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【BlackBoxKyoto】アーティスト宇佐美奈緒の個展《傷ついた皮膚の解像度》 を開催いたします。

株式会社nenex

2026/10/20 15:17

ビデオゲームが持つ、他者や人間以外の存在の視点を追体験できる可能性に着目し、身体感覚や皮膚感覚を喚起する作品ほか、オリジナル作品三点を展示・上映。11月21日にはギャラリートークも開催予定。

イベント概要

会期 | 2026年10月23日(金)-12月20日(日)
会場 | BlackBoxKyoto
住所 | 京都市中京区柏屋町171-1 タニグチビル3F
開館日 | 金土日祝
開館時間 | 13:00-21:00
入場料 | 1000円
予約不要

作品概要

I stitch my skin to the ground
形式:ビデオゲームプロジェクト
プレイ時間:20分
制作年:2023年





このビデオゲームプロジェクトは、2つのゲーム作品「Replay over and over」(2023) と「Ambiguous Lucy」 (2021) で構成される。

「Replay over and over」
ゲームのプレイヤーは、性暴力によって自身の身体を「モノ」にさせられた過去をもつ主人公の物語を追体験する。主人公は何者かに襲われると、プレイヤーは操作不能となり、キャラクターは動けなくなる。 プレイヤーの意図(コントローラー操作)とキャラクターの行動の乖離は、性暴力の実際の体験へと転化する。 この生理的反応は「強直性不動反応」あるいは「フリーズ」と呼ばれる。プレイヤーは、性暴力の被害者と同様に自らの意思で動けず、 叫び声を上げられないという理不尽な状況に強制的に追い込まれる。最終的に、主人公は皮膚を剥がし脱ぎ捨てることで、新しい身体を獲得しようとする。

「Ambiguous Lucy」
人間と動物と植物と機械が互いに溶け合い、それぞれを補うように結合する世界に訪れたルーシーは、性差や人種などのカテゴリーに分類されない肉の塊になることを選択した。この「肉の塊」は、「男」や「女」に分類されないノンバイナリーな身体を表象している。物語の最後に、プレイヤーは植物、石、機械の3つの選択肢の中から溶け合い結合するための相手を選ぶ。これは、すべての性別の人に恋愛感情や性的欲求を抱くセクシュアリティを暗示している。
※ルーシー:アウストラロピテクスの最初期と推定される318万年前の女性の化石人骨につけられた名前。

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Clean Up My Pixels
形式:映像(シングルチャンネル)
時間:16分
制作年:2025年

https://www.youtube.com/watch?v=wqbxUpmmrAA



AI画像解析技術を使用して生成されたディープフェイクポルノや、小型デジタルカメラを使用した盗撮、リベンジポルノなどのデジタル性被害を経験した主人公の体験や視点を描く映像作品。3DCGアニメーションと、公共空間で撮影されたパフォーマンス映像で構成されている。駅や路上で即興的に行った掃除のパフォーマンスは、インターネットやSNSに上げられ拡散された情報としての記録と、身体や公共空間に貼り付いた記憶を「Clean Up (クリーンアップ)」したいという願望が反映されている。

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Pixel Animation
形式:ミクストメディア
制作年:2019年



《Pixel Animation》は、横128 ×縦64 ピクセルの小型モニターを使用し、波や滝、引き潮など水のアニメーションをループ再生させている。 マイコンボードArduinoに、1フレームごとに各ピクセルを点灯させるスクリプトを書き込み、表示させている。
およそ1970 年〜 1990 年までアーケードゲームや家庭用ゲーム機は、メモリやCPU の制約により限られた解像度でグラフィックを表現しなければならなかった。 当時誕生した「ピクセルアート」は、視認性の良さや美しさ、データの軽量化を両立させた作品だった。

作品販売について

本展では、株式会社nenexが開発する個体識別認証技術(暗号技術を応用した作品ID管理システム)を活用し、デジタル作品の新たな流通モデルによる販売を行います。デジタル作品の独自性・真正性・来歴を保証する仕組みを実装し、既存のアートマーケットにはない新しいコレクションのあり方を提案します。BlackBoxKyotoにおける作品販売は、映像やインスタレーションなど非物質的な作品取引の可能性を探る実践的な試みです。

アーティストプロフィール

宇佐美奈緒(アーティスト)
近年は、3DCGを用いたゲームを制作している。プレイヤーが複数の選択肢から自らの進む道を選び取れる世界を構築するためのメディウムとして、ゲームを位置づけている。その選択の可能性を広げることで、ジェンダー、人種、階級など、あらゆるカテゴライズからの脱却を目指し、ポジティブな並行世界の創造を探求している。身体を拡張し、人間や人間以外の存在と融合させることで、既存の価値観から離れ、肉体の限界を超えて、自ら選び取ることのできる身体のあり方を考察している。
東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。愛知県立芸術大学美術学部メディア映像専攻講師

