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「ワケあり」な犬と猫、傷を癒し合う姿が尊い…幸せなビフォーアフターに心震える

2024-01-22 16:10 eltha

 種族の違う動物たちが、仲良くしている姿はとても微笑ましいもの。たとえ姿かたちが違えども、お互いを思いやって穏やかに過ごす様子は、ずっと見ていたくなる。NPO法人『ねこけん』でもそんな猫や犬がいたが、実はそこにはワケがあって…。動物たちの事情、そして幸せをつかんだ現在を紹介する。

寄り添い合う、コマちゃんと子猫(写真:ねこけんブログより)

寄り添い合う、コマちゃんと子猫(写真:ねこけんブログより)

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■「不幸だったオオカミ犬と子猫」が出会ったら? 獣医師が飼い主なのに病気に

 大きな犬のお尻の上で、顔をうずめるようにして眠る子猫。これは、『ねこけん』のある日の光景だ。猫の愛護団体である『ねこけん』に、なぜ犬がいるのか。これはこの犬、オオカミ犬のコマちゃんが『ねこけん』に命を救われた犬だから。

 コマちゃんは“ウルフドッグ”とも言われるオオカミ犬。飼育の難しさもある犬種だが、元は獣医師が飼っていたのだとか。ただ、忙しい獣医師はあまり良い飼い方ができていなかったという。

 「いつもペット用のサークルの中に入れられていたんですが、放すとイタズラしてしまう。ただ、そうして飼われているときに突然高熱を出し、肝臓の数値が悪くなって黄疸も出てしまったんです。それを見たうちのボランティアメンバーがかわいそうに思い、お金も出して病院に駆け込みました。このときは誰もが『コマ、死んでしまう…』と思ったそうですが、何週間もERに入院し、なんとか一命を取りとめることができて。そのまま引き取ることになったのです」(ねこけん代表理事・溝上奈緒子氏)

 獣医師に飼われていたにも関わらず、避妊手術すらされていなかったコマちゃん。溝上代表が「獣医師だからといって誰もが動物愛護の意識が高いとは限らない」と言うように、手をかけてもらえていなかったのは確かだろう。

 そんな経緯もあって、『ねこけん』にやってきたコマちゃん。今ではたっぷり散歩もできる何不自由ない生活を送り、ときには猫たちのお世話もしている。ある日は、点滴を受けた子猫が甘えるようにコマちゃんの元に寄っていき、慰めてもらうような様子も。子猫はコマちゃんのお尻の上に乗っかり、そのまま数時間お休みしていたそうだ。

 「オオカミ犬とい大きな犬と子猫というと、心配される方もいるかもしれませんが、むしろ大の仲良し。コマちゃんは子猫が好きですし、子猫もコマちゃんが大好きと、すごくうまくやっています」

コインパーキングで事故にあったピピを癒す大型犬(写真:ねこけんブログより)

コインパーキングで事故にあったピピを癒す大型犬(写真:ねこけんブログより)

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 ピピは、子猫のときに瀕死の状態で千葉県の愛護センターに収容された猫。地元のボランティアがセンターからピピを引き出し、急いで病院に搬送してくれたのだという。なぜピピが瀕死だったのかというと、コインパーキングのロック板に挟まれ、運悪くその上を車が通過してしまったからだ。

 挟まれ、車に踏まれたピピの体は、壊滅的に背骨が変形。さらに膀胱破裂、肺挫傷、腎臓も片方が破裂寸前、骨盤骨折、両後ろ脚が複雑骨折…。本当に生きているのが不思議なくらいの重症だったが、ピピは九死に一生を得て生き延びた。

 とはいえ、ピピの体には大きな障害が残った。治療や特別なケアが必要なため、なかなか受け入れ先が見つからない。そんななか、「治療を含めて引き受けます」と手を上げてくれたのが、預かりボランティアをしているIさんだ。必要な通院を行うことができ、ケアの知識や心の強さ、もちろん猫への愛情のあるIさんは、ほかにもケガや障害のある猫を受け入れてくれている人だった。

 ピピは、そんなIさん宅に受け入れられ、数度の手術を経て今に至る。下半身不随でいろいろと介助が必要。骨の変形などがあったことから、体の厚みはわずか2センチ。だからこそ体が冷えやすく、保温にも気を配らなくてはならない。

 不自由な体ではあるものの、ピピはIさんの元でケアを受けながらのんびり暮らし、今では8歳になった。しかも、愛情を注いでくれるのはIさんだけではない。その愛犬や保護犬たちが、ピピをそっと守ってくれている。ピピはやっと、安心して暮らせる穏やかな環境を手に入れたのだ。



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