夫のスマホ画面には…ついに母に電話で助けを求めた沙織。涙ながらに言葉をこぼしたその夜…、夫のスマホから聞こえた“通知音”が、すべてを揺るがすきっかけになりました。
夜中、夫はソファで寝落ちしていました。夕食後もずっとスマホをいじっていましたが、気づけばそのまま眠ってしまったようです。私は静かにリビングの電気を消そうと近づきました。
その時…! ポン、とスマホが光りました。何気なく画面に目を向けると、

「また会える」って、どういう意味?
スマホを手に取りました。開きたい。ロックを解除して中を見たい。でも、できませんでした。それをしたら、もう“何か”を知ってしまう気がしたからです。
ただ、私はその名前を心の中で何度も繰り返していました。
「さき」「さき」「さき」……
夫の寝息だけが、静かな部屋に響いていました。
変わらない日常、だけど…翌朝。私はいつもと同じように目覚ましで起きて、キッチンに立ちました。昨夜、あの通知を見たあと眠れませんでした。それでも朝になれば、家事は始まります。
パンを焼き、コーヒーを淹れ、食器を並べます。何かが壊れた気がしているのに、手だけは止まりませんでした。
夫はリビングでスマホを片手に、トーストをかじっていました。ときおり画面を見て笑っています。
「また何か、ガチャでも当たったのかもしれない」
そう思いました。でも、その笑い声がどうしても気持ち悪く聞こえてしまったのです。

“あなた、寝てたから気づいてないよね”
“私、あれが何なのか、まだ聞いてないよ”
たくさんの言葉が喉まで来て、全部飲み込みました。言えば壊れる。言わなくても、もう壊れている。
それでも笑っている夫の顔が、あまりに“普通”で…。私だけがおかしいのかと思ってしまう自分が、何より怖かったのです。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)