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カジュアル化した二重整形、広まる誤解…「業界も変わらなければならない」医師の提言

2023-05-12 eltha

TCB 東京中央美容外科 仙台駅前院 院長 兼 特別指導医、二重整形指導最高責任者(東北)安本匠医師

TCB 東京中央美容外科 仙台駅前院 院長 兼 特別指導医、二重整形指導最高責任者(東北)安本匠医師

 日本において、もっとも一般的な整形である“二重手術”。10分程度の手術時間で終わるため、“プチ整形”とも言われ、メイクやファッションの一環として行う人も増えている。しかしリスクはゼロではなく、実現可能なデザインやドクター選びなど“取捨選択”が重要。近年、SNSなどインターネット上でも盛んに話題となっていることから、間違った情報に左右されてしまう弊害もある。この現状を施術する側はどう見ているのか。TCB東京中央美容外科の二重整形指導最高責任者(東北)・安本匠医師に話を聞いた。

「つけまつげをつけるような“メイク感覚”」の二重手術

 一重や奥二重の目をパッチリ二重にしたいとき、多くの人がまず利用するのが、薬局やドラッグストアで手に入るアイプチやアイテープだ。液体やテープを使って、自分で手軽に二重が作れるコスメだが、「毎朝、かなりの時間をとられる」「うまく作れないとその日1日気分が下がる」など、コンプレックス解消のつもりが、かえってストレスを抱えてしまっている人も多い。

 そんな悩みから解放される手段として、近年、受ける人が増えているのが、二重手術。中でも埋没法は、瞼を切開することなく、10分程度で終わることから、手軽に二重が手に入るとして、若年層を中心に人気の高まりもうかがえる。多い日では10人もの二重手術を担当するという安本匠医師も二重手術のカジュアル化を次のように語る。

「クリニックだけではなく、今は一般の方々がSNSで自分の整形の経過を上げたり、情報を発信するようになったため、二重手術は近年、かなり広く知れ渡り、身近な存在になっていると実感しています。とともに、ひと昔前だったら誰にも言わないで内緒で来たという方がほとんどでしたが、今は、友達が受けたから私も、とか、有名なインフルエンサーが受けたから私も、というふうに、どんどんオープンになってきているようにも思います。もちろん、重いコンプレックスに苛まれて来院される方も一定数いらっしゃいますが、つけまつげをつけるような“メイク感覚”で、ちょっとした悩みの部分にプラスアルファして解消したいという、気軽な気持ちで受ける方が増えていると感じています」

 そのため、初めて来院した際には、自分の顔を変えることへの怖さを抱え、手術を受けるかどうか深刻に迷っている人はあまりおらず、すでに心が決まっている人がほとんどだという。

「むしろ不安は、痛みや腫れがどのくらい続くのか、まわりの方にバレるんじゃないかということが多いです。ですから、まず、カウンセリングで、それらの不安を解消するよう、手術について、リスクも含めてしっかりと説明をさせていただいています」

 そして、このカウンセリングが肝になる。美容整形は自由診療であるため、患者の要望を聞くことが当たり前のようにも思えるが、「そうではないクリニックも多いということを覚えておいたほうがいい」と力説する。

「美容整形は自分の希望を叶える手術。どういう顔になりたいかを大事にするべき」

 例えば、患者が二重ラインとまつ毛ラインが平行になっている「平行型」の二重を希望したとする。まぶたを切らず、糸で留めて二重ラインを作る「埋没法」という術式で実施が可能なのにも関わらず、まぶたを切開して二重ラインを作る「切開法」でないと平行型二重は作れないと説明する医師も多数いるのだという。

「美容整形は自分の希望を叶える手術ですので、患者様がどういう顔になりたいかを大事にするべき。そうでなければ、美容整形をする意味ってないんですよね。だからこそ、希望を聞いてくれる医師であるかは、重要なポイントになると思います。美の基準は個人の価値観で異なりますから、その希望をしっかり聞いて、叶えるための提案をさせていただいています。もちろん、美容整形には限りがあって、できることとできないことがありますので、その点もしっかりお話させていただいたうえで、患者様が最適と思う提案をさせていただいています」

 中には「先生がいいと思うふうにしてください」「似合うようにしてください」という人もいるそうだが、その場合は、「その人の顔を活かしながら、自然に見える範囲で」いくつか提案し、患者が選択できるようにしているそう。むしろそれより困るのは、あまりにも細かくオーダーをしてくる人だという。

「術式を細かく調べて、ここは何ミリで、ここからここまでは何ミリでとご希望を伝えてくださる方がいますが、その通りにやって、目を開いたときにどういう形になるかは、手術をした経験のある医師でなければわかりません。たとえば、有名な料理人のいるフレンチレストランに行って、この食材を使った美味しい料理を食べたいというのはいいけれど、この食材をこの温度で何分間こういうふうに調理してと指示したりしませんよね。それと同じこと。そういう方は、100%を求めるあまり、何をやっても納得できなくて、失敗を重ねてしまいがちです」

 修正のききやすさやダウンタイム期間の短さなど、リスクの少なさから、まずは埋没法を勧めるそうだが、失敗を重ねている人の中には、最初からリスクの高い切開法を選んだり、まだ腫れている期間に修正をしてしまい、瞼が変形してしまっている人も多いという。

