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「病気のない体で産まれたかった…」先天性疾患をもつ娘が涙ながらに漏らした本音に母絶句「ベストな回答は今も思い浮かばない」

2023-02-08 eltha

 先天性疾患により極度の低身長で、昨年受けた手術の影響で歩行も困難になってしまった5歳の娘さん。乳児の頃から入退院を繰り返し、これまで何度も生死を彷徨いながらも、両親の支えのもと、奇跡的な復活を遂げてきた。そんな娘さんの病気の理解を広めようと、2年前に始めたSNSやYouTubeでは、5歳とは思えぬ抜群の語彙力とユーモアセンスを発揮する娘さんの姿が人気を集め、総フォロワー数はいまや50万超え。育児や病気については様々な意見が飛び交う中で、娘さんの姿を発信し続ける理由をお母さんに聞いた。

娘さんの低身長に周囲は誰も触れてこなかった「逆に居心地の悪さを感じていました」

――SNSやYouTubeを始めた理由を教えてください。

娘が病気かもしれないとわかり、娘の将来を案じたことがきっかけでした。

最初に始めたのはTikTokで、恐らく骨の先天性疾患があり、「一生極度の低身長であることが予想されます」と医師から告げられた頃でした。産まれたときから娘の骨格や容姿に遺伝以外のものを感じ通院を続けていたのですが、はっきりと言われたのは、この時が初めてでした。

娘の将来を考えたとき、この子を助けてくれる人を増やしたい・容姿で謂れのない差別を受けたり苦しんだりしなくていいように、こういう子がいることを受け入れてくれる社会を用意しておいてあげたいと思ったことが理由です。
――実際にSNS発信を始めて、気づいたことはありましたか。
私は娘の明るいところや愛嬌のあるところを動画にして載せ、それをきっかけとして娘の抱える病気についても知ってもらえれば…という思いで発信をしていますが、やはり流れてきたその動画1つを見て全体を想像・評価する方も多く、なかなかその背景まで知ってもらえないなど、発信することの難しさを知りました。

あとは、娘のおしゃべりの流暢なことをよく褒めていただくのですが、私たちにとってはこれが普通になってしまっていたので、娘の長所にまた一つ気付かせてもらえたことは、発信を始めて良かったことのひとつです。

――発信を始めたことで、お母さまの心境や生活の変化はありましたか。

発信を始める前は、明らかに小さすぎる娘の身長に周りも触れてこず、逆に居心地の悪さを感じていました。それが発信を始めてからは「大変だったんだねー」と声をかけてくれる方も増え、いろいろ事情も分かってくれた上でお付き合いができるので楽になりました。

私たちは娘の障害を心配していますが恥じてはいないので、我が家のオープンな姿勢を伝えられたことで過ごしやすくなりました。
――TikTokでもYouTubeでも、多くの動画の再生数が数百万回に達し、たくさんのコメントも日々寄せられています。

特に「パパをお説教する娘シリーズ」や「パパとデートに行く条件」の動画は、たくさんの反響をいただきました。どの動画でもですが、「元気をもらえる」「つらいことがあった日も笑顔になれる」「勇気をもらえた」などのコメントをたくさんいただきます。

元々は私が娘への理解を求めて、どちらかというと自分たちが“得る”ことを目的にスタートしたことが、こんなにも多くの人に“与える”ことが出来ていることが本当にうれしいです。

――SNSやYouTubeは、お母さまにとってどのような場所になっていますか。

SNSやYouTubeは、娘や私たち家族を励まし、温かく見守って下さる方たちとの交流の場として心の支えになっています。リハビリの待ち時間や寝る前に、娘と一緒にメッセージを読むことが多いので、やる気やパワーをいただける場所として使わせてもらっています。また、新しい治療法や私たちの知らなかった医療の情報をいただくことも多く、そちらも助かっています。

何度も生死の狭間をさまよってきた…「奇跡的に回復してくれる生命力に驚かされます」

――動画内では、いつも愉快で、絶妙なワードセンスで大きな反響を呼んでいる娘さんですが、これまで印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

日頃からとても明るく、人を笑わせることが大好きな娘ですが、退院後に数回、「病気のない体で産まれたかった」「どうしてこんなことになったの?」と涙ながらに言われたことがずっと心に残っています。娘はきっと毎日そう思っているのでしょうが、堪えきれずに漏れたその数回の叫びに、自分は適切な返事をできたのかなぁ…と、何度も思い返しては考えています。ベストな回答は今も思い浮かばないのですが、いつも病気以外のアイデンティティを大切にしてほしいことを伝えています。
――お母さまはどのようにご回答されたのでしょうか。

「健康に産まれても病気になって死ぬ人もいるし、事故で一生治らないケガをする人もたくさんいて、でも、そのこと自体がその人の人生の幸せか不幸かを決めるわけじゃないよ。それに今は治療法もたくさん研究されていて、生きてさえいれば、まだまだ可能性はあるから、それまではみんなで楽しく過ごして待ってみよう」と答えました。娘は「うん、わかったよ」と言いますが、同じことを何回か聞かれたので、理解はしても、納得はいってないのかもしれません。

――親子でも、完全に気持ちを理解したり伝えたりするのは難しい時がありますよね。


そうですね。子どもたちに学ぶ事も多いです。私自身、骨折すらしたことのない人生を送ってきたのですが、いざ子どもを産んでみると、長男は1歳の頃に急性脳症になり(今は完治)、娘も何度も生死の狭間をさまようなど、命や健康は当たり前ではないということに気付かされました。そしてその度に、奇跡的に元気に回復してくれる生命力に驚かされます。そんな子どもたちですので、毎日の成長すべてが感動の連続です。
――障害があるお子様を持つ親御さんに伝えたいことがあれば教えてください。

私たちよりもずっと大変な状況で奮闘されているご家族も多い中ですので難しいのですが、障害がある子を育てていると、自分の時間を減らし、生活リズムも子どもに合わせることが増え、親が疲弊してしまうことも多々あると思います。

長い道のりですから、どうか息抜きしつつ、自分のことはむしろ意識して労わる時間を持ってほしいなぁと思います。私は「親が笑顔でいることが大切!」と割り切って、自分を甘やかしまくっています(笑)。お互い頑張りましょう。
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