愛犬が言葉で伝えてくれた”大好き”の気持ち「叫びたいほど嬉しかった」

　音声ボタンを使いこなすことで人と会話ができる、ミニチュアシュナウザー・モネちゃん。SNSで飼い主さんと会話する動画が話題となり、今では「しゃべる犬」として代表的な存在に。様々なメディアで紹介されている。「愛犬の考えていることが分かれば…」と、ペットと暮らす人なら誰しも思うことだが、いざ意思疎通ができたときの感覚はどのようなものか？　モネちゃんから「大好き」と思いを伝えられたとき、飼い主さんは「心が震えました。叫びたいほど嬉しかった」という。

　「さんぽ」「あそぼ」などの言葉をボタンに録音し、ペットがそれに触れることで意思疎通を図ることができる「音声ボタン」。モネちゃんの飼い主さん宅では、このボタンがリビングに70個ほど並んでいて、その位置を覚えて自分の気持ちに合わせてボタンを押すことで、お互いの会話を成立させている。

ーー犬と意思疎通ができるようになることは、とても驚くべきことだと思います。初めて「通じた！」という感触が得られたとき、どのような気持ちでしたか？

「最初は『あそぼ』『ごはん』『お水』のボタンを置きました。初めて設置して1週間目の時に、私が押した『お水』のボタンに反応しました。この時が初めて『通じた！』と感じた瞬間でした。少し考えた様子がみられ、5秒後ほど経って自分でお水を飲みに行ったんです。その時のメモが残っているのですが、『すごい！　モネが理解した！　水と水のボタンが関連付けされた！』と興奮気味で書いてありました」

ーー相当驚いたのではないですか？

「犬がボタンで話せるようになることは、音声ボタンでお話しする他の犬の動画を見て分かっていましたので、驚きというよりは憧れの存在に一歩近づいた喜びと、やっぱり犬は言葉を理解しているのだという実感でした。これからモネが自分でボタンを押してコミュニケーション取れるようになるのかもと思うと、胸が高鳴りました」

ーーモネちゃんはその後どんどん成長していき、単語のみだったのが、二語文、三語文と文章で意思を伝えてくれるようになりました。単語としてではなく、文章としてとらえさせるためには、どのような訓練が必要なのでしょうか？

「たくさん話しかけるように心がけています。私は小学生と中学生の子どもが2人いますが、わが子にしてきたことと同じように、赤ちゃんに言葉を教えるようにして、モネにも教えています。訓練とは思ったことがなく、私はモネを3人目の子だと思って育てています。

　外でも人目をはばからず、しっかり声に出して語りかけます。朝起きたら、『あさ、ねんね、おわり』とか、散歩で玄関を出た時寒かったら『おそと、さむい』、ごはんを食べ終わったら『ごはん、おいしい、大好き』など、単語をはっきりと発音しながら教えています。家にいる時は、できるだけボタンを押しながら話しかけます」

ーーモネちゃんが自分の意思を伝えてくれたとき、飼い主さんが一番驚いたことは？

「心が震え、叫びたいほど嬉しかったのが、モネが『大好き』と伝えてくれたことです。愛犬から大好きと言ってもらいたいのは飼い主全員の夢ですよね。私もボタンを始めた時は、いつか『ママ、大好き』って言ってくれたらと思っていました。

　ボタンを始めて4ヵ月経ったある日の昼下がり、私がモネの目を見ながら『モネ、大好き』と2つのボタンを押しました。そうしたら床で伏せをしていたモネがゆっくり立ち上がり、トコトコ歩いて『大好き』のボタンを押し返してじっと見つめてきてくれたんです。こんなに可愛らしい小さな命が、私に大好きと言ってくれた！　叫びたいほど嬉しかったですが、驚かせてはいけないと、そこをグッと堪えて（笑）、『ありがとう』と言いながら優しく抱きしめました。幸せでした」

ーー今後、モネちゃんにはどのように過ごしていってほしいですか？

「モネにはできるだけストレスを感じない生活をさせてあげたいと思っています。ボタンでしたいことを要求してきたら、できる限り応えてあげたいです。

　たまにモネは私に伝えたい気持ちを少ないボタンの中で組み合わせを工夫しながら押してくることがあります。クイズのように感じることがあります。モネが伝えたいその意味を私が想像しながら当てに行く感じです。次に足すボタンの単語も考えつつ、もっと私がモネが伝えてくる言葉を的確に理解できるよう日々信頼関係を深めていければと思っています」

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