孤立していく夫社内に届いた一本の匿名メールにより、夫の“裏切りの証拠”と、“女ガチャ管理”と呼ばれる行為が明るみに出ました。 その瞬間から、社内の空気は冷えはじめ、夫の居場所はゆっくりと、しかし確実に失われていったのです。
自宅のリビング。電気はつけられず、カーテンも閉めたままの暗い空間。夫はソファにすら座らず、床にじっと座り込んでいました。
何をする気にもなれず、ただスマートフォンを手に握り、ぼんやりと眺めていたのです。メッセージアプリのトーク一覧を開くと、目に飛び込んでくるのは“既読スルー”の文字ばかり。「さき」「リサ」…誰ひとり、返信をくれません。
会社でも、視線はどこかよそよそしくなりました。営業同行からは外され、昼休みに声をかけられることもなくなりました。「気にすんなよ」と言ってくれる人すら、もう誰もいなかったのです。

“ゲームやりすぎだよ”
“ちょっとは私の話も聞いて”
最後に沙織と普通に会話を交わしたのは、そんな言葉を聞いた日でした。
あのとき、ちゃんと向き合って、謝っていれば…、こんなことには、ならなかったかもしれません。
写真フォルダに残された、あたたかな日々無意識のうちに、スマートフォンの写真フォルダを開いていました。 そこに並んでいたのは、沙織と過ごした日々の記録です。 誕生日の夜、手作りのカレー、初詣の帰り道、寝起きの笑顔…。

「これ、使ってよ」
「たまには野菜も食べて」
「ゲームもいいけど、寝る時間も大事だよ」
そのすべてが、うるさく感じていた頃もありました。適当に聞き流していたことも、少なくありません。
でも今、こうして写真を見返してみると、あの言葉たちが、全部“自分を守ってくれていた時間”だったのだと気づかされたのです。
写真をタップする指が、震えます。
「ごめん」なんて、今さら言える資格は……もう、自分には残っていないのかもしれません。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)