脱毛は季節によって効果が変わる、なぜ“秋”が最適なのか? 専門医に聞いた
2023-09-12 15:00 eltha
◆秋は体温調節のために体毛が伸びやすいため、脱毛機器が効果的に働きやすい
脱毛をする際には、日焼けした肌は避ける必要があります。メラニン色素が増えており、レーザーや光などの脱毛機器が肌にダメージを与えやすくなり、日焼け肌は炎症を起こしやすく、脱毛後のトラブルの原因にもなります。秋は紫外線量が減り、日焼けしにくくなるため、秋は日焼けの心配が少なく、安心して脱毛できる季節と言えます。
次に、成長期の体毛が多くなる時期という点です。体毛には1本1本に生えかわりのサイクルがあり、これを毛周期と呼ばれています。毛周期は成長期・成長後期・退行期・休止期の4段階からなり、成長期と成長後期の毛が脱毛に最も適しています。成長期と成長後期の毛は根が深くメラニン色素が濃くなっており、脱毛機器が効果的に働きやすいからです。
一方、退行期や休止期の毛は根が浅くメラニン色素が薄くなっており、脱毛機器が反応しづらくなります。体毛の成長期と成長後期の割合は部位や個人差によって異なりますが、一般的に10%〜20%程度と言われています 。しかし、秋は体温調節のために体毛が伸びやすくなり、成長期と成長後期の割合が高くなる傾向にあります。そのため、秋は効果的な脱毛ができる季節と言えるでしょう。
脱毛をする際には、体毛の毛周期を理解しておくことが大切です。主に4段階からなります。
(1)成長期:毛根から新しい毛が生えてくる時期。メラニン色素が豊富で根が深いため、脱毛に最も適しています。
(2)成長後期:成長期の終わりに近づく時期。メラニン色素は減少し始めますが、まだ根が深いため、脱毛に適しています。
(3)退行期:毛根から離れて抜け落ちる準備をする時期。メラニン色素は少なくなり根も浅くなるため、脱毛にあまり適しません。
(4)休止期:抜け落ちた後に新しい毛が生えてくるまでの時期。メラニン色素はほとんどなく根もないため、脱毛に全く適しません。
◆毛周期は部位ごとによって異なる 毛の成長期を意識して脱毛することが重要
体毛の成長期が多いと有利な理由は、脱毛の仕組みに関係しています。脱毛の多くの方法は、毛の黒い部分(メラニン色素)に反応する光やレーザーを照射して、毛根を破壊するというものです。しかし、この光やレーザーが反応するのは成長期の毛だけで、退行期や休止期の毛はメラニン色素が薄くなっているため、効果が出ません。したがって、成長期の毛が多いほど、一度の施術で脱毛できる毛の量が増えます。逆に、成長期の毛が少ないと、何回も施術を繰り返さなければなりません。
一般的には、施術方法だけでなく、部位や個人差によって異なりますが、毛周期に合わせて5回〜10回程度の施術が必要とされます。また、施術の間隔も部位や個人差によって異なりますが、1ヵ月半〜3ヵ月程度の期間を空けることが推奨されています。
ただし、成長期の毛は部位によっても割合やサイクルが異なります。例えば、顔や腕は成長期が短くて休止期が長いため、脱毛に時間がかかります。一方、VIOは成長期が長くて休止期が短いため、脱毛に適しています。そのため、成長期のタイミングやリズムを意識して脱毛することが重要です。部位ごとの毛周期の目安は、以下の通りです。
(1)顔:成長期は1〜2ヵ月、退行期は3〜4ヵ月、休止期は4〜9ヵ月。
(2)ワキ:成長期は3〜4ヵ月、退行期は3〜5ヵ月、休止期は4〜9ヵ月。
(3)腕:成長期は3〜4ヵ月、退行期は3〜4ヵ月、休止期は5〜6ヵ月。
(4)足:成長期は4〜5ヵ月、退行期は4〜5ヵ月、休止期は5〜6ヵ月。
(5)VIO:成長期は1〜2年、退行期は1〜2年半、休止期は1〜2年半。
「秋や冬がおすすめとは言われていますが、紫外線対策ができるのであれば基本的に脱毛は通年行えます。クリニックやサロンによって使用してる脱毛機も違うので、効果的に脱毛をするためには、クリニックで通う間隔の相談をすると良いでしょう。また、自宅で使用できる脱毛器具も増えてきていますが、トラブルが起きないよう必ず使用方法を守りましょう。個人差はあると思いますが、効果が感じられないなどのトラブルがあれば、医療機関に相談してみると良いと思います」(遠山貴之さん)
秋が深まるこれからの時期、肌荒れやシミの原因にもなる紫外線量が減り、肌の状態も安定するため、脱毛効果が高まります。肌露出がも少なくなり、クリニックやサロンの予約も取りやすくなるので、来年の夏に向けて脱毛を始めてみてはいかがでしょうか。
【監修者】共立美容外科・遠山貴之さん
(日本美容外科学会認定専門医/麻酔科専門医)
1997年、順天堂大学医学部卒業。1997年、順天堂大学医学部付属病院・麻酔科に入局。2006年、共立美容外科・歯科に入局。2020年、共立美容グループ・総括副院長に就任。