動物でも人でも、いつでも優しく接してあげるたいくん
何があってもコスモスと一緒にいることが当たり前だというたいくん
――生活の中で、ザクロやコスモスの意志も尊重してきたからこそなのでしょうね。そうですね。あと何より良かったな、と思うことは、たいの中の家族、という枠の中に当たり前に動物が含まれていること。以前動物愛護センターに一緒に行った時に、成猫で里親を探している子の張り紙があり、たいに「どうしてこの子はお家がないの?」と聞かれ、「誰かがもう飼えなくなってここに連れてきたのかもね」と話したら「どういうこと?もう飼えないってどうして?家族は一緒にいるでしょ?」と。
たいにとって猫は家族であって、何があっても一緒にいる、ということは当たり前なんだな、とわかった出来事でした。大人になっても動物を虐待したり、無責任な飼い方をするような人にはならない。それだけでも十分に猫と暮らしてきた価値はあると思っています。
――たいくんにとって、ザクロ、コスモスはそれぞれどのような存在だと思われますか。ザクロもコスモスもたいにとって家族であって特別な存在、ということを本人が意識しているわけでもないと思います。当たり前に一緒にいて、一緒に眠って、遊んで、思いやって、大切にする。パパやママと同じように、大好きな家族。
ザクロが亡くなった後も、たいは頻繁にザクロの話をするし、ザクロの匂いや手触りを思い出しています。実態はそばにいないけれど、心で思い出せばいつでもそばにいる。だから亡くなる前も後も、たいにとってはあまり変わらないのかもしれない、そんな風に感じることもあります。いつだって、どうなったって、そばにいてもいなくても、大切で大好きな家族なんだと思います。
ザクロの死を乗り越え、コスモスとの日常を通して、人一倍思いやり・強さ・やさしさを身につけたたいくん。子供が幼い頃からペットを飼うことに不安視する声も少なくないが、自身も猫と共に成長してきたお母様は、もちろん衛生面に注意を払いながら、それ以上の意義を日々感じている。
書籍化されたたいくんとザクロの写真集には、「あたたかい気持ちになった」「泣けた」「愛猫をもっと大切にしたいと思えた」などの声が多く寄せられたという。ザクロとコスモスにより培われたたいくんの深いやさしさは、今日も世界中に伝染している。