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【女性起業家】「脱毛広告にムカついて…」女子大生起業家が“ノーパン”でいられるショーツを作ったワケ「祖母と一緒に試作品作りを」

2022/01/25

江連千佳さんが開発した日本初の直穿きできるリラックスウェア『おかえりショーツ』

江連千佳さんが開発した日本初の直穿きできるリラックスウェア『おかえりショーツ』

 津田塾大学3年生の江連千佳さんが開発した日本初の直穿きできるリラックスウェア『おかえりショーツ』が、『マツコ会議』(日本テレビ系)で紹介され、注目を集めている。同商品は、ショーツの締め付けやかゆみ、蒸れから解放され、デリケートゾーンを快適に保つ新感覚のリラックスウェアで、いわゆるノーパンで着用するもの。近年は、女性のウェルネスやフェムテックへの関心が高まるなか、同商品の開発や会社設立の背景、女性が置かれている現状について語った。

プライベートゾーンにもかかわらず、かわいい下着じゃないと恥ずかしい…

――「ショーツから毛がはみ出ていたせいで、彼氏に嫌われた」という脱毛を勧める広告がきっかけで誕生した『おかえりショーツ』ですが、開発の背景を教えて下さい。

江連千佳さん いわゆる「コンプレックス商法」と言われる手法のCMを観て、「なんでショーツに合わせて私が毛を剃らなきゃいけないの?」と思いました(笑)。それなら、ショーツの面積が大きくなればいいのに…って。周囲の人にヒアリングしたところ、思った以上にショーツの形による締め付けやかゆみに悩んでいる人がたくさんいることを知り、開発に至りました。

――トランクス型の商品も数多くありますが、どのようなことに重点を置いて開発したのでしょうか?

江連千佳さん 100人以上の女性にヒアリングをするなかで、洋服に下着がひびくかどうかを気にする方が多くいました。いまあるトランクス型の商品は、タイトな洋服やパンツスタイルで履いた場合、うっすらと見えてしまったりする。そこで“おうちで履く”をコンセプトに設計しました。そのほうが、より日常生活に馴染んでもらえると考えました。もちろんワンピースやゆったりしたスカートであれば、日常履きやペチコートのように使っているお客さまもいます。

――「フロント部分がV字型になった女性用ショーツ」が一般的です。プライベートゾーンにもかかわらず、“他人からどう見えるか?”を意識した商品です。そうしたショーツに違和感を感じていたのでしょうか?

江連千佳さん 私も開発するまでは、なんの疑問も持っていませんでした。修学旅行で「ショーツとブラジャーで違う柄は恥ずかしいよ!」と友達に言われてから、「かわいい下着じゃないと恥ずかしいんだ…」と初めてランジェリーを買いました。でも、レースや装飾品が素肌に触れるとかゆくて、結局は綿100%のシンプルなものに落ちつきました。でもかわいいランジェリーでないと、女性らしくないんじゃないのか…という劣等感もありました。いま振り返れば、自分のカラダなんだから、バイアスにとらわれずに好きなものを選べばいいのに。

「オシャレは我慢」はもう古い、いまの時代だからこそ生まれたアイデア

――「オシャレは我慢」と言われた時代もありましたが、昨今は無理をしない楽なスタイルも重要視されています。

江連千佳さん コロナ禍で、おうち時間が増えて、多くの人が自分のために使う時間が増えました。自分を満たすリラックスした時間が重要だという共通認識が生まれたように感じます。『おかえりショーツ』は、そういう時間を共有する商品になってほしい、という想いで作っています。いまの時代だからこそ生まれたアイデアです。

