注入系の肌育治療にピーリング…SNS話題の施術を医師が解説、“気軽”イメージも「肌悩みに合う成分は医師に相談を」
2023-07-04 eltha
目頭のシワ、まぶたのたるみ、目の下のたるみに…肌育治療の成分はどう選ぶべき?
PRP:自分の血液から採取した多血小板血漿で、再生医療のひとつ。ハリを出したり、炎症を抑えたりするときに使う。治療部位に注射やレーザーなどで直接成分を注入するメソセラピーや、髪の毛よりも微細な針で肌に高密度な穴を開け、自然治癒力を引き出すダーマペンなどで使用する。
リジュラン:サーモン由来のPN(ポリヌクレオチド)がメインの成分。主にメソセラピーなどの注入する治療で使用する。
ヒアルロン酸:凹みに直接注入して高さを出すために使う。膨らませてシワを伸ばすことはできるが、皮膚のハリを出すのは難しい。
ベビーコラーゲン:ヒトの胎盤から作ったコラーゲン製剤。直接注入するが、ヒアルロン酸のように大きく膨らませることはできず、わずかな凹みや小ジワなど弾力のほしい部分に注入する
「目頭のシワは、動きによるものであれば、神経伝達物質の放出を抑える製剤のボトックスを打ちます。弾力の無さからくるものであれば、PRP、リジュラン、ベビーコラーゲンを打ちます。ただし、ベビーコラーゲンは弾力を出すだけでなく、多少膨らみますので、ある程度凹んでいるところに打つことになり、目頭のシワがどういう状態かで使えるかどうかは変わります。真顔でもただ凹みがある場合は、ヒアルロン酸やベビーコラーゲンを打ちます。
上下まぶたのたるみには、基本的に、PRP、リジュラン、ベビーコラーゲン、ヒアルロン酸を単独で打つことはありません。かかる費用については、各クリニックで異なります。打ち方やリスクも症状によって異なりますので、実際に診察に行ってそれぞれ確認した方がいいと思います」
肌の再生を促すことができる“ピーリング”「肌悩みに合うピーリングは、年齢や肌質によって変わる」
「主に表皮のピーリングにはAHA(アルファヒドロキシ酸)やBHA(サリチル酸)を用い、毛穴やニキビ、肌のごわつきやトーンアップに使われます。表皮の内側の真皮のピーリングには主にTCA(トリクロロ酢酸)が使われ、小ジワやハリ感の改善に使われます。また複数のピーリング成分を含んだ表皮・真皮の両方に効果の出るピーリング剤もあります。成分によって目的が違いますし、年齢や肌質によっても変わるので、自分の肌悩みに合うピーリングをクリニックで聞いてみるといいでしょう」
化学物質の作用で古い角質を除去するとなると、術後、当然、皮膚は薄くなるが、外的な刺激が多い夏に行ってもいいのか?
「角質などを剥離するため、一時的に乾燥が気になったり、紫外線予防を強化してもらう必要はありますが、その後、ターンオーバーが促進されて、適切な表皮の厚みに戻りますので、適応さえ守れば一年中行うことができます」
監修者 柳下悠
2005年東京医科大学を卒業。関東中央病院にて研修医として勤務をし、東京医科大学形成外科へ入局。様々な美容クリニックで経験を積み、2021年2月東京都赤坂にて赤坂ステラクリニックを開業。現在、DMMオンラインサロンにて「医師が教えるホントの美容塾」を運営中