彼女の思い通りにはさせないこのままでは終われないと思いました。 柴田さんに「勤務態度が悪い」と仕立て上げられる前に、 “本当に何があったのか”を証言してくれる人を探さなくてはいけませんでした。
私はあの日、資料の修正をすり替えられた会議に同席していた人に声をかけました。

「…覚えてないけど、私、何か関係あったっけ?」
その言い方が、かえってすべてを物語っているように感じました。
声を上げる側の苦悩彼女が嘘をついていることは、すぐにわかりました。 でも、それを責めることはできませんでした。
(巻き込まれたくない。関わりたくない)
その気持ちは、痛いほどわかります。私も、これまでずっとそうやってやり過ごしてきたのですから。
けれど今の私は、ひとりです。“声を上げる側”になった途端、それまで近くにいた人たちが、少しずつ離れていくのがわかります。
席へ戻る途中、背後から小さな笑い声が聞こえてきました。

胸の奥に、またひとつ、小さな棘が刺さった気がしました。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)