いじめで不登校「顔を隠す少年」が激変、美容師が変えた外面&内面に応援が続々「自信を持って人生を進めるように」
2024-05-31 08:40 eltha
■少年の目は長い前髪に隠れ…ひょうきんな性格も、いじめがきっかけで不登校に
男性たちを劇的に変貌させるのは、3000人の顧客を抱えるフリーランスの人気美容師・カンタさん(@ka.n_wl)と、“垢抜けコンサル”のしゅんさん(@syun_akanuke)。道行く人に声をかけてカッコよくイメチェンさせる「渋谷でイメチェンさせる人」として、YouTubeやTikTokなどで動画を配信している。
今回紹介するのは、秋葉原で出会ったゲームとイラストを描くのが好きな高校生のニューラピさん。長い前髪で前が見えなさそうな17歳だ。「半年くらい髪を切っていないので、そろそろ切りに行こうかなと思っていた」そうだが、本企画を快諾した理由はそれ以外にも。
「無料だし、面白そうだなと思って。学校行っていきなり自分自身がメチャクチャに変わっていたら(みんなの反応が)面白いじゃないですか」
何かを変えたい――潜在的にそんな意識を抱えている様子の彼。話を聞いてみると、そこにはこんな過去があった。
ひょうきんな性格で、中1までは学校でも楽しく過ごしていたというニューラピさん。しかし、親の転勤で引っ越しすると、転校先でLINEのグループをいきなり退会させられるなど、いじめられるように。それがきっかけで不登校になり、「ずっと家にいた。起きてご飯食べてまた寝るみたいな生活だった」と言う。
しかしその後、意を決して受験し、高校へ進学。そこには「引っ越す前の中学ではいじめられることもなく良い仲間たちと楽しく過ごせていたから、高校もまわりの人が変われば、また楽しく過ごせるのではないか」という期待と希望があった。今回、「イメチェンで変わったら面白い」と考える根底には、新たな環境の中で、本来のひょうきんな性格の自分を発揮して、またみんなと仲良く楽しく過ごしたいという思いがあったのだ。
そんな心強い言葉に励まされ、変わりゆく自分への期待も上がっていったのか、過去や将来について語り合っていたしゅんさんとの会話は次第に恋バナへ。どうやらニューラピさんは気になっている女子がいる様子。しかし、「アクションを起こす勇気がない」とここでも伏し目がちに語る。しゅんさんに「いい子は取られちゃいますよ。素直な気持ちをちゃんと伝えたほうがいい。ニューラピさんは自分の考えをしっかり持っている人だから大丈夫」と言われ、ある作戦を提案されると「善処します」と一言。謙虚に応えながらも、この日、初めて歯を見せるほどの笑顔を見せた。
カットを済ませた後は、ドライヤーを使ってブロー。「セットはあまりしないというので、ノーセットでもいける感じに仕上げました。髪質的に膨らみやすいので、ハチ周りを抑えてあげながら、ドライヤーで放射線状に乾かすと、それだけで決まりやすいように切ってあります」とカンタさん。
こうしてイメチェンを果たし、「めっちゃカッコいいです!」と2人に言われると、「変わったかもしれない」としっかり前を向いて胸を張って応える彼。そして、去っていく後ろ姿に、思わず「頑張ってください!」と声をかけるしゅんさんとカンタさん。3人が紡いだこの短くも胸熱くなるストーリーに、手塚治虫氏の「人を信じよ。しかし、その百倍も自らを信じよ」という言葉を思い出した。
(文:河上いつ子)