なぜ腸内環境を整えることが肌荒れ改善につながるのか? 医師に聞く、美肌のメカニズム
2021-05-23 eltha
なぜ腸内環境が大切なのか? 腸と肌の関係性
健康的な腸内では善玉菌が優勢だが、悪玉菌が多くなってしまうと便秘がちに。ビタミンを合成する能力も低下する。腸内で腐敗物質が発生し、それが腸粘膜から吸収され、血管を経由してめぐり、最終的には肌に到達。肌トラブルを引き起こす。肌と腸は表裏一体で、腸内環境を整えることが美肌にもつながるという。
「最近、腸内細菌が作る『ポリアミン』という物質が、アンチエイジングにも効果があると注目され始めています。細胞の代謝や成長に関わっている物質です。若いときは自分で作り出していますが、年齢とともに自力で作り出す能力が衰えてくる。肌荒れが治りにくいと感じている方は、ポリアミンを含む食べ物(白子、貝類、きのこ、納豆、大豆、小豆、チーズなど)を積極的に摂るのもオススメです」
腸には他にも美肌をつくるための機能が。腸と脳は連携関係にあり、幸せホルモンと呼ばれるセロトニン、やる気の源となるドーパミンが作られるのも腸内。体内の約7割の免疫細胞が腸に集まっている。
「セロトニンやドーパミンといった脳内伝達物質は、自律神経のバランスを整え肌のダメージ回復に関わります。腸内環境を保って免疫力を高めた方が、当然肌にも良い。腸内の免疫が悪くなると、アレルギーが出やすい状態にもなります。腸内環境を整えることは、肌にとってメリットばかりであると実感いただけると思います」
腸内環境「良い」「悪い」の判断基準「便の状態をチェックすればいい」
「まずは、便の状態をチェックしましょう。1日に1回、固すぎず柔らかすぎず、バナナ2〜3本分、黄色から黄褐色でにおいが強くない便が出ることが理想です。なかなかじっくり観察することは少ないとは思いますが、毎日確認を(笑)。逆に慢性的に便秘をしていたり、コロコロとしたものしか出ない方は、腸内環境が良くないかもしれません。
生活習慣を整えたうえで便秘や肌荒れの症状が改善しない場合、どうしても身体の不調が改善されない場合は、腸内フローラ検査やオーソモレキュラー栄養解析を受けてみるのもよいと思います。当院でも最近開始しました」
腸内環境を整える方法「善玉菌を増やす」「体内デトックス」
「プロバイオティクスとは、善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌)を生きたまま取りましょうということです。プレバイオティクスは、善玉菌のエサになるもの(食物繊維・オリゴ糖など)を取って善玉菌を増やしていきましょうということです。特に最近は、乳酸菌やビフィズス菌に加えて、善玉菌の司令塔として酪酸菌が注目されています。糠漬けや臭豆腐などに含まれていますが、食文化の変化により、日本でも摂取がしにくくなっています。
また、ヨーグルトや乳酸菌飲料が流行っていて種類も多いですよね。その習慣がある人は、続けていただければ大丈夫。すぐいなくなってしまう菌なので、食べ続ける習慣をつくることが大切になります。ただ、『カゼイン』という物質が含まれる乳製品には注意が必要です。アレルギーを起こしやすく、消化に時間がかかり、腸の炎症を起こしやすい。乳製品が合わない体質の方は、直接サプリで取るほうが安心です」
また、腸内に悪影響をもたらす老廃物を取り除くため、体内をデトックスすることも有用。
【体内デトックスの仕方】
・運動して汗をかき、毒素を排出する
・水を飲んで、尿とともに毒素を排出する
・ファスティング(断食)する
体内に溜まった毒素を排出し、細胞自体を毒に侵されていない健康な状態に戻す
・デトックス効果のある活性炭、ゼオライト、シリカなどを取る
・空気清浄機を使い、空気中のカビや有害物質を排除
・質のよい睡眠を取り、脳の老廃物を排除
「〈HIGHERSELF〉The Clean」
西嶌先生が開発した、体内美容サプリメント。活性炭、善玉菌、食物繊維の3つに着目し、身体の内側から美しさをサポートするための土台をつくる美容サプリ。
https://clean.higherskin.jp/
なぜ肌トラブルが引き起こされるのか。そのメカニズムを聞くと、肌と腸は密接に関係していることが明らかに。有害物質をデトックスし、腸内細菌を育て、便通を良くすることは、肌荒れを改善する根本的な方法なのである。