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私って“母性”が弱い? 「ママならあって当たり前」に苦しむ若年子育て世代の本音

2022-08-16 eltha

 忙しいと、つい子どもにきつくあたってしまったり、家事や育児から逃げ出して一人になりたいと思うこともあるはず。eltha by ORICON NEWSが行なったアンケート調査でも、時々育児を面倒に感じたり、逃避したくなることがあるとの回答が見られた。「自分は“母性”が弱いのでは?」「子育てに向いていないのかも…」と悩む女性たちの本音と、社会に根強く残る“母性”のイメージに迫る。

20〜30代では半数超え 若い世代ほど「母性が弱い」と感じている

 国語辞典などによると、母性とは「女性特有の、いかにも母らしい性質。女性に備わっている、子供を生み育てる資質」と書かれている。近年さまざまな研究から“女性には生まれつき母性本能はない”ことが証明されているが、辞書の言葉からも分かるように、いまだに母親は無条件にわが子を優先し無償の愛情を注ぐものと誤解されがち。そんな社会のイメージから「母性がない」「子育てに向いていない」と苦しむ女性も多いようだ。
Q「母性が弱い」と感じた経験はありますか?

Q「母性が弱い」と感じた経験はありますか?

 子どもを持つ20代〜60代の女性にアンケート調査を行ったところ、「自分は母性が弱い」と感じた経験がある人は全体で見ると45.1%。約半数近くが、自分の母性は弱いと感じた経験があるという結果に。その傾向は若い世代ほど高く、20〜30代は60.1%に上る。

 20〜30代の若い世代の傾向をみると、末子の年齢が「妊娠中〜未就学児」で7割。母性が弱いと感じた瞬間は、「自分の子どもにきつくあたってしまう」が最も多く60.5%、次いで「子どものことをするのが面倒だと感じる」が49.6%、さらに「子どもより自分のことを優先することがある」が42.0%と、いずれも高い割合を占めている。「時々子育てから逃げ出したくなる」という回答も39.5%に上り、まだ子どもを産んだばかり、子育ての経験が浅いことから、自分の母性の有無について不安を感じてしまうことが多いようだ。

 一方、40〜60代は母性が弱いと感じた経験がないと答えた割合が高く、どちらの世代も半数以上が「ない」と回答。年代によって回答が分かれる対照的な結果となった。
Q「母性が弱い」と感じた経験はありますか?(世代別)

Q「母性が弱い」と感じた経験はありますか?(世代別)

言葉でコミュニケーションがとれないジレンマ…母性が弱いと感じた瞬間は「乳幼児期」

 昔から「出産したら自然と母性があふれてきた」「自分の子どもは目に入れても痛くない」と言われることもあるが、そう感じるか否かは人それぞれ。ただ、母性が弱いと感じる時期には、ある程度傾向があるようだ。

 母性が弱いと思ったことがある人の中で、そう感じた時期について聞いてみると、「乳幼児期」が48.6%、「子どもと意思疎通ができるようになってから(ことばが出始めた時期〜小学校低学年ごろ)」が44.3%、「子どもの反抗期が始まってから(小学校〜思春期ごろ)」が39.4%という結果に(複数回答あり)。
Q「母性が弱い」と感じた時期はいつですか?

Q「母性が弱い」と感じた時期はいつですか?

 最も多かった乳幼児期は、まだ言葉によるコミュニケーションがとれないため、会話で解決できない、子育てから生まれる孤独感など様々な壁が立ちはだかる。そのため、何か問題が起きた時に、「母性が弱いからだ」と感じてしまったり、「自分は母性が弱い」という固定観念にとらわれることで、コンプレックスになってしまうケースも。また、言葉が出るようになっても、今度は話しても分かり合えない価値観の相違や、反抗期などのストレスを感じることも多いのではないだろうか。

「周りのママと比べて私って…」子育てが進むうちに根深い悩みに

Q「母性が弱い」と感じることがコンプレックスになっていますか?

Q「母性が弱い」と感じることがコンプレックスになっていますか?

 全体で見てみると、母性が弱いことにコンプレックスを抱く人は、21.2%と2割程度。「母性が弱い」と感じたことがある人に限ると47.1%と半数近くに上った。

 コンプレックスに感じる理由を見てみると、「周りの母親と比べて、自分の母性が弱いと思うから」が圧倒的に多く55.7%。ママ友や、自分の母親と比べて、育児を完璧にできていなと思ったり、自分の至らなさを痛感して落ち込む声がSNS等でも散見される。

 また、次いで多かったのが「世間一般的に、女性はみな母性が備わっていると思われているから」が33.5%。冒頭の国語辞典の言葉にあったように、「母性」という言葉の持つ力やイメージ、世間の目が気になり、自分とのギャップに悩むケースも多い。

 例えば「たまには自分の時間が欲しい」「忙しくて子どものお弁当を作るのが面倒」といった、少しでも子育てにマイナスな発言をすると、「愛情不足」すなわち「母性が弱いから」と周囲から言われてしまう…なんてことも。ワーキングマザーは、いまだ他者から「保育園に預けるのはかわいそう、愛情が足りない」と言われ悩む人も少なくなく、身内にすら相談できない場合もある。世の母性へのイメージは、いまだに根強く残っている。

 しかし、大切なのは、「母性があるかないか」ではなく、自分なりのやり方で育児に向き合っているかどうかではないだろうか。環境も、子どもの性格も、親子の関係も、家庭によってそれぞれ。人によってイメージや解釈も異なる「母性」という言葉に重圧を感じてしまい、自らを責めて自信をなくてしまうのはいかがなものか。母性の呪縛から解かれ、それぞれの正解を見つけることが重要なのだろう。

【調査概要】
調査時期:2022年6月28日(火)〜7月4日(月)
調査対象:「子どもがいる」と回答した871名(自社アンケートパネル【オリコン・モニターリサーチ】会員20代〜60代の女性)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

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