 一方で、“整形は心の治療”と言われる通り、二重にしただけで、内面まで明るく変わり、心の問題を解消できる人もいる。それこそが、「美容整形外科医としての醍醐味」だという。

「アイプチを使い過ぎて、瞼がかぶれてガサガサになってしまっている状態なのに、アイプチをつけなければ外に出られなくて、不登校になってしまった子がいました。手術をしたことでアイプチから卒業できて、自分に自信も持てるようになって、学校に行けるようになったときはうれしかったですね。自分の目に自信が持てなくて、積極的になれなかったけど、二重にしたことで、メイクや髪型、洋服にもこだわるようになって、ガラッと雰囲気が変わったというケースはよく目にしますし、以前は、好きな人に告白できなかったけれど、二重にして、自信ができて、彼氏ができました、結婚しましたという報告もよく受けます」

要求が高ければ高いほど費用は高額に…しかし「“高額=悪徳”ではない」

TCB 東京中央美容外科 仙台駅前院 院長 兼 特別指導医、二重整形指導最高責任者(東北)安本匠医師

TCB 東京中央美容外科 仙台駅前院 院長 兼 特別指導医、二重整形指導最高責任者(東北)安本匠医師

 二重手術が手軽に、身近になる一方で、よく説明をされないまま施術され、高額な費用を請求されたケースがSNSで報告されるなど、クリニック側の対応が不誠実であればあるほど、「結局お金目的ではないか」という不信感をもたれやすく、美容整形外科には金満主義的なイメージが根づいているのも事実。

「当院は、患者様を騙さないし、嘘をつかないし、費用面も非常にクリーンであると自負しています。ただ、誤解されている部分や反省点はあると思っていますので、信頼していただけるよう、改善に向けて取り組んでいます。また、皆様には、美容整形は、“高額=悪徳”ではないし、“安い=不誠実”の場合もあることを知っておいていただきたいです。患者様の要求が高ければ高いほど、当然、費用は高くなります。患者様の望みに見合ったサービスを提供して、患者様が満足すればそれが適正価格だと思いますので、当院では、いくつかの治療プランを提示した中から患者様に選んでいただけるようにしています」

 その姿勢から、クリニック選びに対して、こうアドバイスする。

「最初のカウンセリングで、これしかできないというクリニックは注意しなければなりません。それは美容院でこの長さのこの髪型しかできませんと言われているのと同じ。どんなに高い技術でキレイに仕上げても、患者様の希望と違ったり、顔に合っていなければそれは失敗だし、悪徳です。

 また、当院は、専門部署を設けて、5年以内なら修正2回OKなど、アフターケアには非常に注力していますが、美容外科の中には、高額を払ったのに、思っていた効果が得られず、アフターケアを謳っていたのに、その後のフォローをしてくれなかったというクリニックも存在していますので注意が必要です」

 現在SNSや著作本などを通じて積極的に情報発信を行っているが、それも自身やクリニックに対する信頼を得るために加え、業界全体のイメージアップを図りたいという思いからだという。

「たくさんクリニックがあり、良い面もあれば、悪い面もピックアップされてしまっているのが現在の整形業界です。でも、そこは業界が変わっていかなければならない部分です。美容整形は本来、外見のコンプレックスを解消するだけでなく、内面も含めてトータルで良くして、人生を明るく踏み出せる一歩をお手伝いできるのものだと思っています。だからこそ、患者様には信頼できるドクターを選んでもらいたい。今後も引き続き情報発信をして、業界全体を変えていけたらと考えています」

取材・文/河上いつ子

『美容外科医が教える二重整形ココだけの話』

今や誰もが「二重手術を受けてみたい」と気軽に考えられるような時代になりました。
しかし、二重手術の種類や術式、自分に適した二重のデザインなどについては、インターネット上で誤った情報が多く、正しく発信されていない実情があります。希望を持って整形を受けたものの、間違った情報や思い込みで悲しい思いをしないためには、事前に正しい知識を得ることが何よりも大切です。
本書では、TCB東京中央美容外科 仙台駅前院院長 安本 匠医師が自ら筆を取り、二重手術の種類から医師にイメージを伝える写真の選び方、ダウンタイム中に絶対やってはいけないこと、さらには医師やクリニックの選び方まで、詳細にまとめています。手術を受けたい一般の方だけではなく、新人の美容外科医やこれから美容外科医を目指す方々にも読んでもらいたい内容となっています。
安本匠

Profile 安本匠

1982年、群馬県に生まれる。宮城県仙台第一高等学校を経て、2010年山形大学医学部医学科卒業。山形大学医学部附属病院、日本海総合病院で心臓血管外科に所属、外科医としての礎を築く。
2015年、現TCBグループ代表 青木剛志医師に出会い、TCB東京中央美容外科に入職。福島院・郡山院の院長を歴任し、2017年仙台駅前院院長に就任、現在に至る。グループの特別技術指導医として100名近い医師の指導を経験。特に二重整形手術の指導最高責任者(東北)として、各医師の指導と技術認定を行っている。

TCB東京中央美容外科:https://aoki-tsuyoshi.com/
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