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子どもの「痛い」はどこまでが本当?実は「痛み」じゃないことも! 対応について小児科医が解説

2022-08-16

こんにちは。3児の母小児科医の保田典子です。今回は、子どもが「痛い」と言ったときの対応についてご紹介します。

単語が増えてくる1歳半以降になると、子どもは「いたい」と言うようになります。うちの子も点滴をしたあとに真似をして「いたかった!」と言う動画が残っています。

子どもが「痛い」と言い出したら何か大きな病気ではないかと心配になりますし、何度も言われると「本当なの?」と思ったりしますよね。子どもの「痛い」への対応について、お話ししたいと思います。

1〜3歳の子の「痛い」は「痛い」だけじゃない

「痛い」は親にとってかなりインパクトのあるワードで、子どもが言うと親の気持ちが一気に子どもに向く言葉です。そして、「痛い」というのはどんな感じが「痛い」なのか、子どもにはまだよくわからないことがよくあります。

つまり、「痛み」はよくわからないけれど、親の注目は一気に集められるんだ、ということが、この時期の子どもの感覚としてできます。そのため、「痛み」も「かゆみ」も「不快」も、すべて「痛い」と表現することもあります。

親がけがをしたときや注射したときは「痛いね」と言ったり、皮膚が赤くなっているときは「かゆそうだね」と言ったり、嘔吐してしまったときは「気持ち悪いね」と言ったりすることで、適切な表現方法を学んでいくのです。逆に、痛みがあるときでも、「いや」など違う言葉で表現することもあります。

緊急性があるのはどんなとき?

子どもの怪我以外で痛みがでる場所といえば、頭、おなか、おしり、頻度は低いですが胸などです。頭痛は2歳ごろから起きることがあると言われています。

急激に発症してうずくまってしまうくらいの痛みのとき、嘔吐や発熱など他の症状もあるとき、血便などがあるとき、意識がおかしいとき、けいれんがあるときなどはすぐ受診しましょう。そこまでの痛みではないけれど、慢性的に痛みを訴えるときも一度受診をした方がいいかもしれません。

本当に痛いの?よくわからないときは?

「痛い痛い」という割には元気に飛び回って遊んでいる、「痛い」と言うので受診し特に異常ないと診断されたが、やっぱりよく痛みを訴えるときなど、対処に困りますよね。

「うーん、これは痛くないんじゃ……?」と疑問に思ったとしても、「痛くないでしょ!」などと真っ向から否定せず、まずは「そっか、痛いんだね」と共感して、どこが痛いのかやさしく聞いてあげてみてください。ママやパパがゆっくり聞いてあげることで安心します。

そして、「いたいいたいの飛んでけ」のように、痛みを訴えている場所をやさしくなでてあげると、さらに安心するでしょう。

その上で、かゆそうな場合は「これ、かゆそうだね、冷やしてみようか」「〇〇っぽいね」と伝えてあげることで「そっか、これってかゆいんだ」と、「痛い」以外の表現力を学ぶ良い機会になります。

上記に記載した緊急性がない場合は、まったく別のことで気を紛らわしてしまう、という対処法もあります。それもまずは「そう、痛い痛いだね」など一度共感してから、お子さんの好きなことなどを促してみて気を逸らすと良いでしょう。

痛みは積極的に治していいものです!

これは大人もそうですが、痛みをがまんする必要はまったくありません。お子さんの訴える痛みが本当に頭痛や腹痛でありそうであれば、「頭痛ならしばらくすれば良くなるかも」と様子を見る必要はないのです。

痛みが何回もある、しばらく続くなどあれば、受診して痛み止めや治療薬など適切な対処をしてもらいましょう。鎮痛薬はがまんせず使って大丈夫です。使う頻度が多いようであればまた受診して相談するなど、痛みに人生を左右されない生活を目指しましょう。

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提供元:ベビーカレンダー

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