高級ビール、“限定・コラボ”で訴求
2010-09-12 10:00 eltha
ノンアルコールビールや低価格の“第3のビール”が話題になるたびに、麦100%の風味とその値段から“高級品”として扱われつつあるビール。ビールメーカー各社はそのイメージを逆手にとったプレミアムブランドを用意し、さまざまな限定商品やコラボ企画を展開。消費者にアピールをしている。
プレミアムビールブランド『ヱビスビール』を展開しているサッポロビールと有名フレンチレストランのジョエル・ロブションは9月より、“ビールに合うスイーツ”をテーマにしたオリジナルケーキ『キャラメルオレンジのシルク』を企画し、期間限定で発売している。同コラボは今回が第2弾。今年2月に発売された新商品『シルクヱビス』に合うスイーツとして開発しており、3月より限定発売された第1弾商品は販売店舗が限られているにもかかわらず各店で大ヒットとなった。
スイーツとアルコールの組み合わせる“マリアージュ”は、ワインやウイスキー愛好家によく知られているが、大手メーカーがビールを用い、実際にスイーツを開発することは極めて異例。今回もラ ブティック ドゥ ジョエル・ロブションの恵比寿店・六本木店・丸の内店・横浜店・名古屋店とル カフェ ドゥ ジョエル・ロブション日本橋高島屋店のみでの販売だが、早くも店頭で話題となっている。
そのほか、キリンビールは“この時期にしか飲めない”という限定ビールを続々と投入しており、今年で20年目を迎える『キリン秋味』のほか、ホップの名産地・岩手県遠野市で今夏収穫したホップを使用した『一番搾り とれたてホップ生ビール』を11月2日に発売。アサヒビールは各国の伝統的なビールを限定醸造した新シリーズ『アサヒ 世界ビール紀行』を展開。第1弾商品として28日より「ドイツ メルツェンタイプ」を、11月には「ベルギー ベルジャンエールタイプ」を発売する。また、前述のサッポロビールも老舗ビアホール・銀座ライオンが考案した限定商品『サッポロ 銀座ライオンプレミアム』を10月27日より発売。昔ながらのビールファンに訴求していく。
ビール大手5社が10日に発表した8月のビール類出荷量は、激しい猛暑だったにもかかわらず前年比0.3%減となった。しかし、発泡酒が13.9%減だったのに対し、ビールは微増ながら14か月ぶりにプラスに転じている。