■また財布を忘れたのに、笑って謝るだけのママ友前と同じように、理恵さんはバッグの中をがさごそと探り、困ったように顔を上げた。
「……また、財布忘れたみたい……」
その瞬間、私の中で何かがスッと冷めていくのを感じた。
またか。前回、「今度返すから!」と言ったのに、あれきりだった。

にこっと笑うその顔には、悪びれた様子はまるでない。
むしろ「当たり前」のような表情に、私は言葉を失った。
喉元まで「今回はちょっと……」と出かかった言葉を飲み込んだのは、周囲の目が気になったからかもしれない。
「ありがとうね! 助かったわ!!」
支払う私を横目に嬉しそうに外に出ていく理恵さんの姿。
私はなぜ、彼女の分まで払ってるんだろう?
■お金を返してないのに、新作バッグ?その次の日、理恵さんが声を弾ませた。
「見てこれ〜! 可愛くない? 限定の新作バッグなんだ〜。昨日買ったの!」
腕に掛けていたのは、某高級ブランドのきらびやかなバッグだった。
私は一瞬、言葉を失う。

財布、忘れたんじゃなかったの?
問い詰める言葉が喉元まで出かかるのを抑え、「いいなぁ、すごいですね……」と、かろうじて出した言葉は、自分でも空々しく聞こえた。
すると、理恵さんは得意げに続けた。
「いや〜頑張ってる自分へのご褒美ってやつ? たまには贅沢しなきゃ、ね!」
その笑顔に、私はもうついていけなかった。
贅沢するお金はあっても、お茶代は払えないんだ。
私が払ったコーヒー1杯分は、きっと彼女の中で“どうでもいいこと”なのだ。
この時、私はやっと気づいた。
理恵さんは、“そういう人”なのだと。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)