■ワーママなら、保護者役員も融通がきく?秋の親子イベントを前に、保護者当番の割り振りが貼り出された。
いつものように園の掲示板の前で、何人かの保護者たちが立ち話をしている。
私は午後の片付けの当番に割り当てられていた。
仕事を早めに切り上げても間に合うかわからない。

そんな私の独り言に、すぐ後ろから彩乃さんの声が飛んできた。
「あら、午後の当番、また里奈さんなの? いいなあ」
振り返ると、いつもの笑顔。けれどその目は、少しだけ冷たく見えた。
「いいなって…?」
私が思わず聞き返すと、彩乃さんはさらりと言った。
「だって、働いてるってだけでいつも融通がきいて。正直、ずるいって思っちゃうのよね」
空気が、ピリッと張り詰めた。
「ズルいって…」
言いかけて、言葉を飲み込む。
■専業主婦とワーママ、それぞれの言い分がぶつかり合うだけど、私の中で何かがプツンと切れた。
「私、毎日ギリギリまで働いて、そのあとでお迎えして、夕飯作って…全部やってるんです。仕事のせいで当番を代わってもらうこともあるけど、それを“ズルい”って言われるのは、違うと思います」
声が震える。
彩乃さんは、ちょっと目を見開いて、そして言い返してきた。
「私たちだって、家にいる分、全部やってるんです。働いてる人ができない園のことも。そういう母親の負担って、働いてる人には見えてない気がして。いつも“仕事だから”って言えば何でも通るの、モヤモヤするのよ」
一瞬、言葉が出なかった。

その瞬間、ぱちん、と火花が散ったような気がした。
完全に“線”が引かれた気がする。
その後の話し合いは、働くママと専業で完全に別れ、ピリついた空気の中で終わった。
私は、彩乃さんに一言も話さず、子どもを迎えに行く。
そしてその日から、確かに変わり始めた。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)