「まさかの9キロ?」飼育崩壊で太った猫、譲渡会で見向きもされない2匹の運命は?
2024-02-09 16:10 eltha
■4匹でも多頭飼育崩壊? 太りすぎて9キロの猫も
「クロキ」と「カタクリ」と仮名をもらった2匹のキジトラ、白キジの大きな猫。実は多頭飼育崩壊の現場から、『ねこけん』へと保護されてきた猫たちだった。多頭飼育崩壊というと、何十匹もの猫を思い浮かべるだろうが、その家にいたのはたったの4匹。それでも、ひどい状態になってしまっていたという。
「飼い主は一人暮らしの高齢男性でした。体を壊して働くことができなくなり、動くのも大変な状態。それで猫たちの世話もできなくなってしまったようです。他の団体からのSOSを受け、行政の立ち合いのもとでお家に入ったのですが、それはもうひどい状態でした。うんちの山ができていて、臭いもすごい。保護してから4回洗いました(笑)」
状態は悪かったものの、猫たちは飢えてはいなかった。だが、それは良いことばかりとも言えない。
「保護したとき、ものすごく太っていて9キロもある猫もいました。おじいさんは『猫たちはこのフードしか食べないから』と決まったフードをあげていたようなのですが、明らかに体に良くなく、猫たちは太りすぎ。『ねこけん』に来てから別のフードに切り替えて、ずいぶん健康的になりましたね」
■譲渡会でも見向きもされず…、でも冬は「大人猫にチャンス!」
とはいえ、保護したうちの2匹であるクロキとカタクリは、体の大きな猫。譲渡会に参加したものの、『ねこけん』ブログによると「好きな方は好きなのだと思いますが…。真っ白でふわふわした子、無邪気な子猫、素敵模様の猫たち…そんな中で…クロキとカタクリに目を向けて下さる方は…皆無」だったとのこと。「大きな体を小さくして、じっと行きかう人を見つめていますが、誰も2匹の前で立ち止まることはない」という、なんとも切ない状況だったようだ。
「必ずしも大きい猫に人気がないわけではないのですが、やはり茶トラや茶白、白、三毛など派手で明るい色の猫に目を止める人が多いですね。とくにインスタなどSNSをやっている方は、そうした猫を選ぶ傾向があります。その時々の流行りもありますが、黒やキジトラはあまり人気がないかもしれません。でも、こうした譲渡会でかすりもしない子は、時間はかかるけど本当に素敵な方と出会うので、心配はしていません」
ちなみに、猫の譲渡自体にも増減はあるそうで、コロナ禍の最中は家で過ごす人が多かったため譲渡が増えていたそう。ただ、コロナ禍が落ち着いたところ、譲渡数も減ってしまったのだという。
「ただ、今になって少し状況が変わって。寒くなって『猫を飼いたい』という人が増えたんです。気温が高いとどうしても暑苦しいと感じてしまいますが、冬だと温かい猫を抱きたいというような思いもあるんでしょうね。冬は時期的に子猫がほとんどいないので、大人の猫にスポットが当たるチャンスなんです。バランスよく譲渡されていって、新しい家族を見つけてもらえるといいですね。クロキとカタクリにも、きっといい出会いがあると思っています」