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相席・山崎ケイ、妊活と芸人の狭間で導き出した答え「メインは人生、仕事はその中のひとつ」

2022-02-27 eltha

山崎ケイ 撮影:田中達晃(Pash)(C)oricon ME inc.

山崎ケイ 撮影:田中達晃(Pash)(C)oricon ME inc.

 一昨年、落語家の立川談洲と結婚した相席スタートの山崎ケイ(※崎はたつさき)。“いい女風”のキャラクターでブレイクして人気を集めたが、結婚したことでコンビとしてできなくなったネタがある、テレビ番組で女性芸人に求められる役割がやりづらくなったとも明かす。結婚に憧れていた20代、自由な時間とお金を手にして独身生活を謳歌した30代を経て、いま何を思うのか。山崎が考える、“ちょうどいい”結婚のカタチを聞いた。

「結婚にすがりたかった」20代、「焦りがなくなった」30代、変わっていった結婚観

━━恋愛で勝つための独自のメソッドが話題となった『ちょうどいいブスのススメ』に続き、今回は『ちょうどいい結婚のカタチ』を出版されました。本にはどのような思いを込められたのですか?

山崎:世の中の恋愛や結婚についての指南本って、「自分のことを好きになりましょう」とか「人と比べるのはやめましょう。それってあなたの幸せではありません」とか、精神論的なものが多いですけど、私はそういうものに満足できなくて。人と比べたっていいし、自分のことを好きにならなくたっていいから、とにかく具体的に何をしたらいいのか。私と同じようにそれが知りたい人は多いのではないかと思って、自分の体験をもとにお伝えできたらと考えました。

━━ご本にも書かれていますが、相席スタートとして山添寛さんとコンビを組む前の20代の頃は、結婚に対して焦りを感じていたそうですね。

山崎:当時は芸人としての収入も少なくて、バイトもしている状況だったので、生活の不安が大きかったことがかなり影響していたと思います。結婚している友達を見て、彼女たちは結婚したのに、世の中からも認められていて、自分は結婚もできないわ、仕事をしているのに世の中からも認められないわで、精神的にもちょっとしんどくて。そのタイミングで以前組んでいたコンビを解散したこともあったので、未来が見えない中、結婚にすがりたい、誰かの扶養に入りたいみたいな気持ちになっていたんだと思います。
━━その後、30歳で相席スタートを結成されて、結婚に対する考え方は変わっていったのでしょうか?

山崎:シンプルに20代の頃より時間とお金が手に入るようになって、焦りはなくなりましたね。精神的にも、例えば、若手の頃はいただいたお仕事は全部やらなきゃいけないと思っていたから、楽しみにしていた親友の結婚式に出られなくなったこともありましたけど、30代に入ってからは、ある程度、やりたい仕事を選べるようになって、ストレスとかいろいろなことを自分自身でクリアできるようになって。それに加えて、自由な時間とお金が増えたわけですから、今、この楽しい毎日が結婚によって制限されてしまうのはどうかなって思うようになって。

━━そんな中、元後輩芸人から猛アタックを受け続け、結婚されたわけですが、結婚によって、これまで築き上げてきた芸人としてのご自身のキャラやネタが変わるのではないかという懸念はありませんでしたか?

山崎:独身の女性芸人として、トークで恋愛の失敗談を求められたり、イケメンの俳優さんに対して「結婚したい」っていう姿勢で接することを求められやすかったですからね。それに私の芸風は大喜利力があるとか、ギャグができるという感じとは違うので、結婚するとなると、方向転換をしなければならないし、後輩が次々と出てくる中、自分にしかできないことを考えなければならないのではという不安はありました。今も正直、そこから抜け出せてはいないんですけど、ただ、私の場合、コンビなんで、ひとりで引き受けなくてもいいというか。相方にもマネージャーにも支えられているので、環境的にはすごくありがたいですね。

相方とも、夫とも、程よい距離感が“ちょうどいい”

━━相方の山添さんは山崎さんの結婚に対してどんな反応だったんですか?

山崎:相方はめちゃくちゃ性格がいいんで(笑)、「結婚しようと思ってるんだけど」って言っても、「どうぞどうぞ」っていう感じで、結婚後も「妊活しようと思っているから、もしからしたらお休みをもらうかもしれない」って言ったら、「ご夫婦で悔いがないようにしていただけたら、僕は一人でもぜんぜん仕事しますんで」って言ってくれて。今、けっこう、相方はテレビのお仕事とか増えているので、私が結婚するタイミングとしては良かったなって思いますね。以前だったら、私が「一週間休みます」って言ったら、相方も休みになっちゃうから申し訳ないなって気持ちになっちゃったと思うので。

━━結婚は“タイミング”とよく言いますが、仕事の面でも“ちょうどいい”タイミングだったんですね。

山崎:正直、私が結婚することに対して、相方は「これからどうします?」って考えたかもしれません。結婚したことによってできなくなったネタとかありますしね。ただ、あんまり私たちは先の話をしないので。山添は、私への距離感の取り方がすごく上手なんですよ。私は、相方でも彼氏でも、嫌なところは全部さらけ出して、言いたいことは全部言い合って、全部共有、ぶつかっていこうぜ! みたいなタイプだったんですけど、山添はぜんぜんぶつかってこない(笑)。だから私だけがいつもキーッとなっている時期もあったんですけど、いつしか私自身、その距離感がお互いにとって大事で、長続きの秘訣なんだって気づいて。実はこれは結婚に関しても同じだったんです。
━━結婚相手との間にも距離感があるということですか?

