2023-05-18
安田ふくこさんの三男・ケイくんが小学2年生のときのお話です。ある日、ケイくんは小学校の敷地内で、同じクラスの女子・Sさんの兄に、「Sにひどいことをしたんだから、ごめんなさいを言ってよ」と身に覚えのないことで謝罪を求められ、泣かされてしまいました。実はクラスの女子・Aさんが、ケイくんの発言を歪曲してSさんに伝えたことで誤解が生じていたのですが、その事実を担任の先生がSさんの母に説明しても、聞く耳を持ってもらえなかったそう。ふくこさんが、Sさん家族のことを知るママ友に話を聞くと、Sさんの兄がふくこさんの家の前の靴屋でアルバイトをしていたことが判明。ふくこさんの夫は早速、靴屋に行って店長さんにSさんの兄について尋ねると、「外で品出しをしながら、安田さんのお宅を見ていたのかも。警察に言ったほうがいいと思います」と忠告されました。一方そのころ、ふくこさんは教育センターに電話で相談してみることに。
ふくこさんが教育センターの相談員にこれまでの事情を説明し、ケイくんに夜驚の症状があるということを伝えると、カウンセリングをすすめられました。
また、「できる限りSさんと息子さんは関わらないように。もし次に何かあったら、警察に連絡してください」との助言をされ……。
学校側へは、必要なときにはSさんたちと距離を置かせてもらうようにお願いしていたはずなのに、教室の隔離はできなかったとのこと。
担任の先生とケイくんの間では「つらい気持ちになったときには手を挙げる」とサインを決めて実践したものの、他の生徒が騒ぎだしてしまったのです。
ふくこさんは、先生の様子から「全体に許可できないものは個人に許可できない」「前例がない」などと上の立場の人に言われた可能性があると察し、校長先生に話を聞くことにしました。
「なぜ被害を受けたケイのほうが教室を追われなければならない?」
「加害者側は教室に居られるのに……」
不本意な気持ちを抱えながらも、先生に冷静に対応するふくこさん。すべてはケイくんのことを守るためでした。
親の目が届かない、学校という閉鎖的な空間での出来事。時には先生の目すら届かない場面もあることでしょう。子どもがつらい気持ちになった瞬間に助けてあげることができないのは、親としてもどかしい気持ちになってしまいますね。
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