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開けたら衝撃…夫へ“攻めた”愛妻弁当を作り続けるワケ「面倒な主婦業を楽しみに変えてくれた」

2022-12-20 15:30 eltha

 有名人の似顔絵から映画、絵画をモチーフにした芸術的作品まで、さまざまな“お弁当アート”をInstagramに投稿し続けている前衛弁当作家のnancyさん(@nancychannel)。投稿欄にはユニークで驚くような作品ばかりが並ぶ。日々このようなインパクトかつクセの強いお弁当はどのようにして生まれるのか。旦那さんの反応や2022年のお気に入りのお弁当などについて話を聞いた。

映画『ミザリー』サイコパスカレー弁当(画像提供:前衛弁当作家 nancyさん)

映画『ミザリー』サイコパスカレー弁当(画像提供:前衛弁当作家 nancyさん)

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■一番嬉しい褒め言葉は「かっこいい」 “美味しく食べられる”をモットーに50分で制作

――これまでさまざまな “前衛弁当”を作られていましたが、なかでも「能面弁当」は多くの反響が寄せられ、テレビやネットニュースでも取り上げられましたね。

【nancy】正直あまり実感はありませんが、驚いております。そして、これから弁当を作り続けていくための励みにもなりました。手間のかかることをしておりますので心が折れることも多く、こんな風に取り上げていただくと「もう少し頑張ろうかな…」という気持ちになります。

――このようなユニークでパンチの効いたお弁当アートがたくさん見られますが、どういったときに着想することが多いのですか?

【nancy】お風呂に入っているときやら、布団の中やら、アイデアは比較的リラックスしているときに浮かびます。また、買い物中に食材を見ていて浮かぶことも多いですね。

だいたい、アイデアの締め切りが前日の23時で、そこから作業が始まります。当日は午前7時に起きて、8時には弁当を持って主人が出かけるので、朝50分以内に仕上げられるところまで前日に準備をしておきます。

――アート弁当を制作するうえでのこだわりを教えてください。

【nancy】美味しく食べられることです。メニューがマンネリにならないように考えながら、食べられないものは入れないようにしています。弁当は実際に主人がお昼に食べているもの。主人に嫌がられたら作れなくなってしまうので、見た目からは想像が難しいかもしれませんが、そこそこ美味しく食べられるように味のバランスを気にして作っています。

――お弁当に対する旦那さんの反応はいかがですか?

【nancy】基本的に主人は弁当のことで文句は言いません(言わせません)。主人のリクエストは受けないのですが、大ファンであるロックバンド・Maneskinのダミアーノ・デイヴィッドは何度かリクエストをされたので作りました。「かっこいい」と言ってくれて嬉しかったです。ちなみに、私が一番嬉しい褒め言葉は「かっこいい」です。弁当の感想ではないように思われるでしょうけど…。

■偉人から音楽、美術、映画…ユニークな一方で文化的な要素強めの“前衛弁当”

NO WAR弁当(画像提供:前衛弁当作家 nancyさん)

NO WAR弁当(画像提供:前衛弁当作家 nancyさん)

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――ご自身の中でお気に入りの作品はどれでしょうか?

【nancy】「麗子弁当」です。この弁当は主人のために作ったものではなく、「山口県立美術館 岸田劉生展」のCMのために作りました。麗子部分がポテトサラダなのですが、見本や準備の段階で「顔」や「表情」で何度もディレクターさんからダメ出しをされて、その度に作り変えて写真を送り続けました。

麗子だけで何体作ったか覚えていないくらいたくさん作りました。だから、弁当を作り終えて撮影が終わったときの解放感は忘れられません。

――では、2022年のベスト作品は?

【nancy】「曼荼羅(まんだら)弁当」です。夏野菜の色と素材感を生かして寿司弁当を作りました。主人が会社に持って行ったわけではありませんが、とても鮮やかな彩りになりました。

――一枯山水のなかにカバがいる「カバ山水弁当」もとてもユニークです。

【nancy】最初はカバではなくてワニにする予定でした。ところが、ジャガイモをつぶしているときに(ポテトサラダで作っているので)カバのほうがいいように思えて、頭の中で「カバ山水」と言ってみたらしっくりきました。

――中世ヨーロッパの画家、ヤン・ファン・エイクの自画像をモチーフにした「ヤン・ファン・エイク弁当」もありました。

【nancy】ヤン・ファン・エイクの絵画はアイキャッチとして強いと思っています。「神秘の子羊」のトートバッグを持っておられる方がいて声をかけたら、「ヘントの祭壇画」をベルギーまで観に行った話を聞かせていただいたことが、この絵をチョイスしたきっかけとなっています。こんな弁当を作っていると、美術好きの方と話が弾みます。

――お弁当のモチーフが音楽、映画、絵画とカルチャーに富んでいるのも魅力ですが、、nancyさんにとってお弁当作りはどのようなものですか?

【nancy】弁当作りは私の表現手段と同時に、主婦業でもあります。主人は本業の傍らシルバーアクセサリーの作家活動もしていますので、お互いにすごく忙しい。そんな毎日の中で弁当が夫婦のコミュニケーションツールになっています。また、面倒な主婦業を楽しみに変え、私の周りの世界を「面白きことも無き世を面白く」してくれました。

――最後に、今後挑戦してみたいお弁当アートを教えてください。

【nancy】部分部分の弁当を作って、合わせると1枚の絵になるような弁当、自分だけでなくたくさんの人と作る弁当、実際の展示とコラボした弁当などですね。そして、今までもやってきていますが、さまざまなアーティストや作家さんに弁当箱を作っていただき、コラボする活動も続けていきたいです。また、弁当の写真パネルを展示する「前衛弁当展」を海外で開催したいという夢があります。



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