「コロナ禍でも体験を届けたい」スタバが取り組むリアル店舗のニューノーマルとは
2021-01-02 09:00 eltha
■経験したことのない困難…新商品を待っている人へ
スターバックス コーヒー ジャパンでは、旬な素材とトレンド感を取り入れた商品開発が若年層を中心に人気を集めている。商品化までには、社内で何度も試作を重ね、全員が自信を持った状態で世に送り出す。しかし、今年はコロナの影響で、例年とは異なる動きをせざるを得なかった。
「大変だったことは、商品開発において全員がそろっての試飲ができなかったことがその一つでしょうか。また、例年より売り上げ予測が難しく、原材料の調達や商品の投入スケジュールの変更の調整も大変でした」(スターバックス広報部、以下同)
ほぼ毎月新商品を発売してきていたが、3月以降は緊急事態宣言やテレワーク等が重なり、3ヵ月ほど発売までに期間が空いてしまった。そんな中、6月8日に発売した『シュワッと イチゴ フラペチーノ』と『ゴロッと イチゴ フラペチーノ』。“イチゴフレーバー”のフラペチーノは、同社はもちろんファンにとっては欠かせない恒例商品であるが、店舗などで「3密」を避けることも考慮して、事前告知なしの発売となった。サプライズでの新作登場に、SNSではスタバの商品で終息が見えない不安からの「日常」をかみしめる声も多く寄せられた。
「一杯のコーヒーを通して、日々お客様、地域とつながりを育むことを大切にしており、コーヒーとともに、お客様の日常に溶け込んだ体験を届けることが使命だと、改めて感じることができました。また、店舗入り口に、励ましのメッセージが貼られるなどのエピソードもあり、地域のお客様とのつながりを強く感じ、その地域に支えられていることを実感することができました」
■顧客もスタッフも安心安全の時間を リアル店舗のコロナ対策
4月9日、1都6府県内のスターバックス コーヒー約850店舗は臨時休業を経て、5月19日から徐々に営業を再開していった。短縮営業や、テイクアウトのみの店舗など地域によって差はあるが、およそ約1ヵ月ぶりの営業に、ツイッターでは「#スタバ営業再開」がトレンド入りするまでに。
再開にあたり、訪れる顧客はもちろん、店舗で働くスタッフの安全のためにも、あらゆる対策を実施した。
「安心に店舗をご利用頂けるよう業界ガイドラインを超える対策を講じ、コロナ禍においても、スターバックス体験を届けることに注力しました」
■新しい生活様式に合わせた柔軟な対応を
7月には、在宅業務の増加により、東京・銀座にはビジネス利用に特化し、ソロワーキングスペース「Think Lab」とのコラボレーション店舗「スターバックス コーヒー CIRCLES 銀座店」をオープン。オンラインミーティングに快適なブース席や組み合わせ自由なテーブル席を用意した「SMART LOUNGE」と、有料制のソロワーキングスペース「Think Lab」を店内に取り入れ、コワークとソロワークを行き来できるスペースに仕上げた。
UberEatsのデリバリーサービス導入エリアを拡大。自宅にいながら、好みのラテなどを楽しむことができる。スマートフォンでのオーダー&決済の推奨も、コロナを機に加速し、当初の予定よりも早く、全国の直営ほぼ全店へ導入が完了したという。
苦難を強いられた飲食業界ではあったが、新年を迎えwithコロナ、ニューノーマルの時代へ各店が様々な対策をもって挑んでいく。
「スターバックスのミッション『人々の心を豊かで活力あるものにするためにー人一人のお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから』を大切に、多様化する人々のライフスタイル、お客様それぞれのニーズに合わせて、利便性、安全性を向上しながら、心地よい体験を届けてまいりたいと思います」