■これまでのあらすじ
結婚の報告のため帰省した凛は、弟の同棲宣言で騒然とする実家で思いがけず歓迎される。だが離婚した父と海外赴任の話を出した途端、母は猛反対。説得を試みるも逆効果となり、母は部屋に閉じこもってしまう。自分を責めながら帰路についた凛は、母から反対されたことを彼に打ち明ける。渡米まで残り半年、説得に自信を失う凛に、「遠距離になるくらいなら別れるからね!」と彼は思いもよらぬ言葉を告げるのだった。
■凜を失いたくない――その一心で
■弟には頼れない!でもあの人になら…

強気な言葉を口にした彼でしたが、それは凛を失いたくない一心から。
会社の先輩たちは渡米後の生活に追われ、気づけば関係が途絶えてしまった――そんな例を間近で見てきた彼は、不安を隠せないのです。
「弟さんに協力してもらえないの?」と尋ねる彼に、凛は首を振ります。弟に頼めば、むしろ事態はこじれると分かっているからです。
しかし一人だけ頼れそうな人の顔が浮かびます――それは叔母でした。
(福々ちえ)