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妻の収入をあてにするケチ夫「家計負担は半々なのに家事育児は丸投げ」【ココロで読み解く「ママのお悩み相談室」 第14回】


イラスト:中村こてつ


こんにちは、心理カウンセラーの佐藤栄子です。

これまで、子育てや夫婦関係、ママ友トラブルや自分のココロの在り方についてなど、さまざまなテーマを心理カウンセラーの立場で取り上げてまいりました。

そういった記事に寄せられた「もっと深掘りした内容が知りたい」「個々のケースで対応は変わるの?」といった皆様のお悩みにお答えする連載「ココロで読み解く『ママのお悩み相談室』」。

今回は、「生活費まで出し渋る困ったケチ夫、4つのタイプと対処法」という記事に寄せられたお悩みです。

記事では、困ったケチ夫に対する具体的な対応についてお話ししましたが、今回は「家計に対する考え方がケチ夫とかみ合わず苦労している」という方からのお悩みです。

■質問:家計負担は半々なのに家事は丸投げで嫌味だらけのケチ夫
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自宅でネイルサロンを営んでいます。家のローンや光熱費は夫が負担し、私は学費、食費、雑費、夫の酒代、子どもの習いごと代、スマホ代を出してます。私もかなり家計を負担しているにもかかわらず、夫は家事を手伝いすらしないことに正直腹が立ちます。

また、以前は他の場所で店舗を借りてネイルサロンを開いていたせいか、夫から「今は自宅で営業しているんだから、家賃も光熱費もかからずボロ儲けだろ?」と嫌味を言われます。

息子と娘がおり、特に娘に夫は甘く何でも買い与えていますが、私に対してはお金を使いたくないみたいです。その気持ちが悲しいです。

■回答:見えにくい家計負担「変動費」を見て見ぬフリする「固定費だけ夫」
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家計の管理方法はご家庭の事情によってさまざまあるかと思います。夫婦共に収入がある場合、大きく分けると以下の3つのパターンに分けられるでしょう。
1.全額一方負担型:
生活は夫の収入でやりくりし、妻の収入は貯金や旅行にまわすなどのパターン

2.共通財布型:
夫婦それぞれ同額を生活費として出しあい、それ以外は自由に使うパターン

3.項目別負担型:
住宅ローンや保険などの固定費は夫が、食費などの変動費は妻が負担するなどのパターン

どのパターンを選択してもメリット・デメリットはあります。

中でも、3.の項目別負担型は、一方が食費や雑費などの変動費を担当するケースが多く、毎月の金額が一定していないため、良くも悪くも夫婦間で不公平感が出やすいかもしれませんね。ご相談を拝読するとご相談者様の場合はまさにこれに当てはまっています。

食費や子ども関連の費用などは、節約したり工夫して浮かせたりもできますし、逆に注力したいものにお金をかけるなどある程度調整することが可能です。そういった変動費は、どうしても家族の生活を切り盛りしている側(多くは妻)が負担することになってしまうでしょう。

そこで問題なのが、変動費は金額が一定しないため把握しづらく、また形で残るものばかりではないので、負担していない側(多くは夫)は「家計にこれだけかかっているんだ」というコスト意識を持ちづらいことです。

ご相談者様の夫は住宅ローンや光熱費を負担しているとのことですね。これらの費用はだいたい毎月の金額が決まっている固定費なので、夫は「自分はちゃんと家計負担を担っている」という意識を持ちやすいと思われます。

その反面、ご相談者様が負担している変動費については金額含め十分に把握できておらず、家計の全体像が見えていないから家事も手伝っていないということなのかもしれません。





■ケチ夫「妻は金銭的余裕がある」の思い込みを家計透明化ではっきり否定 
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ご相談者様は以前、店舗を借りてネイルサロンを営業していたけれど、今はご自宅で開業しているとのことですね。

もしかすると夫はご相談に書かれている言葉どおり「今までの家賃や光熱費分、妻の収入はアップして余裕があるのだろう」と勝手に思いこんでいるのかもしれません。

もしそうだとしたら、「妻は収入に余裕があるんだから、もし欲しいものがあれば自分が買ってあげなくても妻自ら買うだろう。それならば自分の収入からは娘が欲しいものを買ってあげよう」と夫は思っていて、結果、娘さんには何でも買い与えてしまっていることも考えられます。

それがご相談者様から見ると、娘さんには甘いのに「自分にはお金を使いたくないのだ」と映るのではないでしょうか。

今のご相談者様のお悩みは、夫婦お互いが相手の現在の実収入を把握していないことにより、その使い方に意識のズレがあり、家事負担といった生活全般の悪影響を及ぼしていることでしょう。

きれいごと抜きでお話ししますと、夫婦に限らず、相手に対する自分の気持ちは、以下の2つで伝わる場合が多いと思います。
・どれだけ手間ひまをかけたか?
・どれだけお金をかけたか?


「手間ひま」か「お金」のどちらかで気持ちを伝えているとしたら、もしかすると夫は「自分はこれだけ家計を負担しているのだから、家事の手伝いなどの手間はかけなくていいだろう」と軽く考えているのかもしれません。

もうすぐ年度が変わり、お子様たちも進学進級を迎えるでしょう。それにともない習いごとを増やしたり減らしたり、スマホのプラン変更など、家計に大きな変動が起こる時期ですね。いい機会なので一度、家計全体金額を明らかにしてみてはいかがでしょうか。

その金額をもとに夫と話し合い、再度負担額を決め直してみましょう。もし夫のほうの負担額を少なくするなら、その分家事を担当してもらうなど要求しやすくなるでしょう。

■家計負担パターンを変更するメリット・デメリット
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ちなみにご相談者様の家計負担パターンは項目別負担型 でしたが、もし他のパターンに変更した場合のメリット・デメリットをここで考えてみます。

生活は一方の収入でやりくりし、もう一方の収入は貯金などにまわす「全額一方負担型」に変更する場合は、家計を負担するほうに十分な安定収入があることが条件になります。

ご相談者様が自営業なので、夫がほとんどの家計を負担してくれれば、今ご相談者様が抱えている「自分にお金を使ってくれない」と感じる悲しさは和らぐでしょう。その代わり、家事の手伝いなどはさらに夫に頼みづらくなるデメリットが生じるでしょう。

夫婦それぞれ同額を生活費として出しあい、それ以外は自由に使う「共通財布型」に変更した場合、お互いの収入額にあまり大きな差がないようであれば、負担額が明確になるので不公平感は少なくなるでしょう。

ただし、将来に備えた貯蓄も含めて負担額を決めておくことや、金額が大きいものを買うときは2人で相談するなどのルールを決めておいたほうがいいかもしれません。ものを選ぶときの価値観が夫と違う場合はもめることが多くなりそうなので、面倒であってもこまめに夫婦で確認したり相談したりするといいですね。

夫婦でも、普段はあまり話す機会がない「お金のこと」。しかし、家庭生活を営むうえで避けて通れない重要課題です。結婚生活が長くなれば親を含めた家族にも変化がありますし、今後お互いの仕事や収入の状況が変わることもあるでしょう。たまに家計のすり合わせをする時間を持つことは、夫と円満な関係を保つのにも有効ですよ。

これからも皆さんのお悩みに答えていきたいと思います。お気軽に、下の読者アンケートにお寄せください。お待ちしております。




(佐藤栄子)

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