■娘の小さくなった洋服、思い出の品私の名前は岡本彩香。
娘の芽依が保育園に通うようになって、もうすぐ1年。

そんなある日。お迎えの帰りに、同じクラスのママ・佐伯えりかさんと立ち話になった。
えりかさんは年長の男の子と、年少の女の子のママ。2人を連れていつもバタバタしている印象だ。
「はぁ〜……また泥だらけだよ。男の子ってすぐ服ダメになるの、ほんと困る」
そう言いながら、彼女は洗濯物の山を想像するように、額に手を当てた。
「妹には回せないし、2人分の服ってなるとさ、もう家計がギリギリで……」
苦笑混じりのその声に、私は少し考え込んだ。
本当は、うちの子の服――特にお気に入りだった服は、まだ手元に置いておきたかった。
小さくなったワンピースや、お出かけ用に買った上着。
「こんなに小さかったんだなぁ」って、時々眺めてはひとりでほっこりしていた、私の中の“思い出の品”。
■目の前のママ友が“困ってる人”に見えたから…でも、目の前の彼女が“困ってる人”に見えてしまったから、言ってしまった。

両手を合わせて大げさに感謝してくれる様子に、少しだけ照れくさくなってしまった。
「芽依、ちょうど身長伸びてきたし、また服買わないとな〜って思ってたからさ」
そんな言葉を添えて、私はその場を後にした。
内心では少しだけ複雑だった。
大事にしまっておいた服を手放すのは、やっぱり寂しい。
でも、「誰かの役に立つなら」という気持ちが、そっと背中を押したのも確かだった。
そのときはまだ知らなかった。“ありがとう”の言葉が、ほんの表面だけだったなんて。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)