主な活動:
2026年 TOKASレジデンス成果発表展 (2026年6月 - 2026年9月)
2025年 TOKAS二都市間交流事業プログラム(派遣) (2025年9月 - 2025年11月)
2024年「Engawa films」上映(リスボン、ポルトガル、Centro de Arte Moderna (CAM))
2024年「16th World Film Festival of Bangkok」上映、(バンコク、 タイ)
2024年「やまなしメディア芸術アワード 2023-24 入選作品展」グループ展、(山梨)
2023年「Digital Art Festival Taipei 2023」グループ展、(台北、台湾)
2023年「TOKAS-Emerging 2023」個展、(トキョーアーツアンドスペース本郷、東京)
2022年「昌原国際彫刻ビエンナーレ 2022」(昌原、韓国)
2021年「Open Studios」(GlogauAIR、ベルリン)
2021年「RAM PRACTICE 2021」(東京藝術大学元町中華街校舎、横浜)

主な受賞歴:
2024年「アルスエレクトロニカ2024」 New Animation Art 部門 Honorary mention 受賞
2023年「イメージフォーラムフェスティバル東アジアコンペティション」、京都観客賞受賞

ギャラリートーク

宇佐美奈緒×馬定延
日時: 11月21日(土) 18:00-20:00 (予定・参加申込み等の詳細については追ってお知らせします)
会場: BlackBoxKyoto (京都市中京区柏屋町171-1 タニグチビル3F)
参加費:現地参加 1,500円 (作品鑑賞料込み)、オンライン配信 1,200円 (ライヴ配信のみ)

フェミニストアーティストたちは、自らの身体を通して、自身を取り巻く環境や状況と向き合い、作品を生み出してきました。インターネットやSNSなどのデジタル技術が普及した現在、新たな性差別やジェンダーギャップ、性被害も生まれています。そうした社会に生まれ育った宇佐美は、3DCGを用いて「傷ついた身体」を表象してきました。
本トークでは、美学・芸術学、映像メディア論を専門とする関西大学文学部教授の馬定延氏をお迎えして、3Dデータやゲームアセットなどのデジタル素材を用いた制作手法、現代のイメージメイキングを支えるデータとプラットフォーム、そしてそれらが私たちの身体感覚や想像力に及ぼす影響を、多角的に考えます。作家本人による制作プロセスや作品解説に加え、研究者の視点から作品を読み解くことで、デジタルメディア以後の映像表現と、現代美術における新たな実践の可能性に迫ります。
展覧会をご覧になった方も、これから宇佐美の作品世界に触れる方も、ぜひご参加ください。
馬定延 MA Jung-Yeon
1980年韓国ソウル生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科修了(博士・映像メディア学)。著書『日本メディアアート史』(2014)、共編著書『SEIKO MIKAMI: 三上晴子-記録と記憶』(2019)、論文「光と音を放つ展示空間-現代美術と映像メディア」(2019)、「この領土の芸術、この芸術の領土-ホー・ツーニェンの『日本三部作』をめぐって」(2023)、共訳書『Paik-Abe Correspondence』(2018)、『田中功起:リフレクティヴ・ノート(選集)』(2020-21)など。
現在、関西大学文学部表象文化専修教授、国立国際美術館客員研究員。researchmap

BoxKyotoについて

BlackBoxKyotoは、映像作品を単に「鑑賞するもの」としてではなく、反復的に鑑賞され、保存され、継承されうる文化資産として捉え直すための拠点です。株式会社nenexが2024年に構想を立ち上げ、2021年頃から開発を進めてきた国際コンテンツ流通支援システムの構想を、空間体験として提示する実証実験の場でもあります。「BlackBox」という名称には、神話化されたホワイトキューブへの静かな異議が込められています。白く開かれた展示空間ではなく、視線の逃げ場が少ない暗い箱のなかで、映像作品と身体が直接向き合う環境をつくることで、作品を“観る”体験をより深く、より私的なものへと変えていきます。BlackBoxKyotoは、そうした親密な体験を通じて、映像作品に対する新たな関係性をひらくことを目指します。会場は、スクリーンの前に10〜12席程度を配した親密な空間です。一般的な映画館のように整然と整備された座席配置ではなく、作品との距離や身体感覚を強く意識させる濃密な鑑賞環境をつくることで、映像との出会いをより直接的なものへと変えることを意図しています。鑑賞者は、作品の時間、光、音、気配に包まれながら、展示でも上映でもない独自の体験に身を置くことになります。

BlackBoxKyoto
https://blackboxkyoto.com

株式会社nenexについて

2020年創業。Web3やAIなどの情報通信技術を活用し、デジタルアートや非物質的な作品の所有、流通、収益分配の仕組みを設計・開発する専門家集団です。作品の権利処理、契約設計、流通設計、持続可能な事業モデルの構築までを視野に入れ、アーティスト支援と文化インフラの再設計に取り組んでいます。そのほか、美術館での展示設計や監修、公共施設のコンサルティング業務、デザイン業務なども行っています。
BlackBoxKyotoは、その実践を空間として社会にひらく試みのひとつです。代表取締役は桂英史。

株式会社nenex
https://www.nenex.net/

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