■身勝手なママ友と対峙!他人の分までもう作れない登園の朝、門の前で坂井さんが近づいてきます。
「ひよりさん、おはよう〜! 見たよ、結芽ちゃんのかばん、新作だよね」
その手には、またしても布の入った手提げ袋がありました。
「◯◯ちゃんママがね、この前のポーチめっちゃ気に入ってて、『うちの子にも』って頼まれちゃってさ〜。で、私が引き受けてきたから、よろしくね!」

「最近、忙しいって言ったでしょう? だから、他の人の分まではもう作れないの」
その瞬間、坂井さんの目が少し険しくなりました。
「でもさ、結芽ちゃんのは新作でしょ? 自分の子のは作ってるんじゃん」
――それは、“自分の子には作れるくせに、他人のは断るの?”という理屈でした。
私ははっきりと言いました。
「……当たり前じゃない」
■誰かのためじゃなく、娘との思い出のために坂井さんが目を見開きました。

「でも、お願いされて――」
「お願い? それって、私が受けたわけじゃないよね。あなたが『作ってくれって言われたから』って、勝手に引き受けただけじゃない」
「……」
「娘との時間を削って、誰かの“お願いごと”をこなすのが当たり前みたいに言われるの、もう嫌なの」
静かに、でもはっきりとお伝えしました。
坂井さんは少し唇を尖らせましたが、それ以上は何も言わずに立ち去りました。
その日の夕方、結芽が笑顔で言います。
「今日のカバン、みんなに見せたの! ママと作ったのって言ったら、先生もすごいねって言ってたよ!」
「ほんと? 良かったね」
「うん。ママと作るの、楽しいから大好き!」
その笑顔だけで、すべてが報われた気がしました。
これからも私は、娘と一緒に作ります。
誰かの“お願い”ではなくて、娘との“思い出”のために。
――それが、私の作りたいものだからです。
※この漫画は読者の実話を元に編集しています。また、イラスト・テキスト制作に一部生成系AIを利用しています。
(ウーマンエキサイト編集部)