山崎:今までの恋愛とは明らかに違います。私は恋愛に依存しやすい性格で、全部共有したいし、束縛も強かったんですけど、今の夫に対しては依存度が低いというか。今までに付き合った人の中で一番、気も遣っていますしね。昔は相手に気を遣うのは良い関係ではないし、気ゴコロ知れているほうがいいに決まってるって思っていたんです。でも、別々の人格の自立した2人がお互いパートナーとしてハッピーに暮らすためには、ある程度気を遣うことは必要だし、それが苦痛じゃなくできているのがすごくいいなって。これは精神的にも経済的にも自立した今だからこそ、わかったことだと思います。一般的な平均よりちょっと結婚した年齢が遅かったけど、それより前だったら、今みたいな関係性は築けていなかったと思いますね。

━━年齢的にも結婚のちょうどいいタイミングだったんですね。

山崎:タイミングって決められているものじゃなくて、タイミングになったときに思うものですからね〜。とにかく、一生懸命生きている中で、ここっていうところで出会うしかないんだと思いますね。

自分を知ることが結婚への第一歩「婚活することで自分がわかる」

━━そのタイミングを得るためには、何が重要だと思いますか?

山崎:とにかく行動するしかないんですけど、今回、本を出版するにあたって、いろいろな人に話を聞いて、本当に結婚したいなら、結婚相談所がいいなって思いましたね。とくに、私みたいに人見知りで、合コンとかも好きじゃないという人にはいいと思います。今はアプリが婚活といわれるものの中で一番手頃だと思うけど、手頃な分、結婚までの道のりが長かったりするし、婚活パーティーは100の中から1つ決めなければいけないし。その点、結婚相談所は1対1でしっかり話せますからね。1個しかなかったら意外と1個のいいところがわかるし、自分の中で「ない」と思っていたことが、「あり」だったって気づくこともありますから。

━━著書にも書かれていますが、山崎さん自身、最初は1ミリも好きじゃなかった「なし」だった相手に、最終的には自分からプロポーズされています。

山崎:自分でこうだって思っていたことが、実はそうではなかったってことってたくさんあるんですよね。これは横澤夏子ちゃんが言っていたことなんですけど、婚活していたなっちゃんが、自分の好きな人の絶対条件である身長180cm以上の人たちしかいない婚活パーティーに行ったら、一人も面白くなかったそうなんです。で、そのとき、自分が求めているのは身長180cm以上の人じゃなくて、一緒に喋っていて楽しい人なんだって気づいたと。なっちゃんは「婚活することで自分がわかる」って言ってましたけど、その通りだと思います。だから、結婚相手にしっかりした理想像がある人だったら、そういう人にばっかりに出会う努力をしてみるといいんじゃないかな。改めてやっぱり私はそうだって思うかもしれないし、あれ、違ったんだって思うかもしれないし。まず“自分を知ること”が結婚への第一歩なんだと思います。

━━結婚という新たなステージに踏み出して、芸人としては、今後はどのように活躍していきたいですか?

山崎:自分はあまり仕事が忙しい生活が好きじゃないって気づいたので、最近、相方がすごくいい流れで一人での仕事が増えてきているのはとってもありがたいし、うれしいんです。クズの部分はもう十分みなさんにお知らせできたんで(笑)、それをきっかけに相方がこれからもっといいようになっていってくれたらいいなって思いますね。で、私自身は、それによって持てるようになった自分の時間とか、仕事と仕事の合間の移動時間を有効活用して、勉強したりしたいなって。

━━心理学の資格を取るために勉強を始められたことがネットニュースになりましたね。

山崎:芸人としてより“マイライフ”を考えている感じですかね。今年40歳になるんで、保険どうしましょうとか、資産運用はしたほうがいいのかしらとか、自分の人生を長い目で見て、どういう方向に持っていこうかなって考えるようになっています。以前は仕事がメインでそれがあっての自分の人生って感じでしたけど、今は、メインは人生で、仕事はその中のひとつって感じで。結婚によるものなのか、年齢によるものなのかわかりませんけど、いろいろちゃんとしたいって思うようになりました(笑)。

「eltha by ORICON NEWS」
(取材・文:河上いつ子 撮影:田中達晃/Pash)

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