
日本にいる家族とは定期的に連絡を取ってはいるものの、もしものことがあった場合にはすぐには帰国することができない。そういった海外で暮らす多くの人に共通するであろう悩みもあるからこそ、みれさん夫婦はお互いを支え合いながら生活していくことを心がけているという。
「夫も私も、お互いがしてくれることを当たり前だとは思わず、『ありがとう』をたくさん相手に伝えるように自然になっていきました。夫婦2人の生活は『ありがとう』の気持ちに溢れています」