「夏休み中は僕が作る！」週4で昼食作りに臨む小3男子、つい手を出したくなるけど…見守る母の想いにも変化

　給食のない夏休みは、親にとって試練だ。13歳息子、9歳息子、4歳娘の3児を育てるシングルマザーのさしゃさんも、在宅勤務をしながらのお昼ご飯作りに不安を漏らしていた。すると、小学3年生の次男が「僕が作るよ」と立候補。家にある材料で献立から考え、手際の良い調理、美しい盛り付け、センス溢れる写真撮影、手描きのレシピ記録までこなす姿に、SNS上では「す、すごい才能」「天才すぎる」「めちゃくちゃ美味しそう」「１番の食育」などと、大きな反響が寄せられた。さしゃさんは、次男が昼食作りを始めてから、自身や家族に変化があったという。

――小学3年生の息子さんは、夏休み中、週4でお昼ご飯を作られているそうですが、きっかけは何だったのでしょうか。

元々、小さい頃から台所とお料理番組が大好きで、今までの長期休みも時々作ってくれる事がありました。今回夏休みの前に、在宅ワークをしている私が「夏休みはお昼ごはん作りが大変だ〜！だれか作ってくれたら嬉しいんだけど…」とつぶやくと、「僕が作るよ」と名乗り出てくれました。「じゃあ、絵が上手だからレシピカード作ったら？そしたら見返していつでも作れるんじゃない？」と提案してみると、その気になったようです。

――頼もしいですね。献立はどのように決められていますか。

家にあるレシピ本から、私や他の家族の意見も取り入れつつ決めました。あとは、コンビニで「ぼたもち」のポスターを見かけて、「ぼたもちって何？」「作ってみようかな」とか、YouTubeで観て美味しそうと思ったレシピを真似してみるなど、本人の好奇心から献立が決まることもあります。野菜などの副菜は、私が前日の夕飯に作った残りなどを添える事もあります。

――日々、息子さんの料理の腕前は上達されていますか。

基本的な切り方や調味料などの知識は少しあったのですが、回数を重ねるたびに手際良くなっていました。

――どのような思いで見守られていますか。

本人が負担に感じない程度にやってくれたら良いと思っています。「今日は疲れたからやめとくわ」と言ったら無理させず、とにかく楽しんでほしいなと思っています。今の所、夏休みが終わってからも夕飯作りなどで料理を続けたいと意欲的です。

――印象に残っている息子さんの手料理があれば教えてください。

先日作ってくれた「ぼたもち」はとても美味しかったです。コンビニで「ぼたもち」というワードを見かけて、「日本昔話で観た事ある気がするけどぼたもちって何だっけ？」という疑問を抱き、ネットでお兄ちゃんに調べてもらい、「それ作ってみたい！」と言って作ることになりました。

“お昼ご飯にするにはおやつみたいだな”と思いましたが、本人のやる気を尊重する方が大事かなと思い、一緒に材料の買い出しへ。ネット上のレシピを見ながら作ったぼたもちは、「夏休みに身体に入れた食べ物の中で一番おいしい！！必ずまた作りたい！」と本人も大満足でした。

――息子さん自身が、料理を楽しんでいるのですね。

正直最初は、1〜2日しか続かないだろうと思っていました。1日でも作ってみたら良い経験になるよね、くらいに思っていたのですが、「大変だけど楽しい！そして、自分で決めたことだから明日も作るよ！」と言って、翌日もがんばる息子に感動しました。

4日間も作り続けると、「毎日ご飯を作るって、こんなに大変なんだね。お母さんいつも本当にありがとう！」と言ってくれて、とても感動しました。

――素敵なエピソードですね。息子さんがお昼ご飯を作るようになって、ご家族に何か変化はありましたか。

私は元々じっくり集中してできる料理は好きだったのですが、毎日慌ただしい生活の中で料理をしないといけないとなると、正直「めんどくさい」と思うことも多々あります。でも、料理を楽しそうに作る息子を見習って、もっと楽しもうと改めて思えました。

夏休みの午前中は部活に行っている長男が、次男の作るお昼ご飯を楽しみに帰ってきています。朝「今日も美味しい昼飯よろしく！」と長男から言われて、次男もはりきっている姿が微笑ましいです。長男も先日、レシピを自分で調べてチヂミを作ってくれました。そちらもとても美味しく出来上がり、兄弟で褒め合っておりました。

また、妹は普段は保育園へ通っているのですが、お迎えに行くと「今日はお兄ちゃん何を作ったの？」と楽しみにしている様子が微笑ましいです。「次は私も作りたい！」と台所の取り合いです（苦笑）。毎日お昼ご飯が豪華になって、食いしん坊なわが家は親子で喜んでおります。