ホーム エンタメ > 井浦新、父親になり「変化恐れなくなった」 飛躍の裏の転機

井浦新、父親になり「変化恐れなくなった」 飛躍の裏の転機

2015-09-13 09:10 eltha

 名俳優への階段を着実に登る一方で、最近は番組司会のほか、一般社団法人匠文化機構に携わり、日本の芸術や伝統文化を次の世代につなげる活動を行うなど、マルチに活躍中の井浦新。昨年40歳の節目を迎えたが甘いルックスはそのまま、歳を重ねるごとに一段と円熟味を増している彼に、ORICON STYLE elthaはインタビューを敢行。彼の才能を開花させることになった人生のターニングポイントや原動力を探ると、日本映画界を代表する名監督たちとの出会い、そして、家庭を持ち父親になったプライベートの変化が大きかったと語った。

40歳の節目に、人生のターニングポイントを振り返る井浦新 (C)oricon ME inc.

40歳の節目に、人生のターニングポイントを振り返る井浦新 (C)oricon ME inc.

写真ページを見る

◆俳優・井浦新を突き動かす、若松孝二監督の言葉

 モデルとしてキャリアをスタートさせた井浦は、持ち前のルックスで『MEN‘S NON-NO』(集英社)等のファッション誌やパリコレに出演しトップを極めた後、1999年に是枝裕和監督の映画『ワンダフルライフ』でいきなり主役として俳優デビュー。ひとつめの転機は、この役者を始めた年に訪れたという。「19歳からモデルの仕事をしていたのですが、その活動の中で是枝監督との出会いがあり、役者の世界に引き上げてもらいました。また、その時期にモノ作りもスタートさせたので、23歳は2つの活動が同時期に始まったという、とても大きな年なんです」。

 初の主演作で脚光を浴びた井浦はその後、松本大洋の人気漫画を実写化した『ピンポン』や『蛇にピアス』、『空気人形』など、次々と話題作に出演し日本映画界にその存在を知らしめていく。それまで“演じる”という発想がなかった分、最初の数年間は自分自身の感情や人間性との共通項を見出せない役にはなかなか向き合うことができなかったというが、経験を積むうちに芝居の醍醐味を知り、「絶対に想像もつかない自分とは程遠い役ほど燃えるというか、困難であればあるほど挑戦しがいがあってモチベーションが上がるようになりました」。

 そんな井浦にとって2つめの転機になったのが、衝撃作を発表し続けた鬼才・若松孝二監督との出会い。「監督から『お前という人間はひとりだけども、役を通すことでいろんな人間を生きることができる。それが役者の面白さだろう』と言われたのは大きかった。若い頃はアンダーグラウンドなものやマイノリティーなものにしか興味がなくて、その中に本質が潜んでいると思っていました。でも、若松監督と出会いキャリアを積ませていただく中で、殻に閉じこもって出て行かないのは自分にとっての罪というか。たとえ失敗しても、いわゆるオーバーグラウンドな世界にもどんどん飛び込んでいって、両方の世界を行き来する活動こそ、自分が目指すべきことだと気づいたんです。そのためには何ごとにもとらわれないこと、こだわらないことが大事だし、自分にとって今はそういう時期なんじゃないかなと思って活動しています」。

◆息子が自ら動く力を与えてくれた

 以前はどこかミステリアスな印象が強かった井浦だが、最近は硬派な作品からラブストーリーまで、さまざまなジャンルの役柄に挑戦。中でも昨年、連ドラ初主演となった『同窓生〜人は、三度、恋をする〜』(TBS系)では、王道ラブストーリーにも挑んだ。この経験は彼自身も「きっと5年前の自分ならできなかったし、10年前なら概念すらなかったと思います。でも、自分がやりたいと言っても、機会を与えていただかないと絶対に出られませんから、本当にありがたい場でした」と感じている。

 それだけの変化をもたらしたきっかけは、名監督たちとの出会いに加え、結婚して父親になったことも大きいという。「30代になってから結婚したのですが、息子が生まれたことでより大きな刺激を得たと思います。自分が変わるというよりは、変えてもらったというか。息子から学ばせてもらい、父親にさせてもらったという感覚がすごく強くて、しかも変わることに恐れがなくなっていく。今まで見て見ぬふりをしていたことに、自ら動く力を息子が与えてくれた気がします」。

 私生活ではどんなお父さんなのか尋ねると、「友だちのように近い距離間で、男同士の共通認識や精神的なことは共有したいと思っていますが、あくまで父と子ですから、父親だからこその高い壁になって、存在することが子どものためだと思っています」。優しさと怖さを併せ持ち、「体力が続く限り100%全力で一緒に遊びたいし、向き合いたいです」と優しく微笑む彼の姿は、家庭での良いパパぶりを証明していた。

 俳優デビューから15年以上。さまざまな出会いを通して、ますます磨きがかかる彼の活動に今後も注目せずにはいられない。



関連写真

関連リンク

Facebook

あなたにおすすめの記事

注目★トピックス


おすすめコンテンツ


P R
お悩み調査実施中! アンケートモニター登録はコチラ

eltha(エルザ by オリコンニュース)

ページトップへ