■前回のあらすじ
二人の関係に答えを出した私。嘘を並べて、必死で彼との関係を断ち切ろうと試みたところ…!?
■涙の死闘は続き、ついに…!私の最後のメッセージに対する彼の返信が来たのは、早朝5時のこと。
私も眠れないまま、迎えた朝でした。
「ずっと考えていました。でも、好きな人の幸せを邪魔したくはないです。ありがとうございました。短いけれど、とても幸せな時間でした」「こんなに誰かを愛おしく思ったのは、初めてでした」「僕もいつかたんこさんのような奥さんを見つけて、幸せになります」私みたいな奥さんは、間違いなくハズレだからやめてほしい…。
なんて思いつつ、このほろ苦い関係は、こうして静かに終わりを迎えました。
窓の外はもう明るくなり始めていて、私の目は涙で乾いていて。
休日だというのに、夫の目覚ましが鳴り始める。
私のとんでもなく濃厚な時間は過ぎ去り、また、いつもの日常が始まろうとしていました。
あの子はきっと、魔法にかかっていました。
つらいバイト、思い通りにいかないコロナ禍、不幸だった過去の恋愛…。
そんな中、このなんの変哲もない、むしろ外れくじのような私をとんでもなく魅力的に思える魔法にかかってしまっていました。
それが恋というものなのかもしれません。
でも、その魔法が早く解けますようにと、私は願うばかりでした。
■そして私の日常は元に戻り…それからというものの、私と息子はあのコンビニには行かなくなり、彼が今もあそこで働いているのかは、わかりません。
でも、あのコンビニの前を通りかかる度にまだ胸がズキンと痛むのは、私の気持ちがまだ、鎮火しきれていないからかもしれません。
後日…今回の経験を通して感じたのは、浮気や不倫は本当に身近なものなんだな、ということでした。
有名人のスキャンダルを見るたびに、
“成功しているのに、ステキなパートナーがいるのに、なんでこんなことしちゃうんだろう…”と不思議に思っていたのですが、実際にその夫婦関係がどうなのかなんて、外野の私たちにはわかりません。
日常的に不満や寂しさを抱いていたら、フラッといってしまうのかもしれない…。
実際に私も、フラッといきかけたのは夫婦関係で感じた
“さみしさ”からでした。
それでも私がふんばり切れたのは、夫の愛を感じられていたからだと思います。
不器用で、家事も苦手で、育児も正直夫の方が向いているというレベルの私に毎日、明るく接して、触れて、「ありがとう」と言ってくれる夫。
もはや戦友のような、ライバルのような関係の私たちですが、そこには夫の汗と涙と努力の結晶のような、“絆”が確実に存在していました。
もしこれがなかったら…私はきっと、取り返しのつかない判断をしていたと思います。
世の中には悲しいことに、パートナーにどれだけ裏切られても家庭を守るために耐え続ける人、パートナーから愛情をもらっていても、何度も過ちを繰り返してしまう人が、たくさんいます。
私たち夫婦であれ、この先どうなるかはわかりません。
でも、今回感じた“寂しさ”の恐ろしい力を忘れないように…。
私もたまには、夫に優しくしようと思います!!
(たんこ)