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フォロワー250万越え“柴犬まる”、飼い主明かすSNS投稿の“シンプル”ルール

2019-04-30 eltha

 インスタグラムのフォロワー数250万人有名アカウント犬で、「世界一有名な柴犬」として知られる“柴犬まる”。2007年、岐阜県のペットショップで飼い主の小野さん夫妻と出会い、クリスマスイブに家族として迎え入れられる。2011年の東日本大震災を機に、小野さんがインスタグラムにまるの写真を投稿し始めたところ、人気に火が付き、2014年には写真集やグッズなども発売。テレビ番組やCM、イベントなどにも引っ張りだこになっている。まるはどのようにして人気者になったのか? 出会いのエピソードから、ペットの日常を発信することへの思いまで、飼い主の小野慎二郎さんに話を聞いた。

2011年の東日本大震災が投稿のきっかけに「笑顔を取り戻してほしかった」

――小野さんがまるくんと出会ったときのエピソードをお聞かせください。
小野さん初見のまるには「周りと違う」「うまくなじめない」という雰囲気があり、私自身、同じような幼少期を過ごしたため、親近感が湧きました。犬と暮らしたこともない共働きの夫婦が、数週間後のクリスマスイブにまるを家に迎え入れることになろうとは微塵も思っていませんでした。きっかけは、妻がまるの名前を決めてしまったことです。ペットショップから帰った晩に「まるに会いたい」と。「まるって誰だ?」と思ったら、柴犬のことだと知りびっくりしました。仕事や生活などさまざまな制約がかかるけど、それでも迎え入れることをお互いに真剣に話し合った結果、迎え入れる覚悟を決めました。

――まるくんの写真をSNSに投稿するようになったきっかけは?
小野さん2011年の震災がきっかけです。あの震災で暗く沈んだ日本のみんなに笑顔を取り戻してもらいたいと思って。何の影響力もない人間が始めたちっぽけな活動です。「1日3回、毎日笑顔を届ける」というルールを決めて8年が経ちましたが、8年で2920日、投稿回数は8760回にもなるんです。笑顔が届いているといいんですが…。継続は力なり。まだまだ継続していきます。

――投稿にはまるくん目線の文章が添えられていて、ついクスっとしてしまいます。あの文章はどのように考えられていますか?
小野さんまるは喋れませんので、「まるが喋れたら、どんなことを喋るかな?」と毎日想像して遊んでいます。気をつけているのは、投稿文を見た人が前を向いて笑顔になってもらえるようなものにすること。そして、他の犬や猫などの動物やまだ言葉が喋れない小さな赤ちゃんなどへの不幸がなくなることを願って、みんながまるに話しかけてもらえるような内容にしています。言葉が喋れない動物に話しかけるということは、少しだけ心が優しくなるということです。だから「今日は何食べるの?」「日曜日はどこにいくの?」といった、みんなが喋りかけやすい言葉を投げかけます。

――たくさんのコメントがついていますが、反響を受けていかがでしたか?
小野さんまだまだ足りないです(笑)。もっともっと多くの人に、まるに話しかけてもらえるようになりたいです。

――タイアップやグッズ化など、さまざまなお仕事を受ける基準は?
小野さん動物が不幸になることを想起させないことが条件です。嫌がりそうなことや過度にストレスがかかりそうなことはお断りしています。たとえば「飛行機にのって○○イベントに参加してください」といった類のものは、飛行機に乗せることがストレスになるのでお断りしています。

「まるは心のバランスをとってくれる。日常の些細なことに“気づき”くれる」

――まるくんが有名になったがゆえに、心ない声も聞こえてくると思います。そんなとき、小野さんはどうしていますか?
小野さんもちろんいろいろな考え方がありますので、すべてを否定するわけではありませんが、確固たる意志を持っていますので、全然気になりません。

――まるくんと接していて、思わぬ気づきやハッとさせられたことはありますか?
小野さん花が咲いた、うぐいすが鳴き出した、アスファルトが熱くなっている、雷が遠くでなってる、地震がくる……普段気にしない、気づかないことも、まるを通じてわかる場合がたくさんあります。自然と共に生きる…まるはこの大切なことを教えてくれているのです。

――小野さんにとって、まるくんはどのような存在ですか?
小野さん自分の心のバランスをとってくれる存在です。忙しいという字は心を亡くすと書きますが、日々の業務に忙殺されて、ついつい心を亡くすことがあります。そんなときにまるをみると我に返るのです。私にとってはかけがえのない心のパートナーです。「親友」という言葉が一番近いかもしれません。

――まるくんの様子をSNSで発信することで、今後どのようなことを伝えていきたいですか?
小野さん動物と暮らすことは想像以上に大変で、長い年月をかけて共同生活しなければならない苦労がたくさんあります。流行にのって動物を飼うという言葉を軽々に発する社会にならないようにと伝えていきたいです。実はそれは、動物と暮らしている人にとっては苦労にはなりません。それだけ、動物は人間に癒やしを与えてくれているということです。動物は絶対に人間を裏切りません。だから、人間は動物を裏切ってはいけないというメッセージを伝えていけたらと思います。
(文:水野幸則)
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