心身に作用する「アロマテラピー」を美容やリラックスのために取り入れている人も多いと思います。しかし、使い方や保存方法を間違えば、危険なこともあるのです。基本的な精油の選び方や保存方法をおさらいしておきましょう。
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エッセンシャルオイルとアロマオイルの違いアロマテラピーに使用するエッセンシャルオイル(精油)は、植物の花や種子、樹皮などから水蒸気蒸留や圧搾法などによって抽出します。製法や産地がきちんと書かれていれば、100%天然と考えていいでしょう。
似たものに「アロマオイル」というものがありますが、こちらは合成香料が含まれていることもあります。両者の違いは、香りの変化。天然のエッセンシャルオイルは時間経過とともに香りが変化していきますが、合成香料の場合は安定しているのが特徴です。
自然療法としてのアロマテラピーを実践するならエッセンシャルオイルを使うべきですが、ただ香りだけを楽しみたいときにはアロマオイルを使うこともあります。目的に合わせて選ぶようにしたいですね。
劣化したオイルは肌のダメージに心身への作用を考えたときには、エッセンシャルオイルのほうが効果的です。しかし、安全に使うためには、その特性を知る必要があります。
まず保存方法について。オイルが酸化してしまうと肌への刺激が増すといわれています。劣化を防ぐためにも、高温多湿を避けて、冷暗所に保管すること。冷蔵庫に入れる場合は、野菜室がいいようです。
エッセンシャルオイルには防腐剤などが入っていないので、開封後は1年以内に使いきるようにしましょう。香りが薄くなってきたら酸化のサイン。とくにベルガモットやオレンジなどのかんきつ系のオイルは劣化しやすいので、半年を目安にしたいですね。
「禁忌」と「光毒性」に注意してエッセンシャルオイルにはさまざまな効果が期待できますが、原液を肌に直接つけるのはNGです。必ずホホバオイルなどのキャリアオイルに配合して使うようにしましょう。
また、エッセンシャルオイルには「禁忌」があります。たとえば、妊婦はイランイランやペパーミントなど、生理が重たいときはフェンネルを避けるといったように、健康状態によっては使用を避けるべきものがあるのです。好きな香りでもNGの場合があるので、購入時には専門家からアドバイスを受けるようにしましょう。
紫外線にあたると肌トラブルを招くといわれる「光毒性」も要チェック。かんきつ系のオイルによく見られ、とくにベルガモットは要注意といわれています。これらのオイルを肌につけたときには外に出ないようにする、有害物質を除去したFCF(フロクマリンフリー)のオイルを使うなどの対策が必要です。
人体に直接影響すること以外にも、火災の危険性も忘れずに。アロマキャンドルやアロマポットの扱いだけでなく、エッセンシャルオイルのついた服やタオルを乾燥機にかけて発火した事件も発生しています。
このように危険な側面もありますが、正しく使用していれば大丈夫。「なんとなく」はじめると思わぬトラブルを引き起こすこともあるので、きちんとした知識を身につけて楽しみたいですね。
(藤井蒼)