仕事や人間関係、やるべきことに追われて、ほっとする時間をもてないまま毎日が過ぎていく…。そんなときはパソコンなどから離れて、絵本を手にとってみませんか?
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ページをめくり、ひらがなの多い文字とストーリーに沿って描かれた絵を眺めているうちに、五感がやさしく刺激されて、心がほぐれてきます。普段の生活とはちがう、ゆったりとした時間の流れる子どもの世界に連れていってくれることでしょう。
小学校で読み聞かせをしていた筆者が、オススメの絵本を紹介します。今回は、動物と子どもが登場するものを選びました。
■ちがう世界を体験できるオススメの5冊『雨、あめ』(ピーター・スピアー/評論社)子どものころ、雨が降るとワクワクしませんでしたか? 雨のなかで主人公たちがくりひろげる冒険に、雨の日の楽しかった記憶がよみがえります。長靴で水たまりに飛びこんでみたくなることでしょう。
『おひさまパン』(エリサ・クレヴェン/金の星社)太陽がみえない冬の時期に、パンで太陽をつくることを思いついた犬のパン屋さん。できあがったパンを食べたみんなは空へのぼり、お日さまも目を覚ましました…。
挿し絵の明るい色調と動物たちのやさしさが、読む人の気持ちを温めてくれます。
『いつでも会える』(菊田まりこ/学習研究社)犬のシロは、ミキちゃんのいぬ。ふたりの楽しい日々は、ミキちゃんが突然いなくなることで、終わりを告げます。大切な人は心に生きつづけると気づくシロ。読んですがすがしい気持ちがわいてきます。
『しろいうさぎとくろいうさぎ』(ガース・ウイリアムズ/福音館書店)しろいうさぎと黒いうさぎのやりとりが、初めて人を好きになったころの気持ちを思いださせてくれます。ガース・ウイリアムズの繊細な絵のタッチが、うさぎたちの愛の物語にやさしい雰囲気をあたえています。
『ガンピーさんのふなあそび』(ジョン・バーニンガム/ほるぷ出版)ガンピーさんの小舟に、子どもや動物たちが「乗せて」とやってきます。次から次へとやってくるので、舟は定員オーバーでひっくり返ってしまいました。
でも、みんなはおいしいお茶をいただき、楽しい午後の時間を過ごします。解放感ある舟あそびの情景。自分も子どもになって参加してみたくなります。
■自分のなかの子ども心を呼びもどすと、大人の私も元気になれる大人になっても、誰もが持ちつづけているであろう子ども心。絵本を読みその世界に浸ることで、よろこびや興奮、感動、冒険など、幼いころに感じた気持ちを追体験することができます。
子ども心が満たされると感情は活性化され、元気が戻ってくることでしょう。心がつかれたときは、絵本を読んで明日への活力を補給してみませんか。
(さわあきこ)