ホーム エンタメ > 私はめんどくさい人?保育園でママ友から悪口を聞いてしまい…<お下がりあげたら 6>【ママ友トラブル図鑑 Vol.63】

私はめんどくさい人?保育園でママ友から悪口を聞いてしまい…<お下がりあげたら 6>【ママ友トラブル図鑑 Vol.63】

■保育園で聞いてしまったママ友たちの会話に…

週明けの午後。

保育園のお迎えの時間、私はいつものように少し早めに着いて、門の前で待っていた。

「ねえ、それほんとに言ったの?」

ふと聞こえたのは、後ろのベンチに座っていた2人のママたちの声だった。

最初は聞き流すつもりだった。

でも、その中に聞き覚えのある名前が出てきて、思わず足が止まった。

「うん、佐伯さんがさ。いらなくなった服ぐらいで、恩着せがましいって」
「え、それって……岡本さんのこと?」
「たぶん。なんか、文句言われたらしくて。売ったくらいで責められるとか重すぎって、愚痴ってたよ」

私の心臓が、どくん、と大きく打った。

少し離れていたけど、その会話は私の耳にまっすぐ刺さった。



私は、言葉を選んで伝えたつもりだった。

怒りたかったわけじゃない。ただ、悲しかっただけ。

“ありがとう”の奥に、少しでも心があると信じていたから。



■いっそのこと服を取り返したい。でも…

でも、えりかさんにとっては――



手元のバッグを握る手に、力がこもる。

何気なく視線をあげると、ちょうどえりかさんが門の向こうに現れた。

いつも通りの、華やかな笑顔。

そしてその隣には、譲った記憶のあるワンピースを着た娘さんの姿。

(……それは着せるんだ。でも、すぐにまた売るんだよね)

そう思った瞬間、いっそ取り返したい、と思ってしまった。

彼女と目が合う。すぐに外らされる視線。

納得はできない。でも、一度は譲ったものにいつまでも未練を持つのも、やめないと。

私はそっとその場を離れる。

バッグの中で、携帯電話が震えたけれど、すぐに切れる。

少し冷たくて、涙のかわりに心を刺してくるような風が吹いていた。



※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。

(ウーマンエキサイト編集部)

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