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気温差が激しい秋、体調・メンタル不調は「自律神経」のせい? 女性に多い“感情失禁”にも注意

2023-11-23 eltha

 11月になっても夏日が続いたかと思えば、師走なみの気温に急降下と、気温差の激しい今秋。ただでさえ自律神経が乱れやすいこの時期、「どことなく体調がおかしい」「メンタル面が不安定」という人も多いのではないでしょうか? 秋ならではの体調やメンタル不調の原因や対策、また女性に多い症状とは? 横倉クリニック・横倉恒雄先生に聞きました。

長く続いた高温期、体もメンタルも…不調を訴える患者が増加

Q.この秋、自律神経の乱れからくるメンタル不調について、患者さんは増えたと感じますか?

横倉先生 夏の暑い時期から秋の気配を感じ出すと、心身の不調を訴える患者さんが多くなります。体の不調に伴い、メンタル的な不調を伴うことが多いです。今年は猛暑や高温期が長く続いたため、例年より患者さんの受診は増えました。そのなかで最も多かったのは一般的にいう“夏バテ”でした。

Q. 実際、どのようなことをおっしゃる方が多いでしょうか?

横倉先生 メンタル的な訴えは情緒不安定や倦怠感、イライラ感、易疲労感、うつ気分。自律神経的な訴えでは、体温調整が困難・冷えや動悸、不眠、食欲不審、過呼吸、頭痛、肩こり、朝起きられない、夜寝つきが悪い、夜中に目が覚める、早朝覚醒などです。特に今年は眠気、頭重感、仕事がはかどらないなどの訴えが目立った症状でした。

Q.秋は自律神経が乱れやすい季節と言われていますが、その理由は何でしょうか?

横倉先生 夏から秋への季節の変化は、特に気温差、気圧差による影響が強いです。そのほか昼の時間と夜の時間の変化も生活リズムに影響し、自律神経が必要以上に反応して様々な不調となって現れます。本来脳は毎年の季節の変化を記憶していますが、とくにその時期に脳にストレスがあった場合は、毎年の同じ季節に自律神経が過剰に反応してしまうことがあります。

女性に多い“感情失禁”、生理やホルモンバランスも影響

Q.そうした自律神経の乱れはどのような身体症状を引き起こす可能性がありますか?

横倉先生 季節の変化をストレスとして捉えると、自律神経の交感神経が異常に緊張興奮し、その結果として身体症状が出現してきます。症状としては、動悸・肩こり・頭痛・過呼吸・月経不順・排卵障害・月経困難症・耳鳴り・めまい・腰痛・のぼせ・体重増加・減少・食欲不振・便秘・下痢・皮膚乾燥感・ドライアイ・朝起きれない・夜寝つきが悪い・夜中目が覚める・早朝覚醒など、多種多様な症状が出現します。

Q.メンタル面ではどんな変化や問題が起こりやすいでしょうか? また、女性特有の症状や問題もありますか?

横倉先生 メンタル面として多いのは、特に女性では感情失禁・イライラ感・情緒不安定・うつ気分・不安感・疲労感・不眠・眼精疲労などがあり、日常生活に支障をきたすことが多くなります。それらの症状に伴って、出社できない、仕事効率の低下、人間関係の問題(配偶者や子ども、両親など家族関係、職場、友人たち)など、日常生活での困難さを抱える人が増えてきます。

 また女性は、生理やホルモンバランスにより、メンタルが乱れることも。悲しくないのにちょっとしたことでも涙が出てしまったり、自分の感情がコントロールできずにイライラしてしまったり、切迫感や怒りっぽくなるなどの感情失禁が起こりやすくなります。

脳を正常な状態に戻すことが大事、リラックス助ける“五感療法”

Q.自律神経のバランスを整えるためには、どのような生活習慣や心構えが必要でしょうか?

横倉先生 自律神経の中枢は脳の間脳にあります。したがって脳が正常な状態なら、自律神経も正常に機能することになります。脳の状態を正常にするには、生活習慣の改善が重要です。

 朝起きたら陽の光を浴びて15分から30分くらい朝散歩を楽しむと気分転換になり、自律神経も整えられます。散歩が難しいときは、ベランダで深呼吸をするだけでもリラックスしてスタートできます。1週間に1度は、公園やちょっと足を延ばして自然豊かな場所に身をおいて、樹々や花々の香りや風の心地よさ、空の青さなどを感じてみましょう(五感療法)。1日のなかでリラックスできて、ホッとする時間を意識して楽しみましょう。

Q.気温差も大きいこの秋、どのような注意点や対策が必要でしょうか?

横倉先生 気温差が大きい今年は、インフルエンザや風邪が例年より早く流行り、体の不調を訴える受診患者さんが増えています。気温差の変化になかなか体が対応できない時は、服装で対応するのが一番です。暖房が効いている室内では脱ぎやすい服装を、朝夕の外出時にはストールや手袋などで防寒するなど心がけると良いでしょう。ストールはひざ掛けにもなるので重宝です。自宅ではハーブティーやアロマを焚く、湯船に好みの入浴剤を入れてゆっくりと浸かるなどもリラックスできて効果的です。

Q.最後に、先生からユーザーのみなさんに伝えたいことをお願いします。

横倉先生 外来に来る女性たちはいろんな場所で、今日も一生懸命に生きているのだと日々思います。人生には苦しい時も悲しい時も喜べる時もあります。そのすべてが今を生きているからこそ、すべての瞬間が貴重で、それぞれの時間が人生を美しく彩っています。私が皆さんにどうしても伝えたいメッセージは、「人生はいいものだ」ということです。
横倉恒雄

監修者 横倉恒雄

よこくら・つねお 医学博士。医師。横倉クリニック・健幸外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。婦人科、心療内科、内科などが専門。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『今朝の院長の独り言』『病気が治る脳の健康法』『脳疲労に克つ』他。日本産婦人科学会認定医 /日本医師会健康スポーツ医/日本女性医学学会 /更年期と加齢のヘルスケア学会ほか。

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