――『おかえりショーツ』の特徴や実際の使用感についてを教えてください。

江連千佳さん 「普通の短パンを直穿きすればいいんじゃない?」という疑問を持つ方もいると思います。でも普通の短パンを素肌に履くと縫い目が当たったり、食い込んだりして痛いんですね。『おかえりショーツ』は、お尻部分に縫製がありません。女性はおりものが出るので、オーガニックコットンの当て布をつけることで、汚れの付着や荒いにくさを解決しています。おりものの量が気になる方には、上からつけられる専用のライナーも販売しています。「生地が柔らかいのに安心感もあって、手放せない!」という声をいただいています。

――「おかえりショーツ」の購入層について教えてください。

江連千佳さん 25〜35歳の女性が主な購入層です。男性の購入者も15%程度います。パートナーの方に、「あなたのカラダのことを想っているよ」というメッセージを込めて購入されているようです。『おかえりショーツ』をきっかけにカラダについての対話が生まれ、素敵だと思っています。

――江連千佳さんは現役大学生で企業しましたが、同世代の方からは、どのようなコメントが届いていますか?

江連千佳さん 私の選択を褒めてもらうことが多いです。同年代で起業する女の子はそう多くないので、なんとなく孤独を感じることもありました。皆で少しずつ行動したら世界は変わるんじゃないのかな、と自分の頑張る姿が、誰かの勇気に繋がったら嬉しいですね。

――サンプル商品は、お祖母さまが一緒に手作りしてくれたそうですね。

江連千佳さん 「作りたい!」と思った時に、工場やサンプル縫製屋にお願いしたのですが、すべて断れれてしまって…。それなら「自分で作るしかない!」と幼い頃から祖母に裁縫を習っていたので、自然と祖母の顔が浮かび、一緒に作ってほしいとお願いしました。

――実際に商品化されて、お祖母さまにはどのような言葉をかけられましたか?

江連千佳さん 「私が若い時には、デリケートゾーンの悩みなんてなかなか話せなかったのに、こういう商品ができていくと、話せることが増えて素敵ね」と褒めてくれました。その言葉に私も社会に貢献できているんだと嬉しくなりました。

女性が自分のカラダと向き合うことは、いまの日本ではまだまだ難しい

――Essay設立の経緯を教えてください。

江連千佳さん 2020年10月にクラウドファンディングで商品を開発し、翌年2月にブランド「I _ for ME(アイフォーミー)」を立ち上げ、5月にEssayを設立しました。当時、20歳でした。『おかえりショーツ』は、東京都のビジネスコンテストでファイナリストに選ばれました。その際に、創業資金を東京都の助成金で補助していただけたので、こんな機会は二度とないと思い、起業しました。でも、助成金だけでは足りないので、私が0歳の時から親が貯めてくれたお年玉貯金から捻出しました。

――現在津田塾大学3年生ですが、学業と両立するなかでの起業に不安はなかったのでしょうか?

江連千佳さん 今は休学しているので、不安はなかったです。ただ、4月から復学するのでかなり不安です(笑)。いまは大学院に行きたいという気持ちもあるので、学業も疎かにせずに頑張りたいと思っています。

――「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」ことも、SDGsの取り組みのひとつです。「女性の心や体の健康、仕事など、社会との関わり」についてどのように考えていますか?

江連千佳さん 「ジェンダー平等って、政治や社会の難しい話」と思う人もいるかもしれません。でも、実はショーツのように毎日履くものにだって、ジェンダー問題は関わっています。デリケートゾーンの話がしづらかったり、婦人科に相談するのが恥ずかしかったり、女性が自分のカラダと向き合うことは、いまの日本ではまだまだ難しいことだと実感しています。

――江連さん自身もそうした経験がありますか?

江連千佳さん 私は生理痛が重く、婦人科医に行きそびれたため、高校生で子宮内膜症という不妊につながる病気が見つかりました。でも治療したらカラダが楽になり、「生理痛がつらくて授業が受けられない…」なんてことも激減しました。カラダの悩みを伝えられるような社会になることで、女性がより心地よく過ごせるようになるんじゃないかな、と思います。『おかえりショーツ』が、その手助けになれたら嬉しいです。
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